べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

許されない想いを抱いて過ごすのは

2007年01月22日 23時03分57秒 | 慕情

許されない想いを抱いて過ごすのは
木の葉がゆるやかに朽ちてゆくのに似ています
揺れる想いを秘めたまま
淡い日々をやり過ごすのは
あざやかな朱に染まった西の空が
やがて夜の闇に追いやられてゆくのに
似ている気がしてならないのです

想いが深くなればなるほど哀しくなってくるのです
逢えば逢うほど寂しくなってしまいます
愛しさが募れば募るほど虚しくなってしまうのです
そうして
あなたのたわいないあどけなさにふれるほど
つらさがましてしかたないのです

あなたの微笑がほころぶとき
青いライムを齧ったときのようなほろ苦い香りが
しっとりとぼくの孤独を満たしてゆきます
と、同時に
まるで心がひどく乾いて
無残にひび割れてゆくような心持がするのです

耐えがたいせつなさに身の置きどころを失って
時だけが無常に流れ去ってゆく中で
ぼくはまたしても思い知ることになりました
この世にはどうしてもままならないものがあるということを

こうしてあなたに
めぐり逢ってしまったから





☆絵:ジェニファー・ハモンド
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