あ、かぼちゃ!
ご存知、草間彌生さんのかぼちゃです。
ここで見られるとは思いもよらず。
さて、福岡市美術館は常設展もなかなかにいい内容でした。
ボストン美術館浮世絵名品展を鑑賞したあと、見始めたら時間が足りないくらい。
(ボストン美術館浮世絵名品展の記事は書いてる途中)
○ラファエル・コラン「海辺にて」
とにかくキャンバスがでっかくて、なおかつコランが描いててびっくり。
とりたててどこが秀逸であるとかそういうのはないんですが、このモチーフでばーんとそこにあるといいんですよね。
こういう作品はこういう大きな展示室が似合います。
○古賀春江「現実線を切る主智的表情」
馬にまたがるロボット。
それを狙いライフルを構えた女。彼女は乗馬の格好をしてる。
見ててこれは何だろうと考える。
その余地を与えてくれる気持ちよさが画風にあるんですよね、古賀春江には。
○ジョアン・ミロ「ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子」
実はこの作品、来る途中の地下鉄の駅で見ました↓
公共の場にこういう形で作品が見られるというのはいいですね。
もちろんオリジナルとは違うのですが、線と色の少ないミロですからイメージのブレは少ないかと思います。
やはり、色彩とバランスが心地よいです。以前は嫌いだったんですが、今は大好きなミロ。
○サリヴァドール・ダリ「ポルト・リガトの聖母」
体にぽっかりと空いた四角の空間。
その中には子供。(聖母の子供だからキリストかな?)
さらにその子の中にも、ぽっかりと空いた空間。中にはパンが。
意味不明なパーツの集合が画力によって統合を得るのがすばらしい。
○ポール・デルヴォー「夜の通り(散歩する女たちと学者)」
やはり、夜と鉄道と裸の女性です。
デルヴォーお決まりの3点セット。
しかし、この作品では画面の左にタイトルにあるように学者がルーペで化石を観察してる。
後ろの鏡に映る姿が反転ではなくってさらに反転。
奥に見える汽車は火がともってて静かにその時を待ってる。
学者は汽車?
○草間彌生「夏(1)(2)」
立体です。
真っ赤に白玉のボワズの集合体。まるでいそぎんちゃくのよう。
赤くちじれた髪みたいのがその先端からはみ出てる。
訳の分からないうっとおしさを表現してるという意味ではこのタイトルはすごいです。
○アンディ・ウォーホル「エルヴィス」
シルバーバックにモノトーンのエルヴィス・プレスリー。ピストルをこちらに向けている。
もとはエルヴィスの主演映画「燃える平原児」の広報用スチル写真と思われるとのこと。
スターのパブリックイメージはむしろ、こういう姿で定着されるのが一番しっくりときますね。やはり、キラキラしてなくっては。
さて、これだけでもかなりお腹いっぱい。
でもまだまだ続きがありました。古美術のコーナーです。
こちらもいいのがありましたよ。
○異代同戯図巻一巻 狩野昌運
すごくばち当たりなモチーフで笑いました。
観音さまが鉄砲を。その後ろで龍女が火種を準備。
福禄寿がたらい舟に乗ってて、漕いでるのはなんと海老!
福禄寿のたらす釣り竿の先には龍。
なんて具合で絵巻の先が見たくなりました。
○仙 あくび布袋図
見て一気に脱力モード。
はにゃあ~なんて声が聞こえてきそう。
うれしい不意打ちです。
○絵本小町引 喜多川歌麿
ガラスケースの中を見て、ああ浮世絵だなあと思ってたら。。。
なんと春画でした。
とは言え、モロには見えてないのを選んだのかなあという感じ。八図のうち三図となってましたから。
それでもやってることはそのものなんですが。
こういうところできちんと美術として展示してあるのが偉いなと思いました。
やはり美しいほうが勝ってますね。
あと、仏像コーナーも十二神将や日光月光なんかもあってなかなかに充実していました。
特別展だけ見ればいいやと思ってたのですが、常設展かなりいい内容でした。
見てよかった~