べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

このもどかしさは

2023年08月13日 16時15分00秒 | 夢想



また
夢を見ました
夢の中でもあのころと同じ
あふれるほどの思いがあるのに
なにひとつ言葉になりません
話しかけられないのではありません
言葉を失ってしまうのです
そのたたずまいに
ただ




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Chocolat

2023年03月05日 13時39分25秒 | 夢想



甘くて
ほろにがくて
それだけでちょっと
幸せな気分になれる
チョコがあるだけで

苦しくて
せつなくて
それでもすごく
幸せな心もちになれる
あのひとがいるだけで




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ずっとずっと

2023年01月21日 17時32分42秒 | 夢想



夕陽がすっかり沈んだら
小舟を浮かべてでかけましょう
静かな湖面でただずっと
月のあかりに照らされた
あなたのきれいな横顔を
のべつ眺めていたいから
なにも語らずただずっと
ずっとずっと
死ぬまでずっと
黙って見つめていたいから



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やわらかな午後

2022年08月06日 16時47分38秒 | 夢想



その本を手に取って
読んでみてください
テーブルの上に置いてある
そう 
その本です

どのページでもかまいません
しばらくのあいだ
耳を傾けていたいだけなのですから
やわらかな慈しみ深い 
あなたの声に

ほら 
ひぐらしが鳴いている
あんなにも心もとなげに
またひとつ季節が過ぎ去ろうと
しているのですね




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草はらで

2021年05月01日 19時18分58秒 | 夢想




蜜のようにやわらかな陽ざし
しなやかに吹きわたる風
波うつ草はら
想いも遠のく葉ずれの音
澄み渡った空はあまりに深く
その真っ青な広がりを背景に
そっと手をふるひとがいる
小高い丘のいただきに
あれはいったいだれ・・・
茫漠とした大気の中で
世界の輪郭がほどけていく






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トリネコの木陰で

2020年02月29日 16時49分29秒 | 夢想


ついさきほどまで
日が射していたのにふいの雨

ひとり
トリネコの木陰にたたずむ

あたりを包んでいるのは
ただ しめやかな雨音

敬虔な祈りの歌にも似た
美しい雨音



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凍てつく夜の並木道

2018年02月10日 12時32分48秒 | 夢想

凍てつく夜の底に細く横たわる並木路

木枯らしに吹かれて裸樹の梢が泣いている

湿り気を帯びた土から青い冷気が立ちのぼり

忘れられた物語は

まっすぐに続く夜の果てへと遠ざかる

レモン色に熟れた月が微かに揺れて

夜のすきまに滲んでとけた




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refrain

2016年09月04日 11時17分59秒 | 夢想

じっと じっと 
まぶたを閉じて
ふかく ふかく 
沈みたい
どこまでも どこまでも 
どこまでも ずっと
ふかく ふかく 
ふかく もっと
いつまでも いつまでも 
いつまでも そっと



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糸でんわ

2007年02月05日 22時00分14秒 | 夢想

ぴんと糸のはった紙コップを
そっと耳にあててみる
と、
風の音にまじって
どこか遠くのほうから
かすかにくぐもった声が聴こえてきたのです

もしもし
なにをいっているの?

はるか遠くへつながる糸は
小さな振動をつたえてはくるものの
かんじんな声は聴きとれません

もしもし、もしもし
いったいどうしたというの?

かぼそい糸は
遠いどこかへつながってはいても
やっぱり声は聴きとれないのです

ぴんと糸のはった紙コップを
そっと耳からはずして中をのぞくと
コップの底のキャベツ畑のうえを
真っ白な蝶がひとひら
やわらかな風にのって
ゆらりふわりと舞っているのが見えました





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通りすがりのバクの背中には小さな翼が

2007年01月17日 23時09分51秒 | 夢想

ある夜のこと
なんの前ぶれもなくぼくの夢枕に立ったのは
燕尾服を器用に着こなした
立派な身なりのマレーバクだった
シルックハットをちょこんと頭にのっけて
そのうえおしゃれなステッキまで手にしている
その姿はまるで往年の銀幕スター“フレッド・アステア”だ
とても変わったマレーバクだったけれど
なんといってもいちばん変わっていたのは
背中に翼のあることだった
天使のような小さな翼が

寝つけないのかい?
悪い夢なら食べてあげられるがね

バクはとつぜん現れたときと同じように
なんの前置きもなくいきなり語りかけてきた
その声はウッドベースのように深くて豊かに響くものだった
ところがちかごろのぼくときたら
思い悩むことさえ億劫で
見るべき悪夢すら無くしてしまったので
無言で力なく首を横にふるのがやっとというありさま

そうかそれはよかったよ
わたしもこのところまずい夢ばかり食べつづけでね
いいかげんうんざりしていたところなのさ

うす暗がりの中でウッドベースが静かに鳴り響く

ところできみは
身も心も疲れ果てているようだが
人生なんてさほどむずかしいものじゃないんだよ

と、燕尾服をきちんと着こなしたマレーバクは話しつづけた
背中で小さな翼がぱたぱたと音をたてている

だって
みんな平気な顔してやってるじゃないか
悲しくても苦しくても
泣きながら歯をくいしばりながら
心の中では叫び声をあげながらも
みんな平気な顔して暮らしてる
しかも、あろうことか
みんながみんな初心者だ
人生を二度生きたひとなんていないからね
だから人生を生きてくなんてことは
たいしたことじゃないんだよ
悲しみながら苦しみながら
泣きながら歯をくいしばりながら
心の中で叫び声をあげながら生きていく
ただそれだけのことなんだ
みんなやってることさ
けしてむずかしいことじゃない

マレーバクのフレッド・アステアは
それだけ言うと寝室の窓を開け放ち
背中の小さな翼をぱたぱたさせて
Que sera seraを口ずさみながら翔び去っていった
あとに残されたぼくは
あぁ、そんなものなのかなぁ
と、大きなあくびをひとつして寝返りをうった




☆絵:ファン・グリス☆
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月夜のメリーゴーラウンド

2006年12月25日 21時41分15秒 | 夢想

黄金の月の光が
まるで蜜かなにかのように
広場をとろりとみたしています

あたりはしんと静まりかえり
人影ひとつない広場の真ん中には
年代ものの古びた回転木馬が
ぽつんと取り残されておりました

と、どこから聴こえてくるのやら
懐かしいジンタの音色があたりに漂いはじめ
夜の闇にしっとり染みてゆくのと同時に
木馬がゆうるり廻りはじめます

ゆうるりと ゆうるりと

こみあげるやるせなさを
胸につのるせつなさを
両手でそっと
すくいとろうとこころみますが

たとえようもない愛しさが
はぁらり はらりと
こぼれ落ちてゆくのです
わずかな指のすき間から

月影にめくるめく回転木馬に揺られながら
あるがままをうけいれましょう
なすがままにまかせましょう
金色(こんじき)のとろけるような月あかりに抱かれて



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