脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

1部での戦いの総決算を -VSバンディオンセ加古川-

2010年09月13日 | 脚で語る奈良クラブ
 夏の終わりを感じさせない残暑、いや、猛暑真っ盛りの中でしばし中断していた関西リーグの戦いが再開。奈良クラブは地元奈良は橿原公苑陸上競技場で6位・バンディオンセ加古川と対戦。厳しい戦いを強いられ、今季6分け目となる2-2の同点で試合を終えた。

 

 夏に全社関西、国体近畿予選、天皇杯と戦いを終えたチームはまさに満身創痍。三本菅の出場停止に加えて負傷者が多く、ベストメンバーからは程遠い布陣を強いられる奈良クラブ。サイドバックに浜岡、岸本、そして中盤では久々に金城がサイドハーフで先発を務め、ボランチには和阪が矢部とコンビを組む。
 対する加古川は、この夏に大きな大会を戦っておらずほぼベストの布陣。前期の対戦時には不在だった小山がメンバーに名を連ねる。いずれにせよ簡単に勝てる相手ではなかったのは確かだ。

 立ち上がりからペースを握った奈良クラブは、檜山がチーム単独最多となる今季6得点目を先制点として決め、試合をリードする。しかしながら、自ら再三作った決定機をフイにし続けると、パスワークでミスを連発。加えてそこから加古川のカウンターに対応できず徐々に試合のリズムは相手に流れていった。

 
 畑中は今季4得点目で依然好調さをアピール。
 悔いが残るのは先週の天皇杯に出られなかった点か。

 前半のうちにリードは崩され、加古川が2-1で折り返す展開。62分に石田のシュートを相手GKが弾いたところを畑中が決めて2-2とするが、それ以降はスピードが持ち味の嶋を投入するなど打開策を狙うがリズムを取り戻せず、最後までゴールが遠い試合だった。

 前期には明石で2-0と完勝できた相手に完全に試合のペースを握られた。やはりメンバーが落ちるとコンビネーションが著しく低下してパスが繋がらない点が苦しいところ。それどころかベテラン選手にもトラップミスやファウルスローなどのミスが散見され、自分たちでピンチを招いてしまった。ひとたびボールを奪われると、前がかりになったラインが対応できない。後半はまさに紙一重で相手の得点をポストやバーに弾いてもらった場面もあり、多少のツキもあって黒星こそ免れた。

 
 冷静なトラップ、広い視野、、、
 牧の存在はチームの攻撃面で欠かせないファクター。

 1部に昇格して1年目。リーグのレベル自体は上がり、勝ち切れない試合が続く。チームはこの試合で引き分けが6試合目、負けたのは後期の三洋洲本戦だけだということを考えると、なんとももったいない。あと一歩で試合を決定づける力がまだチームには足りていないことがこの夏の幾多の試合を通しても分かる。次節は2位・アイン食品との一戦。この直接対決を制すれば相手よりも確実に上の順位で最終節に臨める。前期のアイン食品戦は非常に良い内容ながら、PKで追いつかれた。後期の対戦はどこまで彼らを追い込めるか、挑戦者としてぶつかって欲しいところだ。

 
 大卒ルーキーとは思えないCB眞野のプレーぶり。
 将来のクラブを背負って欲しい選手。

 
 移籍1年目の岸本も今節はフル出場で奮闘。
 層の薄いサイドバックで欠かせない存在。

 全社の展開次第では関西リーグの2位にまで地域決勝出場のチャンスがあることを考えれば、決して残り試合を消化試合にはできない。上位陣から星を奪い取らなければ1部での戦いは総括し難いものになる。混戦の2位レースを制するためにもまだ正念場は続く。