脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

覇権まであと一歩 -10試合を終えて-

2011年07月15日 | 脚で語る奈良クラブ
 関西リーグは後期へ折り返して既に10節を消化。奈良クラブは未だ負けることなくDiv1の首位を独走しており、条件次第では、この週末に行われる11節で優勝が決まる可能性が出てきた。関西リーグ昇格からわずか3年目での快挙へあと一歩だ。10試合を終えたチームを数字の面などで簡単に振り返る。

 折り返し1戦目のAS.ラランジャ京都戦は、猛暑とその熱をたっぷり吸収した人工芝のゴムチップの放射熱にかなりチームのパフォーマンスが落ち、苦戦した(これは牧の試合後の話やUstream番組でも語られており、選手にとっては本当にパフォーマンスを左右するようだ。)。しかしながら2-1で何とか相手を振り切ると、続くアミティエ戦(7/2キンチョウスタジアム)では前期苦戦した相手に3-0と快勝。後期序盤戦では最も注意したい相手だっただけに予想外の完勝劇で少々拍子抜けしたが、確実にチームの結束やコンディションは試合数を負うごとに深まってきている。

 5/22以来の県内開催となった10節の阪南大クラブ戦も4-1で快勝。特に後半はほとんど相手を寄せ付けないペースで、あと1点、2点も十分奪えた内容だった。得点パターンもセットプレーから、崩しからと精度を高めてきている。立ち上がりの“受けの姿勢”は未だ健在で早い時間帯での失点もあるが、それを遥かに上回る攻撃で得点を奪っているから結果は万事オーライだ。試合に併せて行われた「奈良クラブ祭り」も店舗が増えて活況ぶりを見せた。何より採算度外視で協力してくれている店舗もあるのは本当にありがたい。
 
 今季はFW牧がここまでリーグ戦5試合連続得点中とまさに絶好調。ここまで9得点で10節終了時点で得点ランクトップを走っており、得点王も狙えるパフォーマンスを見せている。そして、それ以外にもスコアラーとして名を連ねた選手は9選手もおり、そのうち7選手が2得点以上という攻撃の充実ぶり。今季から加入した辻村隆も牧に続く4得点とアシストを量産しており、得点王とアシスト王の両方をチームから輩出できる可能性も低くない。総得点は27得点(1試合平均2.7得点)とリーグトップで、総失点数も未だ10失点を下回る8失点(1試合平均0.8失点)とバランスは良い。チーム別集計を紐解くと、実はシュート数はDiv1の8チーム中でも3番目の106本という数字(1位はアミティエの115本、2位は三洋洲本の113本)。対して被シュート数はワースト3番目の100本も打たれている。つまり、シュートの精度が高くなり、得点に結びついている。これは今季から練習環境が飛躍的に良くなり、フルサイズのゴールをようやく使えるようになった賜物か。また、被シュート数と失点数の相関関係は驚異的でもあり、GK日野の存在の大きさを際立てている。右サイドバックを務める黒田は開幕前にコンバートされており、層も含めて少し守備陣は手薄な感は否めないのは正直なところだ。

 開幕前、監督の就任が少し遅く、退団選手の多さにその穴が埋まるのかと心配したのはいつの話やら。早くこの力が全国の舞台でどれぐらい通用するか見てみたいというところまで来た。週末対峙するアインは今季唯一勝てていない相手だが、チームは遥かその先、全社、地域決勝を見据えている。確実に乗り越えていっていくれるだろう。


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2 コメント

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快進撃 (王寺サポ)
2011-07-15 22:52:23
といってもいい内容ですね、やはり監督招聘・午前練習が夏場になるにつれて一層成果が出てる気がします。地域決勝はおそらく厳しい戦いが予想されますので普段の練習からぜひ意識づけを高めてほしいです。
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Unknown (yoshi:D5)
2011-07-15 23:53:39
>王寺サポさん
コメントありがとうございます。

今季の後半からエンジンのかかる戦い方は確かに充実したトレーニングの賜物ですね。
ただ、全国レベルは一筋縄ではいかないと思います。どこかできっちり自分たちの実力を知れる試合がしたいところです。
個人的には、東海リーグ首位の藤枝MYFCあたりとの試合を観てみたいものですね。全国レベルに挑戦するためにも10月の全社本大会出場はこのチームにマストだと言えますね。
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