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TFBOYS王俊凱(ワン・ジュンカイ)主演ドラマ「重生之門」(BE REBORN)~中国アイドルのエリート街道

2022年05月16日 | エンタメの日記
中国ボーイズグループTFBOYSの王俊凱(ワン・ジュンカイ)主演の新作ドラマ「重生之門」(BE REBORN)の放送が始まりました。

中国刑事推理ドラマ「重生之門」 (直訳すると「再生の門」) 英語名:Be Reborn  
2022年4月27日配信開始 全26話 1話約45分 Youku独占配信


あらすじ
主人公・庄文杰(ジュアン・ウェンジエ)が通う青城大学の美術館に収蔵されている名画「睡蓮」が何者かにすり替えられた。
「睡蓮」がすり替えられたことに気付いた庄文杰は、その場で指摘するが信じてもらえない。後に「睡蓮」が本当にすり替えられたことが明らかになると、庄文杰は逆に警察から事件に関与したことを疑われる。警察から疑われたのは、庄文杰の父親が名画の窃盗犯として指名手配されていることが一因でもある。庄文杰は父が残した禍根に振り回されながら、敏腕刑事・羅堅(ルオ・ジェン)とともに事件の黒幕を追う。

主人公の庄文杰を演じるのがTFBOYSの王俊凱(ワン・ジュンカイ)です。
青城大学(※架空の大学。青城のモデルは青島)法学部3年生。寡黙で頭脳明晰、成績優秀な大学生。一人で大学の近くに部屋を借りて住んでいる。絵画に対する造詣が深い。
母親とは幼い頃に死別。父親は骨董・芸術品を専門に狙う盗賊で、名画「洛神」窃盗の主犯として指名手配を受けた後、車ごと川に墜落したまま行方不明となる。





王俊凱(ワン・ジュンカイ)は3人組ボーイズグループ「TFBOYS」のメンバーとしてデビューしました。
王俊凱 1999年9月21日生まれ、重慶出身、2013年8月6日TFBOYSとしてデビュー(リーダー)
現在22歳ですが、昔の面影を残したままイケメンに成長しました。小顔で首が長く、細身のスタイルの持ち主です。身長は176cm前後と思われます。

TFBOYSは日本でいうと10代の頃のKinKi Kidsに近い存在だと思います。少年らしく清潔感のある整ったルックスで、中国では珍しく10代からアイドルとして活躍し、莫大な数のファンから熱狂的に支持されていました。

TFBOYS「青春修練手冊」(青春練習帳)2014年7月24日リリース

中央が王俊凱。当時15歳。リーダーでTFBOYSの「顔」であり、センターが彼の立ち位置だった。
この曲をリリースした頃からTFBOYSの衣装はパステルカラーの制服が多くなり、「少年=学生」という健康的なイメージが確立され人気急上昇。

TFBOYSは現在グループ活動はほぼ行っておらず、王俊凱、王源(ワン・ユエン)、易烊千玺(イーヤンチェンシー/ジャクソン・イー)の3人は大学に進学し、個々に芸能活動を続けています。

王俊凱は昨年北京電影学院を卒業しました。
中国では多くの大学に演劇科、舞踊科、音楽科、アナウンス科などいわゆる芸能向けの学部が設置されています。
数ある演劇系大学の中でもトップに君臨するのが、北京電影学院、中央戯劇学院、上海戯劇学院の三校です。
このトップ3の演劇大学は超難関で、その中でも北京電影学院は特に多くの有名監督、俳優を輩出しており、エリート中のエリートとされています。

中国の競争は激しく、依然として学歴を非常に重視する社会です。そして、自分が応援するアイドルには一点の疵もなく完璧でいてほしいと願うファンが多いです。
10代の頃から注目されてきた王俊凱は、見事名門北京電影学院演劇科に合格し、周囲の期待に応えてエリート街道を歩んでいます。
もちろん、名門大学に進学することは芸能人としてステップの一つであり、ゴールではありません。
今後クオリティの高いドラマに出演し、メインキャストを務める映画をヒットさせ、キャリアを積んでいくことをファンは期待しています。
中国芸能界においては、俳優のステイタスは高く、主演俳優として作品をヒットさせ、さらに俳優として国際的に権威のある賞を受賞するということがキャリアの頂点と思われています。

中国ドラマでは、中国人俳優が演じているのにセリフが吹替えになっていることがよくあります。
国土が広い中国では、標準語の普及に時間がかかったため、言葉に訛りのある役者をカバーするためにアフレコが多用されてきました。
現在では、演技力に不足がある若手・アイドル系俳優の力を補うためにもアフレコが使われており、また、演技力はあるけれど売れっ子でスケジュールが過密すぎるため、時間節約のため他人にアフレコさせるケースもあります。
例えば、ドラマ「陳情令」の主役、肖戦が演じた魏無羡、王一博が演じた藍忘機役は、ともにドラマ専門の声優がアフレコしていますが、あまり違和感はないと思います。

王俊凱はドラマ「重生之門」の主役ですがアフレコを使っています。
蘇尚卿(スー・シャンチン)というドラマ吹替声優がアフレコを担当しており、この声優さんは他の作品でも王俊凱のアフレコをしており、「王俊凱御用達声優」と言われています。
ドラマでアフレコを使うことは決して珍しいことではありませんが、俳優としてのキャリアの頂点は「国際的にメジャーな映画賞を取ること」だとすると、ずっとアフレコを使っているわけにはいきません。一般的にいって、アフレコで出演している俳優に、国際的に権威のある賞が与えられることはないからです。

ただし、王俊凱はアフレコを使わなければならないほど演技が拙いわけではないと言われています。
「本人の声でやらせてあげればいいのに」という声も強いです。
巨額の予算を投じたドラマを失敗させてはいけないので、安全を期してアフレコを使っているのかもしれません。これによって、演技を磨くチャンスが奪われているともいえます。

もう一人の主人公、誠実な敏腕刑事・羅堅(ルオ・ジェン)を演じるのはベテラン俳優の張譯(ジャン・イー)。


張譯(ジャン・イー) 1978年2月17日生まれ ハルビン出身、身長178cm
張譯は中国では非常に有名な俳優で、正義感・責任感の強い実直な人物を演じることが多く、軍人、兵士、警官役などでのアクションも得意としています。
近年は「主旋律映画」と呼ばれる愛国的価値観・歴史観を発揚するための戦争・革命もの映画に多数出演しています。張譯が今後、悪役や反社会的な役を演じることはないのではと思うほど、「主旋律映画」(愛国映画)常連俳優としてのイメージが確立されています。
実力のあるメジャーな俳優ですが、張譯が演じている時点で、ドラマが始まる前から正義の側に立つ人物だと見当がついてしまいます。
有名になればなるほど役の幅が狭まり、作品の面白さや意外性を削ぐ要因にもなります。

ヒロイン・林芷悦(リン・ジーユエ)。主人公と同じ大学の三年生。幼少期から主人公のことを知っており思いを寄せている。
ヒロインを演じる範詩然(ファン・シーラン)は1999年11月23日生まれ、四川省出身、上海戯劇学院卒業、身長164cm。中国ドラマで好まれるタイプの透明感のある可憐なルックスです。


刑事推理ドラマとしての「重生之門」
全26話ですが、6~7話で一つくらいのペースで連続的に事件が発生します。黒幕と主人公の父の生死の謎を突き止めるため、主人公がかなり危険な目に遭います。
「窃盗」をベースとした事件が展開され、絵画や芸術品が多く登場し、映画「007」さながらの高層ビルのワイヤーアクションなどもありスケールの大きなドラマです。また、犯罪の手段として、電子金庫や網膜認証などハイテクが多用されます。
しかし、それらは視聴者の日常とはかけ離れており、推理のとっかかりもなく、感情移入しにくい面があります。
主役を演じる王俊凱は美形でスラリとした体型できれいな容姿をしていますが、表情から感情の起伏が読み取りにくく、共闘する刑事との関係性もやや温かみに欠けます。魅力のある悪役が登場するエピソードは非常に面白く、特に、窃盗団の親玉・丁生火はプロの盗賊の知性と残忍さ、独特の思考回路を持つキャラクターで先の行動が読めません。丁生火を演じるベテラン俳優・田小潔の怪演がドラマ「重生之門」を盛り上げています。
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