上海阿姐のgooブログ

FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

中国ネット小説「魔道祖師」(ドラマ「陳情令」)あらゆる形態へのマルチメディア展開

2020年06月08日 | エンタメの日記
中国ドラマ「陳情令」の原作は「魔道祖師」というネット小説です。「魔道祖師」はオンライン小説プラットフォーム「晋江文学城」で連載されていました。
「晋江文学城」は、BLや耽美系なども含め、女性読者向けの小説が多く投稿されるプラットフォームとして有名です。
連載当時から人気の高かった小説「魔道祖師」は、Webコミック、ラジオドラマ、アニメ、実写ドラマと、次々とマルチメディア展開されました。実写ドラマ「陳情令」はさらに、出演者による通常のファンミーティングの概念を超えた、豪華版「コンサート」を開催して話題になりました。

原作小説「魔道祖師」 連載期間:2015年10月~2016年3月 作者:墨香銅臭 プラットフォーム:晋江文学城
ネット小説なので、連載当初は挿絵というものがありませんでした。初期のビジュアルイメージはこんなかんじだと思います。
  

Webコミック化: 連載期間:2017年12月~連載中 プラットフォーム:快看漫画(アプリ)


ラジオドラマ化:公開日:2018年6月1日 プラットフォーム:猫耳FM(アプリ)など。
クオリティが非常に高く、ラジオドラマとしては異例の注目を集めました。アプリ「猫耳FM」で日本語版も配信されています。


Webアニメ化:発表:2018年7月~ 全23話  プラットフォーム:テンセントビデオ


実写ドラマ化:タイトル「陳情令」 公開日:2019年6月27日 配信プラットフォーム:テンセントビデオ


コミック、アニメ、ドラマとメジャー展開が進むにつれて、原作の耽美(BL)要素は薄まっています。

今後展開予定されているのはスマホゲームです。2020年5月から予約受付中。
「陳情令」スマホゲーム NetEASE公式サイト:http://cql.163.com/


ドラマ「陳情令」の活動として、2019年7月12日に天津にて「陳情令」ファンミーティングが開催されました。
このファンミーティングはドラマファンミーティングの枠を超えて、豪華な舞台セットを用いたコンサート形式となっています。ドラマプロモーションとしては画期的なイベントです。


さらに、中国での配信終了からほどなくして、タイバンコクで「陳情令」ファンミーティングが開催されました。
2019年9月21日 バンコク「陳情令」ファンミーティング


このタイファンミーティングのために、肖戦と王一博を含む主要キャスト8名がバンコクに行きました。
タイの視聴者は、この手のテイストのドラマの動向に非常に敏感で、常にアンテナを張っているとしか思えません。これまでも絶妙のタイミングで、中国の人気ドラマ・俳優の「タイファンミーティング」を実現させています。

ドラマ「陳情令」本編の公式活動は、2019年11月1日、2日に南京で開催された「『陳情令』中国風音楽コンサート」(陳情令国風音楽演唱会)が最後となっています。

「南京コンサート」は、ドラマ版の「最後の公式イベント」と銘打っていただけあり、チケットは超激戦でした。「最前列のチケットは15万元(約240万円)で取引された」とニュースになったほどです。
「陳情令」公式ウェイボーも、「南京コンサート」2日目が終了した2019年11月2日の更新が最後となっています。
最後の更新で、一連のイベントの終了とファンに対する謝意を伝えています。

以降、肖戦(シャオ・ジャン)と王一博(ワン・イーボー)が同じ舞台に立つ機会も少なくなっています。

中国では2018年後半から2019年にかけて、ドラマや映画の公開が慢性的に滞る状況にあります。肖戦や王一博も、「陳情令」と前後して多くのドラマに出演していますが、公開されていない作品が多いです。
肖戦の場合は、ドラマ「慶余年」が2019年11月に公開されましたが、「慶余年」が撮影されたのは「陳情令」が公開される前のことで、それほど出番の多い役柄ではありません。

すでに撮影完了しており公開が待たれる『余生,請多指教』というドラマは、肖戦が主演です。
『余生,請多指教』(THE OATH OF LOVE)2019年8月~11月撮影。2020年公開予定。
主演:楊紫(ヤン・ズー)、肖戦(シャオ・ジャン)




現代ものラブストーリーです。肖戦は若き外科医の役を演じます。相手役は中国で非常に人気のある若手女優楊紫(ヤン・ズー)で、楊紫はチェロを学ぶ音大生の役柄です。現代ものは、古装ものと違ってCG処理に頼れる範囲が狭いため、肖戦の演技力が試される作品となりそうです。

肖戦はドラマ「陳情令」によって文字通り爆発的に人気が出ました。僅か数ヶ月の間に、芸能人としての商業的価値が異様なほどに跳ね上がりました。
ただし、その代償も大きく、ファンの思い入れが強すぎて、社会問題に発展するような事件も起きています。
人気が出ると、商品広告のキャラクターにこれでもかというほど派手に起用されます。しかし、最近の中国は、ドラマや映画の公開が慢性的に遅延する状況にあり、役者として公正な評価を受ける機会は多いとはいえず、毎年のように輩出される「スター俳優」がぶつかる壁となっています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする