グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

棲んでいる生き物から水のきれいさを知る。

2014-09-06 23:27:06 | Weblog
棲んでいる生き物から水質を知る。

どのような生きものが住んでいるかで、水環境は判断できるのをご存
知ですか。知られている一般的な判断基準は、つぎのようになります。

 ● きれいな水 ・・・カワゲラ・ブユ・サワガニ
 ● 少しきたない水 ・ゲンジボタル・スジエビ・イシマキガイ・カワニナ
 ● きたない水 ・・・ミズカマキリ・タイコウチ・タニシ・ヒル
 ● 大変きたない水 ・セスジユスリカ・アメリカザリガニ・サカマキガイ

このような水の生物相は、水環境とともに順次変化していきます。
たとえば 水のよごれが増加していくと

 カワゲラ→ウルマシマトビゲラ→エルモンヒラタカゲロウ→コガタ
 シマトビケラ→力ワニナ→スジエビ→ヒメタニシ→シマイシビル→
 ミズムシ→モノアラガイ→オオユスリカ→イトミミズ→サカマキガイ
 →チョウバエ

というふうにすんでいる生き物の種類は変わっていきます。しかし
これとは反対に、水の汚れが減少していくとすれば

 チョウバエ→サカマキガイ→イトミミズ→オオユスリカ→モノアラガイ
 →ミズムシ→シマイシビル→ヒメタニシ→スジエビ→力ワニナ→コガタ
 シマトビケラ→エルモンヒラタカゲロウ→ウルマシマトビゲラ

という具合にその水に棲む生き物の種類は、変化していきます。

もうひとつ。

水がきれいであれば生物の種類が多いのですが、
汚れていけば住んでいる生き物の種類が減少していきます。


◎ 畜産業により飼育される牛や豚の排出する負荷量は、人間の排出負荷
  量の5~10倍にも及び、畜産業の盛んな地域では、その糞尿処理・
  排水処理対策は重要となります。 前回は こちら
  エコファーマーなどの制度では、有機資源の有効活用の観点から家畜
  ふん尿を堆肥や液肥として農地や緑地に施肥利用することをすすめて
  いますが、これも過剰となり野積み状態になるば、降雨とともに河川
  に流出するなどし環境負荷をたかめることにもなります。
  ということで、今回は川の生き物によって水質を判断する手法を掲載
  してみました。エコファーマーを名乗られている農業者なら、当然ご
  存じのこととは思いますが、ご参考までによろしかったら。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜




生き物の立場から、水の汚れについて考えると。

2014-09-06 17:32:18 | Weblog
生き物の立場から、水の汚れについて考えると。

水の汚れには、無機汚濁(化学物質による汚濁)と有機汚濁(家庭や工
場、農地などからの排水に含まれる有機物による汚濁)があります。
このうち有機物汚濁の原因となるものを具体的に説明しますと、食物の
残飯や排泄物などを含んだ生活排水
や、動植物の遺骸などがこれにあた
ります。

生活排水はまだしも、動植物の遺骸などがそんなにあるものなのだろう
か・・・と思われる方もおおいとおもわれますのでたとえば農業生産の
分野を例にとって説明しますと、まずは ナタネ粕や綿実粕、米ヌカなど
が植物質の遺骸
 にあたります。
そして動物質では 骨粉や皮革粉、血粉や鳥の羽、魚粕などが動物質
の遺骸
 、そして 排泄物由来のたい肥 などもあります。

これらの有機物汚濁は、適切な処理をおこなったあとで適量を施すのな
ら問題にはなりません。

問題となりやすいのは、 生に近い 状態である場合です。
問題となりやすいのは、 量を考えずに大量に施用する 場合です。

多量に施された生の有機物が、水域に流入した場合に、水環境へ多大な
影響をもたらすことが問題となるのです。

そのような有機物の水環境への悪影響については

 ○ 腐敗することで悪臭を放つ
 ○ ヘドロとして蓄積される
 ○ 微生物に分解される時に水中の酸素がなくなっしまう


ことなどが挙げられます。

このような水環境への悪影響が続いていけば、環境は悪化し最終的に水
環境は破壊されていきます。

無機汚濁(化学物質による汚濁)にとらわれすぎるあまり、まちがった
有機の使用や施肥を推し進めていくものだとすれば、それは確実に生物
の多様性を危うくします〔そしていずれは われわれも〕。


◎ 生物を利用した水環境の判断方法について

水環境の悪化とともに「まずは生物相が単純化し、そのつぎに水質に合
った特殊な生物の個体数だけが増加していく」こと
が知られています。
ちなみに環境省の資料による底生動物の指標生物を取り上げると次の
ような生物の変化がおこっていきますよ。
カワゲラ→ウルマシマトビゲラ→エルモンヒラタカゲロウ→コガタシマ
トビケラ→力ワニナ→スジエビ→ヒメタニシ→シマイシビル→ミズムシ
→モノアラガイ→オオユスリカイトミミズサカマキガイチョウバエ と、
こんな具合。
もちろんカワゲラが多いほど有機汚濁が少なく、チョウバエやユスリカに
イトミミズが多いほど有機汚濁が多い
ものと判断します。

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