許されない想いを抱いて過ごすのは
木の葉がゆるやかに朽ちてゆくのに似ています
揺れる想いを秘めたまま
淡い日々をやり過ごすのは
あざやかな朱に染まった西の空が
やがて夜の闇に追いやられてゆくのに
似ている気がしてならないのです
想いが深くなればなるほど哀しくなってくるのです
逢えば逢うほど寂しくなってしまいます
愛しさが募れば募るほど虚しくなってしまうのです
そうして
あなたのたわいないあどけなさにふれるほど
つらさがましてしかたないのです
あなたの微笑がほころぶとき
青いライムを齧ったときのようなほろ苦い香りが
しっとりとぼくの孤独を満たしてゆきます
と、同時に
まるで心がひどく乾いて
無残にひび割れてゆくような心持がするのです
耐えがたいせつなさに身の置きどころを失って
時だけが無常に流れ去ってゆく中で
ぼくはまたしても思い知ることになりました
この世にはどうしてもままならないものがあるということを
こうしてあなたに
めぐり逢ってしまったから
☆絵:ジェニファー・ハモンド