久しぶりに夜の原美術館へ。
金曜は夜間に開館する美術館て多いかと思いますが、水曜となるとこことワタリウム美術館くらいでしょうか。
仕事が定時で終わった場合にどんなペースになるのか確認しておきたかったのです。
思ってたよりも時間に余裕があってゆったりと鑑賞出来ました。
アートスコープ2007/2008―存在を見つめて
日本とドイツで現代美術のアーティストを派遣・招聘して創作を行うというもの。
作家さんは日本とドイツそれぞれ2名の計4名。
照屋勇賢、加藤泉、エヴァ テッペ、アスカン ピンネール
入口入ってすぐの部屋にロープにつながれた浮き輪。照屋勇賢さんの作品。
壁には枝で何やら文字が作られてる。一部読めるけど、全部は無理。
そう思ったら受付でもらった作品リスト(というか解説か)に書かれてました。
"Trenn meinen leib vom rumpf und bau dir ein boot dann kannst du fortfahren"
私の幹を根元から切り倒しなさい。そして船を作るといい。
そうすればあなたは遠く立ち去れる。(『The Giving Tree』より)
天井の高い空間に配された樹々の枝がいい具合にハマってました。
で、帰りになって気付いたのが受付よこのガラスの中の作品。
「Dawn(Seven Forests)」
なんと壁に突き刺さる包丁の柄の下にオオゴマダラの蛹が。
全部見終わってさあ、帰るかという瞬間に見て強烈に焼き付きました。
あと、2階に展示されてたこちらも素敵でしたよ。
なんと、トイレットペーパーの芯を切って木を形づくってるのです。
ちょっとずらすだけで世界は変わるんですねえ。
エヴァ テッペ、かなりよかったです!
「the World is Everything That is the case」なるビデオ映像。
秀逸でした。
↑見てのとおりのぼけぼけな映像です。
落ちてくひとの姿をモーフィングでつないでる。崩壊>落下のイメージ。
この色彩の揺らぎが何だか、動いてる油絵のように見えて心地よかったのです。
これは今回、収穫でした。
加藤泉はいつもの人形。彫刻とペインティング両方なのにどちらもブレがない。
父母子の3人が必ずセットになってる。
でも、このひとの作品てすごいなあと思うけど、正直苦手です。
アスカン ピンネールは建築のドローイング。至極まっとうなアプローチ。
二階の一番奥の常設展示。
ご存知、奈良美智さんの作品。小屋はgrafが一緒に作ってる。
やはりここに来ると落ち着く。
原美術館ですごく雰囲気のある建物で単なるホワイトキューブではないのですが、ぞれでもやはり格調があるなあという感じ。
そのギャップもあると思います。
あとは、わたしがここ4年くらいずっと見て来た奈良さんの世界への憧憬がこの空間にすうっと入らせてくれるのでしょう。
8/31まで。