べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

万華鏡

2007年01月25日 22時26分36秒 | 慕情

はじまりは光織りなすめくるめく揺らめき
いつのまにかあなたのことが気になりはじめ
ふと気づけばあふれんばかりのせつなさが
小さな胸いっぱいに満ち満ちていたのです

あなたと過ごしたささやかな時間
それは色の織りなすめくるめく夢のひととき
あなたと歩いた小路  あなたの手のぬくもり  あなたとの語らい
そんな些細なことがかけがえのない喜びだったのです

いつかは終わるとわかっていました
まだ何も始まっていないうちから
あなたのそばにいられることが
なぜかしら心もとなく儚げに思えたのです

わたしひとりを置き去りにしてゆき過ぎる日々
あれから幾年月がたったでしょう
あなたの声  あなたの仕草  あなたの匂い
これからもずっと忘れることはありません

移ろいゆく季節の中でふとよみがえる想い出は
香り織りなすめくるめく幻の記憶
悲しいほどに清らかで  
やるせないほど美しい

けれどわたしの心の万華鏡
あなたの影が滲んで揺れて
もう二度ときらめく光は紡げない
けしてふたたびきれいな模様は描けない






☆絵:マリー・ローランサン☆
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