べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

残されたもの

2023年02月18日 21時21分00秒 | 掌のものがたり



飲み水を
かえてあげようとした
ほんのわずかな隙に
籠のなかの小鳥は飛び去った

陽ざしのここちよい
吹く風もおだやかな
ひっそりと
静まりかえった午後のこと
綿雲がふたつ みっつ
おっとり流れておりました

あの空は
おまえには広すぎると
いつも言い聞かせていたのに

あとに残されたのは
からっぽの鳥籠と
そして



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