あるとき張さんという名の中国人の友達と一緒に晩ご飯を食べていると、張さんが急に「福岡に行ってみたい」と言い出した。
張さんは私よりも大分年上で、中国の寒い地域の出身だが現在は旦那さんと娘さんと一緒に上海に住んでいる。貿易の仕事をしているので、出張で東京や大阪には行ったことがあると以前話していた。張さんの会社は海外向けに衣料品を輸出していて、主に欧米向けだが、日本や韓国のクライアントもいるという。張さんは英語が堪能だが、日本語は平仮名が少し分かるくらいだ。
「どうして福岡に行きたいの?」と尋ねると、張さんは
「福岡にマンションを買った」と答えた。
「いつ買ったの!?」ときくと、なんと「買ったのはかなり前だ」という。
私と張さんは比較的近くに住んでいるので時々ご飯を一緒に食べるが、そんな話は初めて聞いた。
最近、マンション購入の手続きもすべて終わって、家賃が振り込まれるようになったのだという。数ヶ月間順調に振り込まれているので安心したと話した。
日本でも「東京のマンション物件を視察する中国人ツアー」といったニュースが報道されていたが、まさか張さんが買っているとは思わなかった。日本以外に居住する外国人が日本に不動産を買おうとしても、日本の銀行ではローンを組むことが難しいので、いったいどうやって買ったのだろうと思った。
張さんに、「いくらで買ったの?」と聞くと、「30万元くらい」と答えた。
「・・・30万元って頭金でしょ?」と私は言った。そのときのレートでいうと30万元は約420万円くらいだった。張さんは「ううん、税金とかも含めて全部で30万元。」と答えた。そして2人して、30万元なんて上海市区で不動産を買おうと思ったら、頭金にもならないよね・・とつぶやいた。
しかし、福岡にそんなに安い物件があるのだろうか・・・?
話を聞いてみると、張さんは現金一括で、福岡市のやや外れにある1ルームの中古マンション(アパートかもしれない)を購入したようだ。上手くいけば10年くらいで回収できて、管理は現地の管理会社に任せているので誰が住んでいるのかは知らないが、今のところ順調に家賃が入金されているので、満足していると語った。
インターネットで調べてみたが、確かに400万円台、もっと安い物件も検索された。
例えば東京に、日本人で張さんと同じくらいの年齢で、女性でも男性でもどちらでもいいが、420万円の貯金を持っている人はいくらでもいる。しかし、そういう人たちが福岡に中古マンションを買おうと思うだろうか?買おうと思う人は少数で、実行に移す人は更に少ないだろう。中国人の投資意識の強さというものを改めて感じた。
中国国内消費における人民元の現金価値は下がる一方なので、現金のまま持っておくことを不安を感じる人は多い。例えば中国の銀行定期預金の3年定期の利息は4~5%(2013年1月現在は4.25%)だが、物価の上昇スピードと比べると、この程度の利息ではカバーできない。資産を現金のままにしておくより、何らかの形での投資に駆り立てられる。
中国人不動産視察ツアーのニュースのことを思い出したが、「視察ツアー」に来る人の数と実際に不動産を購入する人の数は関係ないなと思った。日本にわざわざ行かなくても、日本の不動産を購入することは可能だ。ましてや、最初から投資目的で、自分が住む気がないのであれば物件を見る必要性は低い。
今後日本円対人民元のレートが下がることや、様々なリスクがあることは張さんも認識している。張さんは別にお金が有り余っているわけではない。だが、中国国内の投資にもリスクはあるし、自分の条件的に可能なものの中から総合的に考えて、納得して買ったのだという。
日本に不動産を購入する中国人の類型は、次のように分類できる。(日本定住者は除外)
(1)一般投資家による賃貸物件に対する投資。張さんのようなケース。
日本のアパート・マンションの利回りは比較的高い。(少なくとも上海よりは高い。上海は転売利益に偏りすぎており、利回りが異常に低い。オフィス物件の利回りは住居物件よりも高い。)売買価格は上がりもしないが大幅に下がることもないと思われる。
(2)日本旅行に訪れる、中国人団体旅行者が利用する施設に対する投資。
中国人団体旅行者が日本で利用するレストラン、ホテル、温泉施設、ゴルフ場などに対して投資する。
(3)中国で会社を経営していて日本に事業進出する中国人経営者。日本の住所を持つことで、便利になることがある。住居兼オフィスになることもある。
(2)と(3)は物件を視察すると思うが、(1)の場合、わざわざ物件を見るためだけに日本まで行くことはないのではと思う。そして、母数としては(2)(3)に該当する人より、(1)の方が断然多いだろう。そう考えると、「視察ツアー」という形で表には見えなくても、日本の不動産を購入している中国人の数は意外なほど多いのかもしれない。
【おまけ】
上海市普陀区の広大なマンション群「中遠両湾城」。西端から東端までは地下鉄1駅分ほどの距離がある。2012年の2月頃撮影。

最近はいわゆる「有害濃霧」でモヤがかかっているので、上のマンションの写真のように鮮明な写真が撮れません。濃霧が出ているとこんなかんじで前方がぼやけます。下の写真を撮ったのは午前9時頃です。去年の11月のくらいまでは普通だったのに、なぜ急にここまでひどくなったのか不思議です。1ヶ月くらい前から毎日中国の新聞で報道されてます。
張さんは私よりも大分年上で、中国の寒い地域の出身だが現在は旦那さんと娘さんと一緒に上海に住んでいる。貿易の仕事をしているので、出張で東京や大阪には行ったことがあると以前話していた。張さんの会社は海外向けに衣料品を輸出していて、主に欧米向けだが、日本や韓国のクライアントもいるという。張さんは英語が堪能だが、日本語は平仮名が少し分かるくらいだ。
「どうして福岡に行きたいの?」と尋ねると、張さんは
「福岡にマンションを買った」と答えた。
「いつ買ったの!?」ときくと、なんと「買ったのはかなり前だ」という。
私と張さんは比較的近くに住んでいるので時々ご飯を一緒に食べるが、そんな話は初めて聞いた。
最近、マンション購入の手続きもすべて終わって、家賃が振り込まれるようになったのだという。数ヶ月間順調に振り込まれているので安心したと話した。
日本でも「東京のマンション物件を視察する中国人ツアー」といったニュースが報道されていたが、まさか張さんが買っているとは思わなかった。日本以外に居住する外国人が日本に不動産を買おうとしても、日本の銀行ではローンを組むことが難しいので、いったいどうやって買ったのだろうと思った。
張さんに、「いくらで買ったの?」と聞くと、「30万元くらい」と答えた。
「・・・30万元って頭金でしょ?」と私は言った。そのときのレートでいうと30万元は約420万円くらいだった。張さんは「ううん、税金とかも含めて全部で30万元。」と答えた。そして2人して、30万元なんて上海市区で不動産を買おうと思ったら、頭金にもならないよね・・とつぶやいた。
しかし、福岡にそんなに安い物件があるのだろうか・・・?
話を聞いてみると、張さんは現金一括で、福岡市のやや外れにある1ルームの中古マンション(アパートかもしれない)を購入したようだ。上手くいけば10年くらいで回収できて、管理は現地の管理会社に任せているので誰が住んでいるのかは知らないが、今のところ順調に家賃が入金されているので、満足していると語った。
インターネットで調べてみたが、確かに400万円台、もっと安い物件も検索された。
例えば東京に、日本人で張さんと同じくらいの年齢で、女性でも男性でもどちらでもいいが、420万円の貯金を持っている人はいくらでもいる。しかし、そういう人たちが福岡に中古マンションを買おうと思うだろうか?買おうと思う人は少数で、実行に移す人は更に少ないだろう。中国人の投資意識の強さというものを改めて感じた。
中国国内消費における人民元の現金価値は下がる一方なので、現金のまま持っておくことを不安を感じる人は多い。例えば中国の銀行定期預金の3年定期の利息は4~5%(2013年1月現在は4.25%)だが、物価の上昇スピードと比べると、この程度の利息ではカバーできない。資産を現金のままにしておくより、何らかの形での投資に駆り立てられる。
中国人不動産視察ツアーのニュースのことを思い出したが、「視察ツアー」に来る人の数と実際に不動産を購入する人の数は関係ないなと思った。日本にわざわざ行かなくても、日本の不動産を購入することは可能だ。ましてや、最初から投資目的で、自分が住む気がないのであれば物件を見る必要性は低い。
今後日本円対人民元のレートが下がることや、様々なリスクがあることは張さんも認識している。張さんは別にお金が有り余っているわけではない。だが、中国国内の投資にもリスクはあるし、自分の条件的に可能なものの中から総合的に考えて、納得して買ったのだという。
日本に不動産を購入する中国人の類型は、次のように分類できる。(日本定住者は除外)
(1)一般投資家による賃貸物件に対する投資。張さんのようなケース。
日本のアパート・マンションの利回りは比較的高い。(少なくとも上海よりは高い。上海は転売利益に偏りすぎており、利回りが異常に低い。オフィス物件の利回りは住居物件よりも高い。)売買価格は上がりもしないが大幅に下がることもないと思われる。
(2)日本旅行に訪れる、中国人団体旅行者が利用する施設に対する投資。
中国人団体旅行者が日本で利用するレストラン、ホテル、温泉施設、ゴルフ場などに対して投資する。
(3)中国で会社を経営していて日本に事業進出する中国人経営者。日本の住所を持つことで、便利になることがある。住居兼オフィスになることもある。
(2)と(3)は物件を視察すると思うが、(1)の場合、わざわざ物件を見るためだけに日本まで行くことはないのではと思う。そして、母数としては(2)(3)に該当する人より、(1)の方が断然多いだろう。そう考えると、「視察ツアー」という形で表には見えなくても、日本の不動産を購入している中国人の数は意外なほど多いのかもしれない。
【おまけ】
上海市普陀区の広大なマンション群「中遠両湾城」。西端から東端までは地下鉄1駅分ほどの距離がある。2012年の2月頃撮影。

最近はいわゆる「有害濃霧」でモヤがかかっているので、上のマンションの写真のように鮮明な写真が撮れません。濃霧が出ているとこんなかんじで前方がぼやけます。下の写真を撮ったのは午前9時頃です。去年の11月のくらいまでは普通だったのに、なぜ急にここまでひどくなったのか不思議です。1ヶ月くらい前から毎日中国の新聞で報道されてます。

凄いお話ですね。
現地に行かなくても外国の不動産とか購入できるんですね。
フムフム・・・。
私は昔からお金を貯めるより使うことばかりで、いざ「投資」と言ってもお金もないので夢の話で終わるのですが、中国の方はとても現実的でしっかりしてますね。
私も少しは見習うべきところは見習わなくては・・・→無理(涙)
日本にも有害な大気汚染がやって来てます。
中国国内はもっと酷いのですね。
マスク等で何とかしのいでくださいね!
中国の人はちょっとまとまったお金があると、何かと投資しますね。投資に対する労をいとわないのがすごいと思います。株式市場が低迷してて、国内の不動産は購入制限があるし高すぎるので、なかなか思うようにいかないのですが・・・。「金」(いわゆる金塊)を買う人も根強くいます。
大気汚染は上海はまだマシで、「上海のひどい日」<「北京のマシな日」くらいなようです。
マスクしてる人はあんまりいません。マスクしてる人は地下鉄1車両に1人、2人くらいかもです。場所柄にもよると思いますが。こちらはマスクをする習慣はないので、私も持ってないです。いまのところ、そこまで気にならないです^^
私は関西に住まいしてますが、福岡にそんな安い土地が有るのですね。ビックリしました。
私もSexyzoneのニューイヤーコンサート行きました。関西住まいだから、大阪城ホールですが、。こちらのブログで、拝見して、新春コンサートを思い出しました。私は。ジャニーズも好きですが、k-poopや、韓国ドラマも見ます。最近。大陸ドラマにはまり。(笑)たくさんのドラマ見てます。ただ大陸の情報が、かなり少ないように。思います。私が、中国語が、解らないからよけいですが、韓国のドラマや、情報は、早いですが、大陸は、本当少なくて、涙。どうか、色々教えて頂きたく思います。胡歌は、レストラン経営をしてると何かで、見た気が、しますが、何か。ご存じですかぁ?。後、日本と違い、ドラマ撮影現場を近くで、見れると聞いたのですが。それはどういった場所でしょうか?。今は、行ける状態に有りませんが、いずれは、行きたいと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。長々と失礼いたしました。
福岡にこんなに安い物件があるとはビックリですよね。ですが、インターネットで調べるかぎり、福岡だけではなくて、大阪や他の都市にも同じくらいの値段の物件があるみたいです。
少しでもお金があれば、現金のまま寝かせておかないで、何かに投資するというスタンスがすごいと思います。
胡歌いいですね
2年くらい前にレストランを開いたみたいです。カジュアル日本料理のお店のようですね。まだあるのかな・・・
ドラマ撮影場所は観光用に公開しているところが何箇所かあります。上海の松江影視基地、浙江省の横店影視城などが有名です。特に横店は面積が広大で歴史ドラマのセットが多いことで有名です。日本でいうと「太秦映画村」みたいなとこですが、規模はもっと大きいです。
大陸ドラマは、いろいろジャンルがあるのですが、コスチュームものが人気ありますね。一応歴史ドラマですが、エンタメ性を高めるため脚色されていて、必ずしも史実に忠実ではないです。清朝や明朝の宮廷にタイムスリップする・・という設定も流行りました。
胡歌の代表作「仙剣奇侠傳」をぜひ放送してほしいです。ファンタジックで胡歌がものすごくかっこいいんですよ~
胡歌の情報ありがとうございます。カジュアル日本料理ですかぁ?行ってみたかったです。上海は土地が高いのですね。行って見たいです。今仙剣3を見てます。まだ、15話です。日本語字幕で見たいです。台詞の細かい機微が全く解らないから。映像と中国語の字幕でなんとか理解して見てます。胡歌のドラマは、面白いですよね。現代版ドラマも見たいです。また色々教えて頂けると有りがたいです。これからもよろしくお願いいたします。
あっ撮影場所もありがとうございました。行ける日を楽しみに、色々調べたいです。楽しみです。本当ありがとうございました。
ちなみに、ドラマに「仙剣2」は存在しません。仙剣は台湾で開発されたPCゲームが原作ですが、仙剣2はドラマ化されていません・・・。1と3だけドラマ化されてます。
胡歌は現代ドラマよりコスチュームものが多いですね。重たい衣装が似合うからでしょうか・・・。。