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グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

土がメタボになる理由。

2014-09-14 10:34:50 | Weblog
土がメタボになる理由。K


野菜の場合・・・

有機物は分解・発酵過程を経て、「硝酸」となった時点ではじめて
植物に吸収・利用されるとされています。

 タンパク質 →アミノ酸 →アンモニア →亜硝酸 →硝酸

といった順番です。

したがって硝酸に分解するまでは効かない〔未分解の状態ならEC
メーターでも計れませんし
〕。そこでありがちになるのは、

 有機物をやったのに効かないな。足りなかったのかな

と、ヒトにおもわせがちになること。ヒトがそう思って、さらに有
機物を施用してしまいがちになる
ことです。
この行為がさらなる有機物の施用をよび、結果的に土をメタボ化さ
せる
遠因ともなります。

さらに・・・未分解の有機物の大量施用の影響は、土がメタボ化す
るだけではとどまりません。

植物の根に障害をもたらします。その原因はふたつ。

  有機物の分解に伴う硫化水素やメタンなどの有害なガスの発生
  土中の有機物が分解されるときに生じておこる酸素不足

です。

その結果、お花や野菜の地下部が生育不良となり、その後地上部
の生育不良もひきおこしてしまう
のです。 

さらにここからです。

まだ有機物が足りないと思いこんで、さらに有機物を施用したら・・・
いったいどうなってしまうのでしょうね。

こういった有機物の分解の過程がよくわかるのは、水を貯めてみる
ことです。それまで見えなかった分解の過程で発生するガスが、見
えるようになりますよ


 ぶくぶくぶくぶく、ぶくぶくぶくぶく

つっつくたびに、アワ がいっぱい。


◎ たとえば水田。
  水田に未熟有機物をたくさんいれた状態で、田植した場合には
  水が温み始めるころからガスの発生が始まります。
  そんな水田の中をハダシで歩くと、ガスの存在を肌で体感できますよ。
  そんなとき思うんです。生き物たちのためにも、水中や土中に
  酸素をいれてあげたいなって。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜


理不尽な場所にいる毛虫の、その理不尽すぎる刺し方。

2014-09-12 11:17:02 | Weblog
理不尽な場所にいる毛虫の、その理不尽すぎる刺し方。Hすみ

昼間は、太陽光を避けて日陰や、スレートの裏や取っ手などの裏側に潜んで
いる ヤネホソバ

彼らは 基本じっとしている。

ただ 明るすぎると判断した場合は、暗いほうに、内側にと移動します。
それが あぶない。 で、こんな具合に刺されます。

   


■ 屋根付きの物干し場に干してある洗濯物に紛れ込む

明るい透明なポリ板つきの物干しの柱を、夜間にヤネホソバが上部へ
移動。朝になり、ポリ板から光が射して来ると、やつらは糸をたらし
つつ地上方向へ戻ります。そこに洗濯ものが干してあれば、これ幸いと
洗濯ものの中へと侵入。
彼らの存在知らずに、洗いたてのシャツを着たとたんにやられる〔多く
の毛虫の針がそうであるように、基本、針の持ち主が亡くなっていた
としても針は健在です
〕。


■ 車庫や倉庫のシャッター開閉するとき

締めているシャッターの端に ヤネホソバがいた場合。
シャッターをあけて、巻上げが終わった瞬間にやつらが反動で落下。
髪の毛やシャツなどに とりつきます。
明かりのきらいなかれらは、その後 袖口や襟元よりシャツの内側に
侵入。そして、かれらに刺されます。


■ 軒下においた道具類を使用するとき

太陽光を避けて意外な場所にいます。たとえば道具類の取っ手の溝
中などは、もっとも彼らが好むところ。
この溝の中にいる場合は、ヒトが道具を持ったときすぐには、刺され
ません。その後 ゆっくりと、取っ手から出て、ヒトの手のひらから
手首へと移動する彼らに刺されるといういうケースが多い。
シャベルやホウキの柄、チリトリの取っ手の裏側など、軒下に置いて
あるものすべてにわたって、注意が必要
となります。


■ 具体的に・・・洗車するとき〔実話〕

コンクリートにおいていた裏返しになっていたポリバケツを手にする。
バケツに水を満たして洗剤を溶かし、洗車用のブラシを右手に
作業にとりかかる。
しかし、取っ手のすき間に入り込んでいた複数のホソホソバがいた。
そこで、バケツをもった方の手首内側を まずやられる。その後、ブラシ
をもったもう一方の手の手首内側を やられる。


■ 特別な例では・・

コンクリートの上に ホソバの群れの上をスケートボードで疾走。
そしてボーダーが、彼らの群れの上で ころがってしまった・・・
というのがありましたね。


 ↑ 以上、被害に遭うケースでした。

そして対策・・・です。

発生に心当りがあられる方。そして梅雨がはじまるころから10月くらい
にかけて 身の回りに樹木などないはずなのに 
なぜだか毛虫被害に遭うという方


壁やコンクリートに苔の生える梅雨時からが、彼らが大発生する可
能性のある時期です。まずは身の回りのコンクリートの地面や壁な
どをよくよく観察。

とにもかくにも目を凝らして、先手必勝で発見すること。。

それが最良のヤネホソバ対策かと〔その後は毒針に気をつけて駆除
されてください。幸運を祈る
〕。


◎ 夜間。ものすごく動きまわっている個体もいます。
  これって 充分にホラー~。。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




植物がなくても大発生する毛虫には要注意! 

2014-09-11 17:57:41 | Weblog
植物がなくても大発生する毛虫には要注意! Hすみ

植物がまったくない、コンクリートが主体の建物において、彼らは
こんなかたちで存在します。


 なんかいる.jpg


接近。


 接近.jpg


さらに接近。


 さらに接近.jpg


棲んでいるのはコンクリートの上だけではありません。ときには金属
プラスティック、そしてポリタンクの上でも生活するのです。





 こんなところに 2.jpg ← ポリタンクの壁面でも こんなふうに。


彼らの名前は、 ヤネホソバ 。

 ヨツボシホソバ.jpg


コケを食べる蛾の仲間で、この3センチ前後の毛虫は、この蛾の幼虫となります。

問題は、そう、この 幼虫が毒針毛 を持つこと。

  ポリバケツの取っ手にいる
  洗車用のブラシの持ち手にいる
  金属製のチリトリの取ってにいる

というぐあいに、彼らが道具類にじっとしている〔基本的に動かない
場合がほとんどです
〕ことに気づかずに、うっかり道具を持ってしまう
と、おもいっきり刺されてしまいます。

そして道具類ならまだいい。ときには

  上から落ちてくる
  天井から、糸をだして静かに降りてくる
 の
といった具合に、天井付近にいった彼らが、落ちたり、降りてきたりした
ときが問題です。

頭や肩になにかついたのかなと思って何気なく触ったら、触った手が被害
に遭いますし、きずかずに〔小さく軽い毛虫なので〕たとえば首筋に落ち
てきたとしたら、ときには着衣のなかに侵入されて、いたるところを刺さ
れることにもつながります。

ほとほと へこんでしまう ケースでは、

  洗濯して干している洗濯物の内側に潜む
 

という場合すらあります〔収納して衣類をたたむとき、あるいは洗濯した
ての洗濯物を着ようとしたときに被害に
〕。

以前お伝えしたチャドクガによる健康被害などでは、その被害はあくまで
自然環境のなかで樹木に接触あるいは接近したときにかぎって起こるもの
でした。しかし、この ヤネホソバの場合には、そういったこれまでの
常識が通用しない点に、その特異性があります。

「樹木に触れた覚えはないのに、最近虫刺されの症状をおこしちゃって」
などという思いをお持ちのあなた。とくに雨の多い年には、コンクリート
の上や、スレートの壁面を確認
されることがよいかと思います。

コンクリートジャングルという、新しい生息の場を見つけた彼ら。

いく手には、都市化されてきた日本という無限の生息場所が広がっている
のですから。。


◎ 先日も 発生した場所をみました。学校の体育館の外付けの階段付近。
 そして農業改良普及所の建物で。

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棲んでいる生き物から水のきれいさを知る。

2014-09-06 23:27:06 | Weblog
棲んでいる生き物から水質を知る。

どのような生きものが住んでいるかで、水環境は判断できるのをご存
知ですか。知られている一般的な判断基準は、つぎのようになります。

 ● きれいな水 ・・・カワゲラ・ブユ・サワガニ
 ● 少しきたない水 ・ゲンジボタル・スジエビ・イシマキガイ・カワニナ
 ● きたない水 ・・・ミズカマキリ・タイコウチ・タニシ・ヒル
 ● 大変きたない水 ・セスジユスリカ・アメリカザリガニ・サカマキガイ

このような水の生物相は、水環境とともに順次変化していきます。
たとえば 水のよごれが増加していくと

 カワゲラ→ウルマシマトビゲラ→エルモンヒラタカゲロウ→コガタ
 シマトビケラ→力ワニナ→スジエビ→ヒメタニシ→シマイシビル→
 ミズムシ→モノアラガイ→オオユスリカ→イトミミズ→サカマキガイ
 →チョウバエ

というふうにすんでいる生き物の種類は変わっていきます。しかし
これとは反対に、水の汚れが減少していくとすれば

 チョウバエ→サカマキガイ→イトミミズ→オオユスリカ→モノアラガイ
 →ミズムシ→シマイシビル→ヒメタニシ→スジエビ→力ワニナ→コガタ
 シマトビケラ→エルモンヒラタカゲロウ→ウルマシマトビゲラ

という具合にその水に棲む生き物の種類は、変化していきます。

もうひとつ。

水がきれいであれば生物の種類が多いのですが、
汚れていけば住んでいる生き物の種類が減少していきます。


◎ 畜産業により飼育される牛や豚の排出する負荷量は、人間の排出負荷
  量の5~10倍にも及び、畜産業の盛んな地域では、その糞尿処理・
  排水処理対策は重要となります。 前回は こちら
  エコファーマーなどの制度では、有機資源の有効活用の観点から家畜
  ふん尿を堆肥や液肥として農地や緑地に施肥利用することをすすめて
  いますが、これも過剰となり野積み状態になるば、降雨とともに河川
  に流出するなどし環境負荷をたかめることにもなります。
  ということで、今回は川の生き物によって水質を判断する手法を掲載
  してみました。エコファーマーを名乗られている農業者なら、当然ご
  存じのこととは思いますが、ご参考までによろしかったら。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜




生き物の立場から、水の汚れについて考えると。

2014-09-06 17:32:18 | Weblog
生き物の立場から、水の汚れについて考えると。

水の汚れには、無機汚濁(化学物質による汚濁)と有機汚濁(家庭や工
場、農地などからの排水に含まれる有機物による汚濁)があります。
このうち有機物汚濁の原因となるものを具体的に説明しますと、食物の
残飯や排泄物などを含んだ生活排水
や、動植物の遺骸などがこれにあた
ります。

生活排水はまだしも、動植物の遺骸などがそんなにあるものなのだろう
か・・・と思われる方もおおいとおもわれますのでたとえば農業生産の
分野を例にとって説明しますと、まずは ナタネ粕や綿実粕、米ヌカなど
が植物質の遺骸
 にあたります。
そして動物質では 骨粉や皮革粉、血粉や鳥の羽、魚粕などが動物質
の遺骸
 、そして 排泄物由来のたい肥 などもあります。

これらの有機物汚濁は、適切な処理をおこなったあとで適量を施すのな
ら問題にはなりません。

問題となりやすいのは、 生に近い 状態である場合です。
問題となりやすいのは、 量を考えずに大量に施用する 場合です。

多量に施された生の有機物が、水域に流入した場合に、水環境へ多大な
影響をもたらすことが問題となるのです。

そのような有機物の水環境への悪影響については

 ○ 腐敗することで悪臭を放つ
 ○ ヘドロとして蓄積される
 ○ 微生物に分解される時に水中の酸素がなくなっしまう


ことなどが挙げられます。

このような水環境への悪影響が続いていけば、環境は悪化し最終的に水
環境は破壊されていきます。

無機汚濁(化学物質による汚濁)にとらわれすぎるあまり、まちがった
有機の使用や施肥を推し進めていくものだとすれば、それは確実に生物
の多様性を危うくします〔そしていずれは われわれも〕。


◎ 生物を利用した水環境の判断方法について

水環境の悪化とともに「まずは生物相が単純化し、そのつぎに水質に合
った特殊な生物の個体数だけが増加していく」こと
が知られています。
ちなみに環境省の資料による底生動物の指標生物を取り上げると次の
ような生物の変化がおこっていきますよ。
カワゲラ→ウルマシマトビゲラ→エルモンヒラタカゲロウ→コガタシマ
トビケラ→力ワニナ→スジエビ→ヒメタニシ→シマイシビル→ミズムシ
→モノアラガイ→オオユスリカイトミミズサカマキガイチョウバエ と、
こんな具合。
もちろんカワゲラが多いほど有機汚濁が少なく、チョウバエやユスリカに
イトミミズが多いほど有機汚濁が多い
ものと判断します。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜