今週、ずっと行きたくてたまらなかった町田久美さんの個展。
ドイツのハノーバーのケストナーゲゼルシャフトでの個展を終えたばかり。向こうのひとにはどんな風に彼女の世界は見えたんでしょうね。
そんなことを考えつつ今日は先日購入したものの目を通してなかったアートトップの町田久美特集を読みながら地下鉄で日本橋へ。
アート・トップ 2008年 07月号 [雑誌]芸術新聞社このアイテムの詳細を見る |
気になってた赤の色彩。
実物で浮いてたらいやだなあと。でも、杞憂に終わりました。
「ことほぎ」
こんな具合に赤が入ることで逆に町田さんの作品に通底する日本的イメージが強まった感じ。
耳と耳をくっつけて、身を寄せ合う二人。右に伸びてく水色のリボンのその先が気になりました。
「雪の日」(部分) カタログの表紙
前から西村画廊のページで今回の個展告知用に掲出されてすごく気になってた作品。ドイツで仕上げたとのこと。
右下にぴろんと見えるのがうさぎの耳です。
この人物のコートの胸ポケットから指でつまんで出てる。
縦が2メートル近くあって、圧倒されますね。
あと、こうやって見上げるような構図はこれまでに見られなかったもの。
この人物の耳のところには耳当てみたいのがついてますが、実は耳はそこになくって、ポッケから出てるうさみみが本当の耳?
やはり、町田さんの作品てこういう思考が働くのが好きだ。
このカタログは500円。西村画廊はやはりこういうの出してるのがすごく良心的だと思います。
あと、今回は冒険しるなあと思いました。
「2」
犬小屋のようなものの中に黒くてまあるいのが2つ浮かんでる。
なんかルドンみたい。
まさか、こんなふうなのが出てくると思ってなかったのでびっくり。
黒いのの毛みたいのがびっしりとしてるのが細かく描かれています。
「バースデー」と「イヌ」はなんとアクリルで描かれてて、ぱっと見たもあれっとなります。どちらもちっちゃな作品。
「バースデー」はケーキの上に乗ってるローソクのところが人に見える。みな体を前に傾けて、中央の下を見てる。
「イヌ」は犬小屋の中が灰色のいくつもの丸いのが浮かんでる。
空に瞬く星のようにも見える。
どちらもグレーなトーン。
こういう新しい試みはどんどんトライして頂きたいですね。
今回はカタログがもうひとつ。
ケストナーゲゼルシャフトのカタログですが、テキストが独・英・日で表記されてます。 4200円。
西村画廊では町田さんのサイン有りもあるとのことで、もちろんそちらを頂きました。
こんなサインなんですね~。
危険だったのはリトグラフ。「午後四時」なる作品。
オリジナルは展示されてませんでした。
エディション50+APのうち、10枚を販売とのこと。
10万円は手が届いちゃう。
でも、あの白いぶつぶつはどうしても立体なのでリトグラフではちょっと違うなあと。
あと絵にもよりますね。もっとも最近の人気を考えると妥当なところだなあと思います。
ああ、さくっとこういうのが買えるような身分になりたい!
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