酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

後手に回るガースー政権

2021-01-07 14:57:59 | 政治
新型コロナ対応が後手後手に回り、支持率急降下中の菅政権が、自治体包囲網と世論の圧力に耐えきれず「緊急事態宣言」発出に舵を切った。

《菅義偉首相は7日夕、東京都と埼玉、千葉、神奈川3県を対象に新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の再発令を決定する。西村康稔経済再生担当相は7日午前、専門家で構成する諮問委員会で、緊急事態宣言の期間は8日から2月7日までと正式表明。諮問委は政府方針を了承した。首都圏の感染拡大に歯止めがかからず、医療提供体制が逼迫していることを踏まえた。緊急事態宣言は昨年4月に初めて発令して以来となる。
》=7日kyodo=

 つい10日ほど前の会見で菅は「緊急事態宣言については尾身会長からも今は緊急事態宣言を出すような状況ではない。こうした発言があったことを私は承知しています。いずれにしろ4月の緊急事態宣言を出したときと比較をして感染終息のために当時は行ったわけでありますけど、その後の経験の中でいろんなことを学んできたということも事実だと思います」と述べていた。また政府が対策の拠り所としている諮問委員会会長の尾身は「年末年始が始まると人の流れは一定程度抑制されると思います。しかし、ここで私が強調させていただきたいのは、年末年始が終わりますと社会経済活動が活発になりまして、感染がまた再び急増する可能性が極めて高いと思います」と急増は年明け後との見方を示していた。

 暮れの段階で緊急事態宣言を出さなかった対策の遅れが、東京での爆発的感染者増をもたらしていることは明白だ。12月31日1300人1月6日1500人、そして 《きょう東京都が確認した新型コロナウイルスの新たな感染者が2447人に上ったことが関係者への取材で分かった。これまでで最も多かったきのうの1591人を大幅に上回り2日連続で過去最多を更新した。

 また、重症の患者も前の日から8人増えて121人となり、4日連続で過去最多を更新した》=7日ANNニュース=

 新型コロナ感染の潜伏期間などを考慮すれば、現在出ている数字は年末に感染した方々と考えるべきだろう。尾身が言う「年末年始は人の流れが減る」など全くの当て外れ、例年より大幅に少ないとはいえ年末年始に人は動いたのだ。この読み違いは重大だ。東京の感染者1日3000人も時間の問題だ。

 明日発出される緊急事態宣言、1都3県・飲食店にほぼ絞った「限定的・集中的」な対応だそうだが、これまたはなはだ中途半端。飲食店由来の感染が多いのは事実だが、ここを止めれば全体が止まる、というほどの急所ではない。期間を1か月に区切ったのはさらに悪手だ。この1か月、1都3県の感染者は右肩上がりで増えていくことになろう。そうなれば期間延長だ。しかも複数回繰り返されそうだ。そうなればもはや菅政権はもたない。

 菅に残された手は強力かつ大胆な感染抑止策を打ち出すことしかない。通常国会が始まったら特措法の改正とセットで全国に網をかけた緊急事態宣言を発出する。それができないようならやめなさい、ガースー君。
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男と女の箱根駅伝

2021-01-05 16:23:48 | スポーツ
「沿道での応援はご遠慮ください」との呼び掛けはどこまで効いたのか? 人出は85%減というが、田舎の人間から見れば結構な人だかりができたいた箱根駅伝。創価大がまさかの優勝かと思ったが、そうは問屋が卸さなかった。

 ま、二日も前の話なのでレースそのものにはあまり触れない。

 面白かったのは駒大大八木監督の「男だろ」「お前はやっぱり男だ」という「男コール」の連発。中継のアナウンサーも「大八木監督からいつもの檄が飛んでいます」。この檄の使い方は誤用だがそれは置いておいて…。「『大八木監督を男にしたい』○○選手は走り出す前にこう語っていました」なんてセリフもあった。

 大学女子駅伝に伴走車が付いたとしたも「女だろ」「女を見せろ」なんて掛け声が掛かるとは思えない。「戸倉コーチを女にしたい」なんてコメントもあり得ない。ジェンダーフリーの時代に合って「男」の大合唱とは…。

 かと思えば選手たちの私生活に触れる場面では「お母さんが女手一つで育て上げてきました」「母親の△△さんは今日もお仕事をしながら声援を送っているそうです」とこちらは細腕繁盛記(古いねえ)みたいなお涙頂戴物語の繰り返し。

 男は男らしく、女は女らしく!! かようにきっぱりしているところが箱根駅伝の魅力。そうとしか思えない新春の風物詩でした。この古さが魅力なんだね。某公共放送の歌合戦と同じようなもの。今も昔も変わらない日本の年越し・新春風景でした。
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祝 菅首相誕生!!??

2020-09-02 15:10:09 | 政治
安倍晋三首相の突然の辞意表明から4日。少しはごたごたするかと思っていたら、後継は官房長官の菅義偉にほぼ決まりという状況になってきた。勝ち馬に乗る、冷や飯は食わないー自民党の体質がなせる早業だ(w)。

 総裁候補は3人、石破茂、岸田文雄、そして菅。河野太郎や茂木敏充らは手を上げようともしなかった。自身の政治信条を懸け、コロナ禍に立ち向かい、日本の針路を国民の前に示すという政治家としての使命より、わが身と派閥の明日が大切なのだ(総裁選に立候補した3人も明確な政策などないのだが)。

 最近まで安倍後継など「考えてもいません」と述べていた菅が、なぜ総裁・首相を目指すことを決意したのか? 何をしたいとか、これをやらなければなどという決意は感じられない。安倍の7年余を見ていて、これくらいなら俺でもできるーという気持ちが芽生えたのかもしれない。安倍の数々の失敗をうまく尻ぬぐいしてきた経験が、この自信の源だろう。世の中なんて案外ちょろいー菅がそう考えたとしても不思議はない。

 国会議員になった以上、総理総裁を目指すのは当然だ。だが、そのチャンスが巡ってくるのは一握り。菅もあまりの好展開に驚いているに違いない。問題は任期。来年の9月までしかない。コロナ禍、五輪・パラ問題、景気動向(雇用状況)、外交…。この一年に待ち受けるのは極めて解決が難しい難題ばかりだ。渦中の栗を拾うとはこんな状況のことを言うのだろう。

 任期といえば衆院議員の任期が来年10月に迫っている。新政権発足の勢いを駆ってこの秋にも解散総選挙を断行したいのだろうが、コロナ禍が立ちふさがる。かくて来年9月にはまた総裁選、ここで菅が再選されるのか? 多分noだ。河野太郎あたりが担がれるのではないか。

 で、菅は首相在任1年でお役御免!! 時計の針が10年戻る? 権謀術数の策士・菅がそんなみじめな行く末を許すわけがない。そこで浮上するのが無理筋の解散総選挙だ。国民の鼻面にぶら下げるのは消費税5%下げ!! 消費マインドを刺激し景気対策になる。これならコロナの渦中でも国民は解散を容認するだろう。次の総選挙、自民党はどう転んでも大幅に議席を減らすとされている。しかし、減税をてこに、野党の態勢が整わない10月ごろ選挙を打てば、大敗どころか勝利の筋道も見えてくる。

 自民党の総裁選が告示をされる前から先走った与太話を書いてしまったが、意外とこんな展開もあるのでは。菅内閣に期待することは、ないなあ。
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「新語大賞」中間発表??!!

2020-07-01 10:12:03 | 話題
 あっという間に今年も半年が終わった。72年ほど人間をやっているが、これほど《ひどい》年は初めてだ。ほんと、世の中何があるか分からない。
 
 分からない源がこの記事。1月10日付けである。湖北省武漢の謎の肺炎について中国衛生当局が「新型ウイルスによるものと確認した」という報道だ。5日後にはWHOも新型ウイルスと認定した。後の展開はご承知の通り。今や感染者1000万人、死者50万人。世界は新型コロナウイルスに振り回されっぱなしだ。
 というわけで? 2020年の流行語大賞は新型コロナウイルス絡みで占められるのはほぼ間違いない。半年という時点ではあるが候補を挙げてみた😎
 
 まずは「新型コロナウイルス」。これがなければ何も始まらなかったのだから別格として奉っておく。欧米などのメディアでは新型コロナウイルスについては「COVID 19」という正式名称を使っているところが大半だが、わが国の一般ニュースではまず使われない。サーズ、マーズと呼んできたのに今回だけなぜ、という疑問もわくが…。
 
 「ロックダウン」と「自粛」。都市封鎖を強行した欧米で感染爆発が起き、自粛の日本は「感染爆発の重大局面(小池百合子)」で踏みとどまった。この経過に某大臣は「民度が違う」などとだみ声を張り上げたが、果たしてどうなのか。百合子さんが「重大局面」とのたまった3月25日の東京都の新規感染発表は41人。このところ50人以上が続いているが「夜の街」は別扱いなのか。それとも「集団免疫」でもいいとのお考えか。政治屋の考えることはよく分からない。カイロ大を首席で終えられたという百合子さんはなかなか造語がうまく「ステイホーム」「東京アラート」などを連発、「三密」回避の呼びかけにも一役買った(晋三さんは「アベノマスク」を全国にばらまき失笑を買った)。

 ステイホームに飽きた年寄り?は「昼カラ」に興じて新たな「クラスター」づくりに貢献、「ソーシャルディスタンス」を無視して車を近づける短気な御仁はあおり運転で厳罰を食らう。立っても座っても車でも「濃厚接触」はいけません!! 濃厚接触というともう少し別な発想をしてしまうのは年のせいか、品性のなさゆえか。

 3~4月ごろは今にも「医療崩壊」が起きそうだとの悲鳴が飛び交い、実際、現場の状況は悲惨だったらしい。多くの公立病院は赤字が続きのスタッフ不足、コロナがなくても医療崩壊の瀬戸際にある。待合室があれだけ混雑しているのに儲からないのはどういうわけか?

 職場ではテレワーク(リモートワーク)が推奨された。リモートで働くことができる人は一部に限られる。それ以外の現業労働者は「エッセンシャルワーカー」と称えられる。拍手だけでなく、待遇で応えてほしいと切に思う。

 「ウイズコロナ」だの「ポストコロナ」だのかまびすしいが、コロナウイルスは昔からいた。くしゃみ三回、罹ったかな、あなたの風邪はどこから…ウイズコロナは日本のお家芸なのです。「巣ごもり」が長すぎたせいか頭がよく回らない。疲れてきたので、♪ここらでやめてもいいコロナ~(古いなあ)。
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台風の目になるか!?

2020-02-05 15:57:04 | 国際政治
11月に行われる米大統領選挙へ向けた民主党の候補者選びがアイオワ州で始まった。事前の予想はサンダース、バイデン、ウォーレン、ブティジェッジの順だったが、とんだ「番狂わせ」? 集計の不手際も相俟って、トランプと相撲をとるのが誰もいなるのかはいよいよ混とんとしてきた、のかな? アイオワの最終結果はまだ流動的とされるが、当方はこのままの形で突き進むのが面白いと考えている。トランプをはじめ、老いた方々にこの超大国を任せるのでは未来がなさすぎる。若いブッちゃんに頑張ってもらおう!!

《アメリカ大統領選挙に向けた野党・民主党の候補者選びの幕開けとなるアイオワ州の党員集会は、中間の集計結果が初めて発表されました。AP通信によりますと、集計率62%で中道派のブティジェッジ前サウスベンド市長がわずかな差で首位に立つ一方、同じく中道派で、全米の支持率でトップのバイデン前副大統領は4位となっています。

11月のアメリカ大統領選挙で政権奪還を目指す野党・民主党が3日、中西部アイオワ州で開いた党員集会は、集計システムのトラブルから結果の取りまとめが大幅に遅れていましたが、4日午後、中間の集計結果が初めて発表されました。

AP通信によりますと、集計率62%で、中道派のブティジェッジ前サウスベンド市長が26.9%、左派のサンダース上院議員が25.1%、同じく左派のウォーレン上院議員が18.3%、中道派のバイデン前副大統領が15.6%で、38歳と11人の候補者の中で最年少のブティジェッジ氏が2位のサンダース氏を1.8ポイント上回り、首位に立っています。

ブティジェッジ氏は4日、候補者選びの次の舞台となるニューハンプシャー州で演説し、アイオワ州での勝利に自信を示したうえで、有権者にさらなる支持を呼びかけました。

一方、全米で支持率トップを走るバイデン氏が4位と出遅れていることについてアメリカのメディアからは「驚きだ」という声も上がっています。

ただ、残りの集計結果によっては今後、順位が入れ代わる可能性もあり、アイオワ州の選挙結果は今後の候補者選びの行方を大きく左右するとされるだけに、その勝敗の行方に引き続き高い関心が集まっています》=nhk.or.jp=

 集計のもたつきはひどい。トランプに「政権担当能力ががない」と馬鹿にされても仕方がない。この「事故」を災い転じて福とできるかどうか。民主党自体が問われている。

 さて、アイオワの途中集計をどう見るかだ。バイデンが4位と出遅れているのは当然だろう。トランプのウクライナ疑惑はバイデン疑惑でもある。こんな男が本選に出るとなればトランプに蹴散らされること間違いない。

 サンダースはどうか。急進的な主張に若者の支持が集まっているというが、民主党の多数派を束ねられるかといえば大いに疑問だ。ウォーレンについても同じことがいえる。さらに気になるのは民主党有力候補の高齢化ぶりだ。サンダース78、ブルームバーグ77、バイデン76、ウォーレン70.力量さえあれば年齢は問わずーは正解だが、自由と若さの国アメリカでこの顔ぶれはいかがなものか。アメリカの長期低落傾向を象徴する現象に見える。まさに老大国。

 で、ブッちゃん推し。38歳。同性愛者を公言している。小都市の市長を務めた経験はあるが政治経験は乏しい。だから化ける余地がある。当選すれば史上最年少の大統領だ。トランプがもっとも戦いたくない相手がブティジェッジだろう。攻撃材料に乏しいからだ。「政治経験の乏しさ」などと吠えれば、自らに跳ね返ってくる。

 候補者選びはこれから本格化するが、ブッちゃんが勢いをつけていくと面白い。大統領になってもトランプよりはましだろう(w)
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厚底規制だって??

2020-01-16 15:15:48 | スポーツ
 五輪イヤーが明けてほぼ2週間、正月のスポーツシーンも終わりになりかけたところへ衝撃的?!なニュースが飛び込んできた。ニューイヤー駅伝や箱根駅伝で選手の足元を征服しつくした感のあるナイキの「ヴェイパーフライネクスト%」が使用禁止になるかもしれないというのだ。

《陸上長距離で最近数シーズン、好記録を連発しているナイキ製の厚底シューズが世界陸連の新規則によって禁止されることになると15日、複数の英紙が一斉に報じた。世界だけでなく日本のトップ選手の使用率は高く、使用禁止となる時期によっては混乱は必至。東京五輪の男女マラソン、競歩の札幌移転問題で困惑した陸上長距離関係者にとって、また頭を悩ませる問題となる可能性もある。
 東京五輪を前に、陸上長距離界に新たな問題が発生しそうだ。デーリー・テレグラフ紙(電子版)は世界陸連の専門家による委員会が検証し、底の厚さに制限を加える規則を設けることになったと報道。現在人気を集めているモデルはトップレベルでは使用が禁じられるとした。ナイキの厚底シューズは炭素繊維のプレートが埋め込まれており、高い反発力が売りになっている。

 同紙によると、世界陸連はソールの厚さを制限する方向だといい、エリウド・キプチョゲ(ケニア)が履いていた試作品や大迫傑(ナイキ)ら多くの日本人トップ選手も履いている「ズームXヴェイパーフライネクスト%」が規制対象。「デーリー・メール」は昨秋から世界陸連が調査チームを立ち上げていたとし、今後数カ月のうちに報告されるという。またタイムズ紙(電子版)によると、世界陸連は既に出された記録については抹消などはしない見通しという。

 19年10月に行われた非公認レースで人類初の2時間切りとなる1時間59分40秒(非公認)をマークしたキプチョゲは「(厚底シューズは)公平でありスポーツは技術の進歩を取り入れるべきだ。規制を強化する必要はない」とコメントしている。

 現在の世界陸連の規定では、長距離用シューズのソールの厚さには規定がないが「全ての人にとって合理的に利用可能でなければならず、ランナーに不当な優位性を与えてはいけない」と定めている。ヴェイパーフライは市場価格3万円前後と高価で、前述のルールに抵触するかなどが焦点となる。世界のトップランナーに愛用者が多く、禁止される時期によっては、東京五輪に向けて混乱が生じる可能性もある。

 ◆ナイキ厚底シューズと日本長距離界 18年2月、東京マラソンで厚底シューズを使用した設楽悠太(ホンダ)が16年ぶりに日本記録を更新。同年10月には大迫傑(ナイキ)が同じシューズでさらに記録を更新した。昨年9月の東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で代表に内定した男女4人のうち、3人が使用。MGCファイナルチャレンジでは井上大仁(MHPS)もナイキに履き替えて最後の1枠を狙う考えを示している。また、今年の箱根駅伝では使用率が80%を超え、10区間中7区間で区間新記録が誕生した》=スポニチアネックス=。

 規制する理由について各紙が伝えているのは「公平性の確保」だ。一見妥当なように見えるが、そもそもトップアスリートとそれ以外ではメーカーのサポートに大きな違いがある。陸上に限らず、メダル候補などにはメーカーは特注で応じている。身体特性、骨格・筋肉の付き方、試合会場との相性、気候条件…。提供された試作品の中から、選手は最もぴったりくるものを選ぶのだ。一足3万円どころの話ではない。開発費を含めれば数百万から数千万円の世界だろう。世界陸連がこんなことを知らないはずがない。それをなぜ規制しようというのか。

 ここからは邪推だが、他のメーカーを忖度したか、横やりが入ったか、その両方か。東京市場では「ナイキ規制」が報じられた16日、アシックス株が跳ね上がったという。長距離ランニングシューズの世界ではナイキが独走中。アシックスやアディダスなどは歯噛みをして悔しがっているはずだ。そのうえ東京五輪のマラソンでナイキを見せつけられることになると…。

 どう決着するのか予想はつけにくいが、問題は厚さだけではないはずだ。五輪前の方向性を見出すのは難しく、調査継続となるのではなかろうか。いずれにしてもスポーツの世界も金次第であることは間違いない。
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参院選が壊れた!?

2019-07-22 15:30:32 | 政治
 第25回参院選が終わった。自公は過半数を維持したが、改憲勢力は3分の2には届かなかった。

 ≪第25回参院選は21日、投票が行われ、即日開票された。与党の自民、公明両党で計71議席以上を確保し、自民幹部が「勝敗ライン」とした改選議席の過半数にあたる63議席を超えた。憲法改正に前向きな日本維新の会を加えた「改憲勢力」では、改憲の国会発議に必要な参院定数(245)の「3分の2」の164議席は維持できなかった。投票率(選挙区)は毎日新聞の集計によると全国平均48・84%で、過去最低だった1995年の44・52%に次ぐ低い水準となる見通し≫=毎日JP=。

 結果はおおむねメディアの予想通りであり、意外感はあまりない。だが、国政選史上2番目に低い投票率、比例区個人票最多候補の落選、「とんでも政党」の議席獲得など想定外の事象も多発している。後年、あの参院選から変わった―と言われる画期的?!参院選だったのかもしれない。

 全国の投票率は48・84%で24年前の亥年参院選の44.52%に次ぐ低さとなった。投票率が5割を割ること自体、選挙の正当性を疑わせる事態と言わなければならない。全国最低は合区選挙区である徳島県でなんと38.5%。「議会の子」三木武夫が泉下で泣いていることだろう。徳島・高知、鳥取・島根の合区に対する不満を解消、緩和するため?に自民党が編み出したのが今回から導入された比例の「特定枠」だ。これがとんでもない結果を生む。「れいわ新撰組」を率いた山本太郎は個人では最多となる96万票を稼いだが、「れいわ」は特定枠2人を使っていたため、当選はこの二人となり、太郎氏はあえなく落選となった。

 太郎氏自身は「落ちてもすぐ衆院選がある」と読んでいた節があり、してやったりの展開だろう。ALS患者の候補と重度障害者の女性候補が当選したことで、参院はさっそく対応を迫られる。大型の車いすを議場にスムーズに入れることだけでも大ごとだ。声を出すことはおろか指も動かせない議員にどう発言の場を確保するのか。考えただけでも難問だらけだ。太郎氏は事ごとに問題点を指摘、「参院改革」迫ってくると思われる。そうすることで「れいわ」は注目を浴び続ける―太郎氏はそこまで計算しているように見える。

 NHKから国民を守る党が1議席を得たのはさらにびっくりだ。「NHKをぶっ壊す」だけを訴えて90万票も獲得してしまった。NHKの集金人に脅しまくられている人がそんなに多いとは思えない。「N国」あの「お笑い政見放送」が有権者の興味をそそったのか? 

 このとんでも参院選の結果に安倍も枝野も松井も山本もニコニコ。なんかおかしい。参院だけでなく、この国そのものがきしみ始めたようだ。怖い怖い。
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誰が何を狙ったのか

2019-06-14 09:49:39 | 国際事件
 日本の首相として41年ぶりにイランを訪れ、緊張状態にある米国とイランの橋渡しを果たし「世界の安倍」をアピールしようと目論んでいた安倍晋三がまさかの仰天弾に見舞われた。イランの最高指導者ハメネイ師との会談が行われた同じ13日、日本に向かってホルムズ海峡近くを航行していたケミカルタンカーが何者かの砲撃を受け被弾したのだ。 

 ≪中東のホルムズ海峡近くのオマーン湾で13日、日本の船舶を含む2隻の石油タンカーが何者かの攻撃を受けて炎上した。ホルムズ海峡は中東産の原油を世界に向けて出荷する海上輸送の大動脈だ。攻撃の情報を受けて原油相場は即座に4%ほど上昇した。中東の地政学的リスクの高まりは、世界経済の先行きへの不安を高める。

 タンカーのうちの1隻は、国華産業(東京・千代田)が運航するパナマ船籍のコクカ・クーレジャス。日本時間の午前11時45分ごろ攻撃を受けた。国華産業は三菱ガス化学が50%を出資する海運会社で、船はメタノールを運んでいた。

同社は13日夕、都内で記者会見を開き「砲撃を受けた」と説明した。日本人の乗船者はおらず、フィリピン人の21人の船員は避難したという。

国土交通省は攻撃者がだれかを特定できておらず、日本を標的にしたかも不明としている。攻撃を受けたもう1隻はマーシャル諸島船籍のフロント・アルテアだった。

攻撃があったホルムズ海峡近くの地域では5月にも、アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアのタンカーが「破壊行為」で損傷を受ける事件が起きたばかり。ボルトン米大統領補佐官は攻撃したのは「ほぼ確実にイランだ」と指摘。イランは関与を否定するなど緊張が高まっていた≫=13日nikkeicom=。

 イランは繰り返し「アメリカとの戦争は望んでいない」と述べている。安倍との首脳会談、ハメネイ師との会談でも同じ趣旨のことを述べている。イランはザリーフ外相を日本に派遣して、安倍の訪問を歓迎する旨伝えていた。アメリカとの緊張を少しでも和らげることができれば―がイラン側の狙いだろう。そうであれば、このタイミングで日本関連のタンカーを攻撃するのはイランにとって何の益もないように見える。唯一あるとすればホルムズ海峡の緊張激化による原油価格高騰ぐらい。これとて輸出先が細っているイランにとってそんなに大きなプラスに働くとは思えない。

 ポンペオや前回の砲撃の時のボルトンは即座に「イランだ」と反応している。そう断定する根拠は何なのか。超強硬派のボルトンは対北朝鮮、対イランでは主戦論を唱える。トランプがイランに融和姿勢をとるなどもってのほかと思っているに違いない。となると…。ボルトンやポンぺオ発言には意外なところから疑問視する声が上がっている。元空幕長の田母神俊雄はツイッターで次のように言う。

 ≪13日ホルムズ海峡近くでタンカーが攻撃を受けた。これは攻撃により得をする国家や団体がやったものと思う。しかし我が国には情報機関がないに等しいので真実は不明である。各国は真実を知っても国益のために発言する。米国は多分つかんでいると思うがポンペイオ長官が真実を言っているかは不明である≫

 攻撃により得をする者は誰か。石油の値段が上がって大喜びをしている者。本格的な戦争が勃発するのを心待ちにする者。世界のあちこちにこういう輩がうごめいている。危ない危ない。
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高額医薬品と地域格差

2019-05-17 11:54:34 | 社会
 2014年の秋にがん治療薬オブジーボの保険適用が認められた際、その値段の高さにびっくりしたが、今度は1回の投薬で3350万円という超高額新薬が保険適用となった。白血病の治療薬「キムリア」。患者にとっては待ちに待ったニュースなのだろうが、医療過疎県にいる身には複雑な思いもある。

 ≪1回の投薬で、3349万円もする白血病治療薬が公的な医療保険でカバーされるようになる。厚生労働省は15日、白血病など血液のがんで高い治療効果が見込まれる「キムリア」の保険適用を決めた。

 厚労省が同日開いた中央社会保険医療協議会(中医協)で、キムリアの公定価格(薬価)を3349万円にする案を示し、承認された。22日から保険適用する。キムリアはスイス製薬大手ノバルティスが開発した。CAR-T(カーティー)と呼ばれる新たながん治療法の薬だ。患者の免疫細胞に遺伝子操作を加えて、がん細胞への攻撃力を高めてから体内に戻す。国内では初の保険適用になる。海外では米国や欧州、カナダ、スイスなどで製造・販売の承認を得ている。

 治療対象は白血病の患者で抗がん剤が効かなかった人などに限定する。対象は216人と見込まれている。市場規模は72億円だ≫=15日・日経com=。

 医療や医薬品の進歩は目覚ましいが、恩恵を受けられるのは大都市など医療先進地に限られるのが実態だ。「大学病院で診てもらいますか」―医師の問いかけに「泊りがけで検査なんてとてもとても」とおばあちゃん。よくある光景だ。指を機械に挟まれた知人が「病院では切断と言ってるんだけど、何とかならないんだろうか」と聞いてきた。150キロほど離れたところにある専門病院を紹介、復元できた。キムリアには重篤な副作用があるとされ、これに対処できる病院でしか処方されない見通しだという。地方、とりわけ田舎でこの治療法を望むのは無理だ。画期的な治療法や新薬に手が届くのは、ごく一部でしかない。

 一回の投薬で数百万円~数千万円という超高額薬が近年相次いで登場している。それによって救われる命がある。それこそ科学の進歩と言っていいだろう。だが、人はいつか死ぬ。必ず果てる命と考えると、救命に無限に金をつぎ込んでいいのか―との疑問もわく。

 先ごろ発表された医師充足指標によれば東北は東京の半分ぐらいの充足率しかない。高度医療や新薬開発に投資するのは大事だが、地方の救われるはずの命を確実に救うことはもっと重要だ。地方への移住促進に力を入れるというなら、医療格差、教育格差の解消にまず取り組むべきだ。
 
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「皇室に人権はあるか」だって?

2019-05-04 08:44:28 | 話題
 憲法記念日の昨日、某地方紙の社会面に「皇室に人権はあるか」との見出しの記事が載っていた。見出しはほかに二本「結婚や『引退』多い制約」「自由な意見表明も難しく」。続く記事はこうである。

 ≪天皇の代替りという歴史的節目に当たり、皇室と憲法の関係に目を向けると、多くの人権が制約されていることが分かる(後略)≫。

 記事を書いていいるお方も編集者も「皇室(族)にも人権はある」との前提に立っているとみられる。しかし、天皇、皇后、皇太子はもとより、皇族に人権などないと考えるのが素直ではないか。皇族は国民の権利・義務とはほとんど無縁だからだ。天皇家には戸籍がない。苗字もない。選挙権ももちろんない。相続税や勤務した際の所得税はお払いになっているようだが、詳しいことは分からない。

 「朕ト爾等国民トノ間ノ紐帯ハ、終始相互ノ信頼ト敬愛トニ依リテ結バレ、単ナル神話ト伝説トニ依リテ生ゼルモノニ非ズ。天皇ヲ以テ現御神トシ、且日本国民ヲ以テ他ノ民族ニ優越セル民族ニシテ、延テ世界ヲ支配スベキ運命ヲ有ストノ架空ナル観念ニ基クモノニモ非ズ」。1946年1月1日、昭和天皇から発せられたこの行は「天皇の人間宣言」として知られるが、「朕は人間だ」などとは言っていない。また、「爾等国民」との言葉からは国民の中に天皇は含まれないとみることができる。

 天皇は日本国民ではなく、したがって日本国民が享受している人権もない。普通に考えるとそうなる。記事の結びにはこうある。

 ≪天皇、皇后を支える宮内庁幹部は「皇室と人権の話は、結局は国民がどう考えるかの問題だ。ゴシップとしてではない形で関心を持ってもらえるとありがたい」≫。天皇(家)の人権を尊重するということは、天皇制の否定にもつながりかねない。「私は皇位に就きたくない」との自由も認めることになるからだ。「国民がどう考えるか」と投げかけられれば、考えますけどね…。
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