いよいよ日本時間の明日未明に幕を開けるUEFA CL準決勝第1戦。このベスト4に残ったのはバルセロナ、マンチェスター・U、リバプール、チェルシーという顔ぶれになった。まずはリバプールとチェルシーがアンフィールドにて対峙する。今季プレミアシップでは2戦2分けと全くのイーブン。しかし、過去のCLでの対戦を見るとチェルシーはリバプールの壁を破れてはいない。互いに手の内を知り尽くした両雄の屈指の名勝負が幕を開ける。
これまでのRESULTSを見ていると、共に順調にここまで登りつめた両チームだが、リバプールはグループステージ第1節のポルトに1-1と引き分け、続く2節マルセイユ戦、3節ベシクタシュ戦と黒星を喫している。しかしそこから破竹の5連勝で、準々決勝ではアーセナルを迎え撃ち、第1戦を引き分けながらも、第2戦で宿敵を完膚なきまでに叩きのめした。心底このビッグトーナメントにおける強さを発揮しているリバプール。しかし、決してポゼッションにおいて絶大な力を発揮しているわけではない。グループステージから準々決勝アーセナル戦までの10試合の中で、1試合ごとのポゼッションが50%を下回る試合は3試合もあった。にも関わらず彼らはこの3試合において負けてはいない。この3試合は全てアウェイ。敵地では耐えて一瞬のチャンスを確実にモノにする。ホームアンフィールドでは絶大なボール支配力を誇る彼らがCLに強い要因もこの卓越した戦い方に起因されるのかもしれない。攻撃の起点はもちろん一撃必殺のエースF.トーレスと司令塔ジェラードだ。完全にインテルをいなしたアンフィールドでのノックアウトラウンド第1戦は記憶に新しい。
対照的に堅実な戦い方でここまできたチェルシー。悲願のビッグイヤーまでもう少しの辛抱だ。そして初のヨーロッパチャンピオンに向けて最大のヤマ場がやってきた。そnチェルシーは、グループステージからのデータを見るとその少ない失点数が目に付く。唯一2失点を喫した準々決勝フェネルバフチェ戦第1戦しか黒星はない。ここまでわずか4失点の守備陣は評価に値する。テリーとカルバーリョが復帰したことで“堅守”の持ち味が復活した。また、バラックとランパードが復帰した中盤も安定感がある。大事な局面でこの2人がゴールを挙げられるプレイヤーということも大きなポイントだろう。痛手はこの大事なリバプール戦で右SBとしても重宝されていたエッシェンが出場停止。リバプールは左サイドのバベルが好調なだけに、ベレッチかフェレイラという本職の2人を配置して乗り切りたいところ。個人的には守備力で長けたフェレイラがベストだと考える。あとは前線のドログバ、おそらく中盤では、ランパードとバラックが手一杯になるだろうから、両ウイングで先発が濃厚なJ.コールとカルーによって得点機を演出したい。第1戦はリバプールの聖地アンフィールド。絶対的な強さを誇るという意味では第2戦をスタンフォード・ブリッジで戦えることはチェルシーにとっても大きいことだが、まずは守備から入って絶対に相手にゴールを許さない戦い方が必要とされる。
今季好調なプレミア勢同士の激戦、極上の一戦になることは間違いない。
翌日に行われるバルセロナとマンチェスター・Uの一戦はおそらく世間の大方の予想がマンUの勝利だろうと思う。グループステージ中盤からピリッとしないバルセロナは、リーガでも現在3位にまで落ち、期待を大きく裏切るシーズンとなっているからそれも当然だ。しかし、サッカーは何が起こるか決して分からない。マンUが余裕にかまけていることはまずないが、バルセロナはメッシがようやく復帰。プジョルが出場停止で厳しい守備的な戦いを強いられるかもしれないが、持ち前のポゼッションからチャンスを作りたい。キーマンはメッシをどれだけサポートできるか、イニエスタとシャビの2人だ。
一方で、アウェイゴールを十分狙いにくるであろう文句なしの優勝候補マンU。最早キーマンの名を挙げる必要もなかろう。容赦なく攻め抜いて欲しい。ここにきて守備的になることなく、持ち前のスピードを生かした攻撃的サッカーを貫けば自ずとファイナルの道は開けるはずだ。彼らがこの準決勝で勝利すれば史上初のイングランド勢同士によるファイナルが実現するのだから。
ヨーロッパだけにとどまらず、世界中が注目するラスト3。今季のビッグイヤーを掲げるのは果たしてどのチームなのか。