べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

それでおしまい

2021年06月05日 13時57分52秒 | 慰め種




二日ばかり降りつづいた雨があがったので
朝はやく野原へでかけてみました
ほんのつかのま目にしないうちに
草は背丈をまし
木々の緑はその濃さが
いちだんと深まったような気がします
小径はぬかるんでいましたが
レインブーツを履いてきたからへっちゃらです
空に浮かんだ白い雲を映しだした大きな水たまりに
片足を踏み入れたちょうどそのとき
どこからともなく吹いてきた風が
頬をなでるようにして
やさしく通り過ぎていきました
そこには少しばかり
初夏の香りがふくまれていたような気がします
それでおしまい
わたしの中のなにかが
静かに終わりを告げました




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