脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

ブルーズよ、今こそ真価が問われる。

2008年04月16日 | 脚で語る欧州・海外

 元日本代表MFの中田英寿氏が15日、地球環境問題などの啓発イベントとして親善試合を開催すると発表した。6月7日に日産スタジアムで午後2時から実施。国内外から有名選手を招き、釜本邦茂氏率いる「ジャパンスターズ」と、チェルシー前監督ジョゼ・モウリーニョ氏の「ワールドスターズ」が対戦するという。

 今後、日本でモウリーニョを見られることは早々無いので、まだメンバーすら発表されていないにも関わらず、これは観ておきたいなと思う一戦だ。欧州はストーブリーグ真っ最中だけに、どうやら慌ただしいオフをモウリーニョは過ごすことになりそうだが。デルピエロやフィーゴあたりが「ワールドスターズ」の一員としてノミネートされているということで、今から楽しみな一戦だ。

 そんな世界中から引く手あまたのラブコールを受けているであろう指揮官が、次にどこのクラブを率いるのかは欧州サッカーファンなら既に非常に関心しない方がおかしいだろうが、間違いなく彼がいなかったことで、今季のプレミアシップが興行的には隆盛を誇ったとはいえ、どうも話題に欠けたような気がするのは筆者だけだろうか。
 彼ならば、先日プレミアシップ逆転優勝のかかる大事なウィガン戦のドロー劇をどんな言葉で締め括っただろう。

 現在のチェルシーにとっては、CLとプレミアシップの両方で“正念場”という状況が非常に選手たちのタイトルに対する集中力を難しくさせている。先日のウィガン戦は、母親が危篤ゆえに急遽戦列を離れることになったランパードの穴を改めて実感することになったし、“名手”エッシェンの独り舞台で試合は勝ち切れなかった。こんな時にチーム全体の人心掌握に長けたベテランプレイヤーの存在が求められる。今季怒涛の快進撃を見せながらも、結局は無冠に終わるであろうアーセナルのベンゲル監督も、先日来季に向けて経験豊富なベテランの獲得を示唆するコメントを話していたように、“勢い”だけでは勝ち切れない。苦しい時こそチームをまとめられるリーダーの存在は不可欠だ。

 そういう意味でも、名監督が今季の序盤までその強烈なカリスマでチームを引っ張ってきたチェルシーは、その点において若干「免疫」ができていないのかもしれない。年齢的に言えばマケレレやバラック、シェフチェンコあたりがその役を担うべきなのだが、実質的な大黒柱は主将テリー。彼がチームの生え抜きでリーダーの器を持っているプレイヤーだからこそ、ここで真価を大いに問われるところだろう。

 最も重要な4月終盤の連戦。リバプールとの大一番を挟む形で、プレミアシップの横綱対決マンU戦を控えている。逆転優勝とCLに向けた大きな起爆剤にするためにもブルーズの今季一番の真価が問われる数日を迎える。