脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

J1へのリトライへ一点の曇りなし -岡山VS甲府-

2010年09月27日 | 脚で語るJリーグ
 26日はJ2第26節が各地で開催され、岡山・Kankoスタジアムでは17位・岡山が2位・甲府を迎え撃った。試合はJ1昇格を狙う甲府が後半4得点のゴールラッシュで圧倒。0-4で甲府の勝利に終わった。

 

 岡山がJFL時代の08年以来、2年ぶりとなった今回のKankoスタジアム来訪。当時から運営面では規格外の充実ぶりを誇っていた岡山のその後のホームゲームの様子を肌で感じたかったのも一つだが、その相手が今季J1昇格へ向けて絶好調の甲府ともあって、非常に楽しみな対戦カードだった。清々しい秋晴れの晴天下で試合は行われる。

 
 ホームゲームを盛り上げるべく岡山サポーターも気合十分。
 相手が甲府ともあって気合が漲っていた。

 
 遠方にも関わらず多くの甲府サポーターも来場。
 リーグでは2位の座を堅守中。J1へまっしぐらだ。

 試合はやはり好調の甲府がリズムを掴む展開。吉田、内山の両サイドだけでなく、マラニョン、パウリーニョというアタッカーを揃えた甲府がチャンスを作り出していく。しかし、岡山も冷静に守備で対処。時には右MFの妹尾を起点とした素早いカウンターも披露する。

 
 岡山の攻撃の軸はMF妹尾の果敢な攻め上がり。
 甲府の守備を切り裂いて再三岡山のチャンスを演出。

 
 視野の広いプレーで岡山の中盤を取り仕切るキム。
 神戸、愛媛、水戸を経て今季新加入。

 岡山もゴール前では拙攻が目立ったものの守備で善戦し、甲府を抑え込む。前半は0-0で折り返した両者。しかし、後半に入ると甲府の攻撃陣が爆発した。

 
 
 49分に藤田が自身の突破で得たFKをマラニョンがヘッド。
 見事な連携での先制点。これには岡山の選手も渋い表情。

 
 
 60分にはマラニョンのパスを受けた藤田が華麗にキムをかわし…
 ワンバウンドから左足で見事に追加点を決める。

 2点のリードを得た甲府は前半以上にパスワークで岡山を圧倒。DFダニエルが負傷で退場を余儀なくされるものの、代わりに投入された柳川が完璧に代役を務める。

 
 68分にはパウリーニョがマラニョンのスルーパスを受けて得点。
 サポーターのもとへ一直線。

 
 一矢報いたい岡山も三木、白谷と攻撃的カードを投入。
 しかし、甲府のプレスに大苦戦。

 
 岡山のゴールを守るのは8月にFC東京から加わった廣永。
 しかしながら、痛恨の4失点で見せ場はなし。

 
 浦和から今季加入した主将の近藤。
 後藤と最終ラインを統率するが甲府の猛攻を凌ぎ切れず。

 
 現在得点王のハーフナーは得点を挙げられず。
 キム・シンヨンとの交代時はかなり悔しそうだった。

 86分には岡山のエリア手前で、DF後藤のボール処理ミスをマラニョンがかっさらいそのまま4点目となる得点を決めて、甲府がスコア通りの内容で圧勝。選手層の厚さと攻撃陣の充実ぶりが柏と並びリーグトップタイの55得点(28試合)という数字に現れている通り、少し他を寄せ付けない印象を与えた。現時点で3位・福岡との勝ち点差は7ポイント。ここまで8試合連続で負け知らずということもあり、先月の柏と福岡との直接対決に勝てはしなかったものの、今後は下位チームとの対戦ばかり。そろそろJ1復帰が現実味を帯びてきたようだ。
 対する岡山は攻撃陣が少し寂しい印象。ここまで15得点(26試合)はリーグワースト。強烈な得点力でチームをけん引していくエースが生まれれば、守備陣は近藤、後藤、野田らをはじめJ1経験者も多いだけにかなりチームは生まれ変わるのではないだろうか。サポーターを含めてスタジアムの一体感は良い雰囲気。国対筋には「FAGI SQUARE」なるオフィシャルグッズショップもオープンし、更なるサポーターの後押しもチームを強くしていきそうだ。

 
 甲府は充実した戦績でJ1への道は明るい様子。
 ホーム小瀬での観客動員もJ1屈指だ。
 
 
 岡山もまだまだこれから。
 MDPでも専用練習場の確保への呼びかけが目に止まった。
 今後、サポーターの力も加えて壁を乗り越えていけるはず。