グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

鳥インフルも、こんなかんじで広がったり。

2014-01-22 17:37:51 | Weblog
鳥インフルも、こんなかんじで広がったり。

鳥インフルエンザや口蹄疫などに代表される家畜伝染病の感染拡大につい
ての2013年の回となります。よろしかったら、ご参考に。

 ↓

たとえば日本では、2010年の3月頃に発生し7月4日に終息が確認さ
れ宮崎県で発生した牛、豚、水牛の口蹄疫〔28万8643頭が犠牲にな
った〕の流行がありますが・・・
この口蹄疫のまん延に関しての農水省口蹄疫疫学調査チームの報告として
次のような見解が発表されいます。

『口蹄疫に感染した牛やブタは呼気中やふん尿中に大量のウイルスを排出
するため、周辺環境がウイルスで汚染される。川南町を中心とする多発生
地域では、多くの発生農場で感染動物を殺処分するまでに長い時間を要し
たことや、牛の百倍~二千倍程度のウイルスを排出する豚にまで感染が拡
大したことで、発生農場の周辺までが大量のウイルスによって汚染されて
いたと考えられる。
また、一部の発生農場においては、近隣に設けられたたい肥置き場への別
の発生農場からのふん尿が搬入されていたことが確認されており、ウイル
スに汚染されたふん尿を介して伝播した可能性がある。
これらのウイルスが飛沫核として飛散し、また共通の道路の使用、野鳥や
昆虫などの小動物などによる機械的伝播など不特定の経路を介して周辺農
場に広がった可能性がある。』

いっぽう、2010年11月に発生し翌年の4月3日に終息が確認された
韓国における口蹄疫〔被害家畜数約348万頭〕では、そのまん延の原因
として、中央日報が発生中の2011年1月につぎのような見解を報じて
います。

『隣接する台湾と中国、モンゴル、ロシアなどでも昨年に口蹄疫が発生し
ているが、韓国ほど激しくはなかった。日本も昨年4月に宮崎県で口蹄疫
が確認されたが、他の地域には拡散しなかった。それならば韓国だけ“統
制不能”が懸念されるほど口蹄疫が広がった理由は何だろうか。
専門家らは全国的に移動する糞尿回収車と飼料供給車を挙げる。これらの
車両が全国を回りながらウイルスを伝播しているということだ。実際、安
東で初めて発生してから10日以上慶尚北道外に出なかった口蹄疫は12
月中旬から京畿道(キョンギド)北部を中心に急速に広まった理由は糞尿
回収車のせいだというのが国立獣医科学検疫院の暫定疫学調査の結果だ。
検疫院のキム・ビョンハン疫学調査課長は、「安東で口蹄疫は初めて発生
したこと、ある糞尿処理装備開発会社が安東の養豚団地の糞尿2トンを京
畿道坡州(パジュ)に持ち込み糞尿乾燥試験を行ったことが確認された。
この会社の近くの農家で口蹄疫が発生した」と明らかにした。その後、坡
州、漣川(ヨンチョン)、抱川(ポチョン)、江華(カンファ)など養豚
農家密集地域で相次ぎ口蹄疫が拡散した。建国大学獣医学科のイ・ジュン
ボク教授も、「口蹄疫が韓半島で広まったのは、畜産農家が全国に広がっ
ている上、媒介となる糞尿処理車や飼料供給車などが隅々まで走り回って
いるため」と指摘している。』

・・・ということになっています。

この2つの考察から、家畜伝染病の感染がひろがる大きな原因として、感
染した家畜から排泄されるふん尿の管理不足があるようにかんがえられる
のです。

そして、いま中国で感染が広がっているH7N9型の鳥インフルエンザに
関しても、4月14日につぎのようなニュースが配信されていますよ。

『インフルエンザ(H7N9型)ウイルスの感染者が増えていることを受
け、中国家禽業協会の常務理事兼副秘書長を務める李朝国研究員は、洗浄、
消毒がされていない状態で市場に出回る「汚い卵」は調理の前によく洗う
よう呼びかけた。
「汚い卵」の表面には鳥インフルエンザウイルスやサルモネラ菌、大腸菌
などの病気の温床になる鶏の糞や羽、飼料などが付着している可能性があ
る。低温または常温の状況で、こうした病原は卵に付着した汚物の中で長
く生存できるという。
海外では「汚い卵」の市場管理が早くから始まっている。1970年12
月29日に米議会はこうした卵の流通を禁止する「卵製品検査法」を採択
した。日本、カナダ、オーストラリアなどの先進国ではほとんどが洗浄・
消毒を経た「きれいな卵」だ。
李氏は、洗浄、消毒が行われない卵を買ったら、まずきれいに洗って乾燥
させてから、食料の相互汚染を避けるため、袋に入れて冷蔵庫で保管する
必要があると話した。冷凍室は殻が割れたり卵黄が硬くなったりするので
避ける。生のまま、または半熟では食べず、よく加熱する必要がある。さ
らに、洗浄すると品質保持期間が短くなるため、1週間ほどで食べきるこ
とが好ましいと説明した。
李氏は「卵を割る際に鍋や碗にあてると、不衛生な部分が食べ物に混ざる
可能性があるため、卵は必ず洗ってから調理する必要がある」と強調した』

というものです。

ということで今回は次回の資料として、鳥インフルエンザや口蹄疫などの
家畜伝染病の感染がひろがる原因についての考察をお伝えしてみました。


◎ 上記の中国の卵のはなし。これは、家畜の排せつ物を利用した
  農法や、その農法で生産される農産物に置き換えることも可能
  ・・・と思うんですよね。鳥インフルが発生している地域であったら。
 
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜