べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

永遠の夜の底でぼくは

2009年04月29日 13時30分57秒 | 哀愁

満天の星空の下

透き通った高音の光が
銀色の無数の細糸のように降りそそぐ

すべての思考が停止する

永遠の夜の底でぼくは
ただ一粒の塵となる





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SCARECROW

2009年04月25日 12時25分19秒 | 慰め種

朽ちたボロを身にまとい
雨が降ればずぶ濡れて
日照りが続けば干からびて
それでもなお
傾ぎながらも立っている
おまえは並はずれた忍耐の持ち主か
それとも愚かなだけなのか
カラスに馬鹿にされようが
大いなる呆け者は
黙して風に吹かれてる




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うららかに狂おしく

2009年04月11日 01時38分33秒 | 慕情

あなたからの便りが途絶えて
いったいどれくらい経つのでしょう
心はひき裂かれるほど狂おしいのに
眼の前に広がる春の景色は
うっとりするほど長閑です
あまりにも あまりにも
うららかなのです






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チムチムチルルと小鳥は歌う

2009年04月05日 13時11分34秒 | 慰め種

チムチムチルル・・・
ぼくらは
蒔くことも刈ることもしないのに
大地は命の糧を恵んでくれる

チムチムチムリ・・・
わたしたちは
縫うことも紡ぐことも知らぬのに
色とりどりの綺麗な羽が
か細いこの身を包んでくれる

チムチムチュリル・・・
ぼくらは無一物であるにもかかわらず
森は穏やかな暮らしをあたえてくれる
樹々の小枝でからだを休め
葉っぱの蔭で風雨をしのぎ
木漏れ陽の中でくつろいで
夜には静かな安らぎの場となる

チムチムチュチュリ・・・
わたしたちは
自らなにも望まないのに
野は折々に花を咲かせ
甘い蜜の香りに満たされる
お陽さまの光は温もりを
川や泉は清らな潤いをもたらしてくれる

チムチムチチュル・・・
ぼくらは
とるにたりないことを悩むより
歓びを歌にする心をさずかった

チムチムチュリリ・・・
世界はこんな小さなわたしたちをも
わけへだてなく慈しんでくれる

チムチムチュチル・・・
ぼくらがどこへも自由に飛んでいけるのは
背中に翼をくだされたから
空がどこまでも広く
そこにあるから






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