べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

野に咲く一輪の花によせて

2007年01月24日 22時26分45秒 | 慕情

なにかが始まろうとする予感に
わたしは心を閉ざします
野辺で出逢った一輪の花に
どれほどこみあげるものがあったとしても
無闇に手折ることなどできないのですから
いいえ、それどころか
ふれることさえ許されないのです
いまのわたしには・・・・・・・

心を閉ざして耐えきれなくなったわたしは
あるときは野をわたる青い風となって
吹き過ぎてゆくでしょう
可憐な花びらを散らさぬように
そしてまたあるときは
夜空をよぎる星屑となって
淡い影を落とすのです
微かにふるえる花びらのうえに

なにかが始まろうとする予感に
わたしは心を静かに閉ざします
募る愛おしさはすべて静寂の泉に深く沈めて
密やかに密やかに
わたしは心を閉ざすのです
忍んで秘めた想いほど
汚れなく美しいものはないと信じたいから






☆ダニーロ・フェルナンデス
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