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身近な生き物:ネズミの狩人

2022-03-23 06:29:59 | 日記
最近の住宅事情

 ウォーキングコースにしている近所の森林公園で、謎の物体を発見したのは
昨年暮れのこと。
林内を抜ける歩道を歩いていたら、数メートル奥まった樹木のシルエットが何やら
不格好なのに気付きました。
 目を凝らすと高さ3メートル程の梢に大きな木の箱が据えられていました。
近づいて見上げると高さが数十センチ、幅と奥行きが30センチ程の木製、まるで
鬼滅の刃の炭治郎が担ぐ箱の様です。
 正面の板には掌を広げた以上の穴が開けられています。
この森で時々見かける小鳥の巣箱を巨大化した様な代物ですが、正体は見当も
つきません。
 先日新聞の切り抜きを整理していたら昨年6月7日の地元記事に目が止まりました。
小学生がフクロウの巣箱づくりを体験したとの内容で、写っている写真が謎の物体に
重なりました。
なるほど、あれは誰かが架けたフクロウの巣箱だったのか。

 フクロウの営巣時期は3月から4月。
樹の洞などに2~4個の卵を産み落とします。
ひとつのつがいが子育てをする間に捕食するネズミの数は1200匹に上ると言われて
います。
 <ヒナ1匹が全育雛期間に食べる量は、ネズミ類55匹、モグラ5.9匹、昆虫
8.2匹。
メスが年間に捕らえる獲物の重さをヒメネズミに換算すると1077頭になる。>
 これだけのネズミを駆除してくれるフクロウは農家の味方。
昔は獲物を獲りやすいリンゴ畑の近隣に営巣していましたが、ケヤキの大木などが
減少した影響で姿を見かけなくなったといいます。
 そこで巣箱の設置が行われているのでした。

アライグマの対策も

 森林公園で見かける小鳥の巣箱は随分とコンパクトです。
<シジュウカラは幅15センチ高さ20センチ、穴の直径は2.8センチが標準的。>
 これに対してフクロウの住居は<高さ60センチ幅40センチ、穴の直径は15
センチ。>(引用はいずれも 人口営巣場所の種類と架設効果 より)の巨大な物。
しかも設置する高さはシジュウカラの倍以上の5メートルの場所というから大変な
作業です。
 他にも留意点があります。
<巣箱の底面には水抜きの穴を設ける。
近くに止まり木がある場所で、巣穴の向きは南向きにする。
地域によっては天敵のアライグマ対策の返しも必要。
設置を完了したら入り口に枝を刺す。>(上尾市内のフクロウ巣箱の設置 より)

 これだけの苦労をして巣を架けてもすぐにフクロウがやって来るとは限りません。
ある集計では巣箱を6個設置して実際に営巣したのは1個だけ。
(人口営巣場所の種類と架設効果 より)
17%程度の低い確率です。
 それでもやらないよりはずっとまし。
全国各地で同様の取り組みが行われています。
 ところで設置作業の最後にあった項目は何?
枝を刺すのは何かのおまじない?
不思議に思いましたが理由を聞いたら納得です。
 それは「羽毛の付着で出入りを確認するための知恵」
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