雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

南知多徒然 3

2016-11-23 00:48:52 | 不思議...パワスポ寺社
「こんにちわぁ。。
あの、上の神社さんを参拝させてもらった者なのですが、
こちらで鈴がいただけると聞きまして、、、ココで良いのでしょうか?」



この後僕らは、この家のような社務所で、
荒熊神社の宮司さんからちょっと驚く話を聞かされることとなるのです……
つづく。






「なんなの?あんた?この辺で見ない顔ね。なんの用?んん!?
なんか売りつけよーーーなんてヤカラじゃないだろーね!?」



雰囲気としてはそんな感じで、
足元から頭頂までをチェック&チェックされた僕さん。



「あーー。鈴。。ありますけど。。では、中へお入りください」

「いいんですか?」

「どうぞ......」



その「ぽっくり弘法大師」なる家に入る時、
僕等と入れ違いで大人数の子供連れの家族の方々が出て行ったのですが、
その時に耳にした皆さんと巫女さんとの会話から察するに、どーも、ココは、
日々、色々な祈祷や祈願をしている場所で、
ご近所の方々以外にもアチコチから信者さんなどが予約をして
やって来るトコロの様でした。
そんな所にヒョッコリと、通りすがりで現れた僕らは完全アウェー状態。
先客の皆さんと入れ替わる様にして縁側に面した明るい
大きな畳張りの居間に通されましたが、しばし、なんとなく、
お部屋には気まずい空気が流れます。。

そんな空気の中、広い畳部屋の奥の方を見ると、
壁際にはとても大きな神棚と祭壇が据え置かれていました。
その祭壇の右横には不動明王さんの祭壇も見て取れます。
そして、そんな複雑怪奇なフォーメーションの祭壇の前には
大きな座椅子が置かれていて。
そこに、御年を召した、
白髪の女性宮司さんらしき方が座られていました。
一瞬、僕は......



「もしや、、、やっちゃった!?かな?ここ。オレ......!?」



......なんてことも思ったのです、が。
その高齢の女性宮司さんと、
案内をしてくれた巫女さんには穢れなき純粋なオーラがあります。
何より、巫女さんに促されて座った大きな居間テーブルの上には、
美味しそーな出雲の!
お茶菓子が!
その時、僕がねーさんに小声で囁いていたことは......



「お茶菓子、、出雲のだよ。
スサノオさんまたお茶目な登場の仕方で(^^)笑うねぇ」



ということと、



「キツネさんがさ、いっぱいいる。
なんだかグルグル部屋を走り回ってるよ。
祭壇の複雑さは彼らのせいだな。うん。
俺らに?めちゃくちゃ慌ててる。
なんか、、めっちゃ可愛い(^^)
良い狐さんだ



ということ。
どーーも、そのお家は、
長い間封じられていた「荒熊の神様」を時を超えて「護らん!」と、
日夜奮闘する眷属さん達に守護された、
宮司さん一家の住まわれている家、兼、社務所のようでした。



やっぱり、悪い気はしません。



そして、ただ鈴を買おうと寄っただけの僕たちは、
そのまま居間で丁重に美味しいお茶などを出していただき、
先ほど入れ替わりに出て行った家族の方々が持ってきてくれたという
出雲土産のお茶菓子も薦められて......そして、
巫女さんから一つ質問をされました。



「どちらからいらしたのですか?」

「東京です(^^)」

そう僕が答えると、巫女さんはちょっと驚いた顔をして、

「え?東京から?いらしたのですか?」



と、言いました。
その言葉の外側には明らかに「ナニカ違うモノ」が含まれていました。
そこに高齢の女性宮司さんが山頂の拝殿の中にもあった
荒熊神社オリジナルの「鈴」が入った箱を二つ持って来てくれて、
僕らは芳名帳のような用紙に住所と名前を書くように促されました。
どうやら鈴をもらうにはこの用紙に住所と名前を書いて、
宮司さんの正式なご祈祷も受け、
それで初めていただける......といった形のようです。
僕らはその紙に素直に住所と名前をカキカキ......としていると、
すると、その様子を覗き込んでいた女性宮司さんが、
さっきの巫女さんと同じ反応をしました。



「ほーーー。。。東京からねぇ。。」



宮司さんは同時に相槌を打った巫女さんと顔を見合わせて、
何かアイコンタクトをしながら少し驚いた様子で言いました。
勿論、知多半島南端の小さな神社に
東京からワザワザやって来る様な人は滅多にいないのでしょうが。
僕はこの時も、
宮司さんの言外に異質な響きがあることを感じ取っていました。

それから宮司さんと巫女さんは、
はるばる遠くから来た僕らへの労いの言葉と、
荒熊神社の成り立ちのお話を丁寧に、ゆっくりと話し聞かせてくれました。
なんでも、女性宮司さんは御歳91才!とても見えん!若い!
70代かと思ったくらい!らしく。
大病をして死の淵を彷徨って、医者にも見放されたのに、
ここの神様が助けてくれのだ、と。
それで、こうして長い間、
人生の全てをここの神様に捧げ、仕え、神社を守って来たのだと。
若い時には、男達に混じり、
女行者として壮絶でとても苦しい修行も長くしてきたのだ、と。
そんな話も聞かせてくれました。
その間、20分ぐらい。
宮司さんと巫女さんは色々な話しをしながらも、どこか、
僕ら二人の素性を見定めようと色々な気を配っていました。
僕にはそれが明瞭に感じられちゃうのでございまする。



「こちらには元々、豊受さんも祀られていまして。
そこに伏見の稲荷大社からも神様を勧請(かんじょう)しております」

「あ!やっぱり伏見さんなのか。。
豊受さんのところは行きましたよ!(^^)
この下の道の脇にある小さな神社さん」

「あら!?行かれましたか?
よく気づかれましたね。。」

「車を止めさせてもらったのですよ。そこに。
ええ。ええ。」

「く!?車を?はぁ。。そーですか。。」

「あと、つぶて浦という、
海に鳥居が立っているところにも寄ってきました(^^)
あそこ、スゴイっすね。
カンドーしてしばらく佇んでました。僕ら。ええ。ええ」

「つぶて浦も!?そーですか。。まぁ。。」



宮司さんはそう言うと、そこで再び巫女さんと顔を見合わせました。
その後も僕らはさらにいくつかの質問を受けたのですが、いよいよ、
宮司さんが鈴に力を込めるご祈祷をしてくれるということで、
僕らは白い装束を身につけるように促され、それを着て、一人一人、
それぞれ宮司さんのご祈祷を神妙に受けていました。

宮司さんの唱える祈祷文言は神道の祝詞から般若心経、
陰陽師の呪文や九字の印、
マジナイ系に至るまで多岐に渡っていて。
さらには密教の真言までもが織り込まれている様なものでしたが、
その祈りの最中。
宮司さんの前に置かれ、
祈りと力を込められていた手の平大の「鈴」の周りには、
正神の使いの狐さんが数匹、色々な奇跡を起こさん!と、
何やらぐるぐると走り動いていました。
その姿はとても一途で、真剣で、可愛らしくもあり。
なるほど、この鈴はこうやって「力」が込められるのだな、と。
その祈り最中に僕はそんなコトを思っていました。
祈りが終わると、
僕はそのことをその場で、ひっそりとねーさんにも話しました。



「いや、いろんなものが混ざってるね。。
ココはこの地域に住んでいる人達の色々なコトの心の支えになってるんだと思う。
すげーいろんなことを受けて、頑張ってるんだろーね。
なんだか感動するよ。
狐さん達にも」



こうして僕ら二人の祈祷は終わり、晴れて!?
神様が言っていた鈴をいただく事が出来ました。
ここまでで既に、
荒熊神社さんに着いてから一時間半ぐらいの時間がたっていたと思いますが、
祈祷を終えた宮司さんはその後も、祈祷の最中に見えた事々や、
神様から頂いたと言う言葉を僕らに話してくれました。そして僕に、



「あの、○○○がチラチラと沢山見えていたのですが......
失礼ですが、どんなお仕事でしょうか?」



僕はそこで少々、
ちょっと説明しづらい自分の仕事のことを話し出したのですが。
その僕の仕事の話を聞いていた宮司さんが、
紹介したい自分の息子さんがいるとのことで、
その息子さんを奥のお部屋から呼んでくれました。
息子さんは、
僕らが祈祷を受ける少し前に家に戻られていたようなのですが、
改めて、居間にやってくると、
僕らに丁寧に名刺を差し出してくれました。
お話を聞けば、彼は地元の町会議員でもあるということで、
雰囲気も言葉もとてもしっかりとした印象。
町内でも信頼されているいわゆる「名士」的な方のように僕には思えました。

宮司さんはそんな息子さんに、
僕らがつぶて浦や豊受姫さんの神社にも寄って来たということも話してくれて。
僕はもう一度、息子さんにつぶて浦がとても素晴らしいところで、
いわゆるパワースポットでもあるし、
この地域にとってとても大事なところだと思う......という話をしました。
できれば、
古くなって一部剥げ落ちていた赤い朱色を綺麗に塗り直してもらえたら、
もう最高なんじゃないか!?
などと、そんな話をしました。
すると、それを聞いていた息子さんは



「そうなんです。僕もそう思うんです。
でもお金がなかなか集まらなくて.....
ただ、実は今年、
突然、伊勢神宮から遷宮の廃材を頂けることになりまして。
それで、やっと今年建て替えられることになったのです。
その新しい鳥居はもう出来上がっていて、
この家のすぐ裏の方で寝かしていまして。
今、乾燥させているところなのです」

「あらら!マジっすか!
ソレはソレは。。スゲーですね!(^^)サイコーです。
そしたら本当に良くなりますね。この神社。
あの “つぶて浦” からここまでは、
本来は一本の道が通っていたと思うんですよ。僕。
道なんかも整備しちゃったりして。。なんて。ね。
でもよかったっす。新しい鳥居ができて。
凄いですねー」

「そうなのですか。。私もそう思うのです。はい。」



宮司さんの息子さんは、
そう言ってちょっと嬉しそうな顔をしてくれました。



「鳥居の再建には結構色々なこともあったので......よかったです。
鳥居を建て替えることにして、、」

「大せーかいですよぉぉーー。よかったっすー(^^)
荒熊の神様も喜ぶと思いますよーー」



僕らのその話を聞いていた宮司さんは、



「長年ここで神社をやってきていて、
伊勢から廃材を頂くのは今回初めてなのです」



とも、話してくれました。
そして、荒熊神社を建てるまでの様々な苦労話や、
それらをまとめた宮司さんが記した貴重な本なども
奥の部屋から出して持ってきてくれて。
僕らにプレゼントしてくれました。
なんだか、
短時間で荒熊の神様から神社の色々な歴史を教えてもらっているようでした。
そしてここで、僕が発した言葉が、
そんな風に和んできた場の空気を変えることとなったのです。



「ここの神様って、荒熊の大神様?って、ですね、
実は猿田彦さんの息子さんですから。
だから伊勢神宮もほっておけないんだと思いますよ。
それで、今回、廃材を回してくれたのだと思います」



この僕の話を聞いた宮司さんと巫女さん、
息子さんは少し顔色が変わり。
そして、
老齢の女性宮司さんは改まって僕にこんなことを言いました。



「そうですか......猿田彦様の息子、、ですか?」

「そうです。息子さんです(^^)キッパリコン」

「......そうですか。。
あの、実は、ここの荒熊の大神様は、
伊勢の皆様からは猿田彦大神様の甥っ子と、
そう伝わり聞いているのです、、、が、その、
ここの神様が猿田彦様の息子さんだと、
お二人はどうしてご存知なのでしょうか?」

「んん??あ、そーですね。。エーーーット。。」



僕はねーさんと顔を見合わせ、少し考え、
思い切ってここで、本当のことを話そうという決意をしました。



「そーですね......いえ、実は......
僕らがココに来るキッカケというのは、
その猿田彦さんの息子さんである荒熊の神様がここに長い間封じ込まれているので、
行ってその印をといてやってほしい、、と、アル神様に言われまして。
それでここに来たのです。僕ら。
ホントーわ。ええ。ええ。
途中、妙福寺なんてお寺に寄ったりなんかもして。。ね!?
ねーさん!?」

「神様に来て欲しいと言われたので来ました(^^)キッパリ」

「そーですか。。」



僕らのその言葉を聞いた宮司さんはちょっと考え込み、
少しの沈黙の後、
こんな驚く言葉を僕らに言いました。
それは「東京から」という僕らの言葉に妙にひっかかっていた
宮司さんと巫女さんのこれまでの反応を
僕らに理解させるものでもありました。



「あの、実は......今年になってから、
荒熊の大神様からずっと言われていたことがあるのです」

「はぁ。。」

「今年、東から、私を助けるものが来る......と。
そう、荒熊の大神様は仰っていたのです......」

「は、ぁぁ!?...(゚ω゚;A)...」



......意外に長い今回の「徒然話」。
もう少しつづいちゃいます......



にほんブログ村 その他日記ブログ 日々のできごとへ
コメント (16)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リンクバナー