アグリコ日記

岩手の山里で自給自足的な暮らしをしています。

砂糖という薬物 6

2011-05-14 09:43:34 | 思い
 世界最古の虫歯は、ザンビアで発見された12万5千年前のカヴウェ人骨(ホモ・エレクトスからホモ・サピエンスに進化する中間形らしい)に見られるという。当時、人類は果実や葉などの植物を中心に食べていた。
 その後年代が下がって、ヨーロッパで発見されたネアンデルタール人(20万年~2万数千年前)やクロマニョン人(4万〜1万年前)の頭骨にも虫歯が発見されている。この頃はまだ農耕が始まっておらず、したがって今のような穀物食をしてはいない。
 虫歯は、歯の硬組織が微生物の産する有機酸によって脱灰されて起こる現象である。また有機酸を産生する微生物が口腔内に感染して起こる「感染症」でもある。この微生物(ミュータンス連鎖球菌など)のエサとなるものが、「糖質」である。
 つまり虫歯の発生は、まず「糖質を常食としていること」を条件とする。糖質とは、わかりやすく言えば、穀物やイモ類由来の澱粉(特に調理されα化したもの)や果物の果糖、並びに砂糖である。ザンビアのカヴウェ人やネアンデルタール人が虫歯になったのは、果物や加熱されたイモ類が原因と考えられる。
 人類が穀物を栽培しだしたのは約1万年前で、この頃からヒトは虫歯と親密に歩み始めた。因みに、まったくの野生の状態の動物にはほとんど虫歯は観察されない。虫歯は人類(とその影響下にあるペットなど)特有の問題である。
 ところで虫歯は、その原因が何の食べものなのかによって、二つのタイプに分けられる。すなわち「澱粉」なのか「砂糖」(果糖も含む)なのか。以下にそれぞれの特徴を記す。
①澱粉による虫歯:
人類の発祥以来観察される由緒正しい虫歯である。といっても原始時代はもちろん稀な現象であり、調理(火の使用は概ね250万年くらい前)や農耕が始まったことによって徐々に増加しつつ現代に至る。患部は歯頸部・歯根面部を中心とし、比較的ゆっくりと進行する。歯周病により歯根部が露出することによって発現するケースが多く、それゆえ成人~高齢者に多い。関与する菌は、口腔内で糖の発酵能を持つすべての細菌である。ブラッシングによって予防が可能。

②砂糖による虫歯:
ミュータンス連鎖球菌によって起こされる。砂糖(または果物)の大量または継続摂取が原因であり、小さな砂糖粒が、澱粉が入り込めない歯の噛み合わせ面の溝や小さな穴にも入り込み、そこで速い速度で進行する。果物による発症は比較的稀であり、全世界で砂糖が食品化されるとともに現れたと言っていい疾患。幼児や若年層に多発する「小児病」でもある。当然のことながら、砂糖を食べていること、ミュータンス連鎖球菌に感染していることを条件とする。ブラッシングによる予防は、まったく無駄ではないが効果は高いとは言えない。

 人はこのミュータンス連鎖球菌に、主に乳児に歯が生え始める生後19か月から31か月の間に感染するという。感染源はなんといっても母親で、箸やスプーン、コップ、食べかけの食品、接触などから唾液を通して感染する。母親が感染者(つまり虫歯を持っている人)の場合に当然ながら感染可能性が高くなる。一度口中に定着すると無くすのはほぼ不可能らしい。逆に乳幼児期に感染を免れると一生虫歯に悩むことなしに暮らせる可能性が出てくる。甘いものをばくばく食べても一向に虫歯にならない人などはこの類である。とは言っても成人してから(例えばキスなどして)感染する人もいる。
 したがって、生まれた子がその後一生虫歯で悩むかどうかはほとんど母親次第である。もちろん母親が保菌していないことがベストなのだが、「母親の唾液中のミュータンス連鎖球菌が1万個以下の場合、3~4歳児の虫歯はそれ以上の場合と比べて4分の1しかない」というデータもある。
 更に、母親が歯のケアを行っている場合、子の7歳時点でのミュータンス連鎖球菌への感染率は46%なのに対して、歯のケアを行っていない場合では95%に跳ね上がる。母親が日常こまめに歯のケアをしてるかどうかが、子の感染率と虫歯数に歴然と反映されている。(「健康な歯を守り育てる|田原市の山内歯科医院」より)なんだか自分の母を恨みたくなるような数字だが、過去の遺恨は忘れて将来の糧としたい。
 さて以上見たとおり、澱粉由来の虫歯と、砂糖由来のそれとは別物である。どちらも病態は似ているのだが、感染源も疾患部位も関与する細菌も違う。比喩は適切ではないかもしれないが、魚を食べて食中毒を起こしたが、フグの毒によるものとアニサキスとかの寄生虫によるものとでは同じ腹痛にしても違う、というのと似ている。
 近代以降社会問題化しているのは、もちろんこの「砂糖による虫歯」である。例えば化石人骨などから太古の人々の歯の状態が分析されているが、さる研究によると「狩猟採集民」における平均的虫歯率は1.8%である。「半農・半狩猟採集・漁撈民」で4.5%。「農耕民」で8.6%。時代が下って江戸時代の平均が12.1%。そして現代の日本人の場合は、いきなり46.4%(1999年時点)に急増する(竹原直道編著「むし歯の歴史」砂書房刊より)。
 言わずもがな江戸時代以前の虫歯は「澱粉食」によるものだった。この期間に生じる一つのターニング・ポイントは、「農耕の始まり」である。農業によって穀物やイモの栽培がなされるかどうか(つまりふんだんに澱粉質を食べれるかどうか)で、虫歯率に明らかな違いができている。そして次の時代のポイントは「砂糖の登場」となる。
 砂糖は日本において江戸時代、特にその半ば以降に庶民層にまで普及し始める。京都・江戸において菓子文化の黄金時代を築くのはこれ以降である。江戸、そして現代、と俯瞰して見ると、人間の虫歯率は完全に「砂糖の消費量」と関連しているのがわかる。砂糖は一気にヒトの歯を大量破壊し出したのである。
 原因の重要性で見ると、虫歯は砂糖の消費量とともにあると言って過言ではない。一般に虫歯は、先進諸国やサトウキビ生産国に多く、低開発国で少ないという傾向があるが、それはそのまま「砂糖の消費量」の差とも言える。それでは日本はいったいどうだろうか。


「12才児の虫歯の本数」
資料:1999年歯科疾患実態調査(厚生労働省)、WHO(世界保健機関)のホームページ
調査年:日本(1999年)、アメリカ(1994年)、イギリス(2001年)、オーストラリア(1998年)、フィンランド(1997年)、スウェーデン(2002年)

 ご覧のとおり、先進国の中で日本はトップクラスに虫歯の多い国である。だが不思議なことに、砂糖の消費量はそれほどでもない。虫歯の要因は予防教育の現状や食習慣、各国や各国民の諸事情、虫歯のカウント方法などにもよることなので、一概に世界の砂糖消費量がそのまま各国の虫歯率に結びつくわけではない。
 

「図録▽甘いもの好きの国際比較」より)

 しかし国単位で見た場合に、砂糖消費量の増減と虫歯率には明らかに密接な関係がある。わかりやすい話に、南大西洋にある絶海の孤島、トリスタン・ダ・クーナ島で行われた調査がある。
 1932年、島の全住民162人を調査したイギリスの軍医は、住民の83パーセントには虫歯がなく、5歳以下の子供に至っては一本の虫歯もないことを発見した。この島の日常生活には、シリアルと砂糖がないことが特徴でもあった。精白粉と砂糖は、滅多に訪れない、外部世界から船によってしかもたらされなかった。母乳による育児が普通であったが、他方では、歯ブラシというようなものは知られていなかった。つまり、歯磨きの習慣など、なかったのである。
 ところが、3年半後に同じ軍医がこの島を再訪したとき、様子はまったく変わっていた。虫歯は人口の50パーセントに及んでおり、特に子供の間でひどくなっていた。この間に、島の生活で変わったことといえば、この三年半のあいだに10隻以上の船舶が外部から訪れ、そのたびにかなりの量の精白粉と砂糖をもたらしたことしかない。

 日本の話に戻ると、日本では砂糖の消費量は1970年代をピークに以後下降している。2003年には日本人一人一日当たりの摂取量が約48g。ほぼ戦前の値に近づいている。
 

(「砂糖統計年鑑」2006,5,21朝日新聞より)

 驚いたことに日本人は一昔前ほど砂糖を口にしていない。しかし不思議なのは、世の中には過去にも増して「甘いもの」が満ち溢れていることである。ケーキ、スイーツ、和菓子、清涼飲料・・・どこに行っても選ぶのに困るくらい種類が豊富でしかも気軽に手に入る。昔はこんなではなかった。
 これは一つには、砂糖の害が叫ばれてから「人工甘味料」に置換された部分がかなりあるようである。お菓子売り場や総菜コーナーでも、原材料名:キシリトールやソルビトールなどの名前をよく目にするようになった。 
 それに加えて「異性化糖」である。コーラやジュース、清涼飲料にはほとんどと言っていいくらい「ブドウ糖果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」などが使われているが、先にも述べたとおりこれらは「砂糖」と分類されてはいない。しかし砂糖ではないが、実はそれよりも有害な甘味物質である。
 砂糖も異性化糖も、ブドウ糖と果糖という単体の形で体内に吸収される。しかし,砂糖は消化酵素によりブドウ糖と果糖に分解されてから吸収されるのに対して,異性化糖はブドウ糖と果糖の混合液であるため分解の必要がなく、すなわち吸収が一段早い。つまり食べると砂糖以上に急激に血糖値が跳ね上がる。膵臓への負担も、それ以降の「インスリン⇒カルシウム剥奪⇒ヒドロキシアパタイト放出」の過程も砂糖よりも過激である。
 現在異性化糖は、砂糖の全消費量の3分の1程度量が消費されている。砂糖の害を述べるなら、本来はこの「異性化糖の分」を上乗せして考えないと片手落ちになる。しかし統計上別扱いになってるので分かりやすい形でグラフに表した資料が手に入らない。
 ところで一方、日本人の虫歯本数の推移を見てみよう。「DMFT」(1人の虫歯の経験歯数。例えばある人が、現在すでに治療した歯が3本で、新しい虫歯が2本あるとDMFT値は5となる)もまた、1970年代をピークに下降の途にあるのがわかる。砂糖とまったく同じである。これは単に日本に限ったことではない、どの国も、砂糖の消費量と虫歯の数とは概ね軌を一にして推移している。虫歯の歩みは砂糖の歩みでもある。


 こうして見ると1970年代を境に、わが国は欧米先進国を抜いて一躍「虫歯大国」の地位に上り詰めたことがわかる。この差は今も開いたままなのだが、しかし日本の虫歯率も近年下降線を辿っているので、やがては欧米並みに低い虫歯率に落ち着くかもしれない。従来虫歯の多かった先進諸国で虫歯が漸減傾向にあり、かたや砂糖が蔓延しつつある途上国で激増している、というのが最近の状況だ。地球全体で見れば、「虫歯」という病気はほぼとんとんの流行具合を維持していると言える。
 因みに1999年歯科疾患実態調査/厚生労働省によると、日本人一人当たりの永久歯の平均虫歯数(DMFT)は15.67本、虫歯が原因で抜かれた永久歯は5.91本。つまり永久歯28本のうち、半分以上が虫歯になり、2割が虫歯のために失われてしまったことになる。日本の諺に「かわいい子には灸をすえ、憎い子には砂糖をやれ」というのがあるが、母親がもしわが子が憎いのなら、より正確には「ミュータンス連鎖球菌と砂糖をやれ」というのが正しい。
 ここでは主に虫歯の起こるメカニズムの観点から「砂糖」の関与を捉えたが、この他にも砂糖が虫歯を産む別のルートがある。砂糖食は「カルシウム収奪⇒ヒドロキシアパタイト流出」という過程を通して骨や歯のカルシウムを流亡させている。つまり相応量の砂糖を頻回食するほどに、骨や歯はカルシウムを失って脆くなるのである。骨なら骨折や疲労骨折が容易に起こり、歯の場合は簡単に欠けたりする。もちろんカルシウム密度が低いので、酸に溶かされる速度も速い。砂糖は複合的に、ヒトの歯を失わせる元となっているのである。

 以上、砂糖による害の主なものを見てきた。ここに挙げたことの他にも、例えば砂糖が湿疹やできものなどの皮膚疾患を引き起こすこともある。私もある時、お菓子を食べて体全身に湿疹ができたことがあるが、それは甘い物を食べ続ける限りなかなか治らなかった。また水虫や虫刺されの痕の化膿、アレルギー体質などは、明らかに砂糖との関連があると甲田医師も言っている。
 それは一つには、血管が冒されることによって新陳代謝が阻害され、老廃物が効果的に排泄されずに末梢の細胞内に蓄積されることと関係があるように思う。血管とともに、それらの排泄装置として皮膚には汗腺や皮脂腺というものがある。特に皮下には食物を通して取り込んだ化学物質(農薬や食品添加物など)を貯めやすい脂肪組織があるので、この皮膚の排泄機能は尿・便の役割に次いで重要である。
 しかし、食物から摂取した有害化学物質が皮下に蓄積されていつまでも排泄されることなく、しかもそれに各細胞から生じる老廃物まで上乗せされるのであれば、細胞は毒に満たされやがて壊死に至ってしまう。まったく掃除しないでゴミの溜まり続ける部屋を思い描いてほしい。
 そのようにしてある機にひとまとまりの細胞が壊死すると、外見上湿疹や皮膚病の形をとる場合がある。貯留した毒物を(膿の形で)排出することはその際とても重要である。またある場合には、細胞が正常な機能を失っていぼのように異常増殖をすることもある。
 また老廃物などを溜めこんだ細胞は、機能が弱まり当然のことながら免疫力も低い。その結果、正常な状態ではなんの悪さもしない皮膚常在菌が一転して病気の元となったりする。本来蚊や虫に刺されたくらいでは化膿などしないのだが、そのような場合には免疫機能が細菌の活動を抑えられず、化膿する、悪化する、別の皮膚疾患を起こすなどの症状を誘発する。
 そしてそれらの状態は、元々の原因、つまり砂糖を体に入れ続けているということが改善されない限り、容易には治らない。このことを認識している医者などほとんどいないので、病院に行っても「何を食べてるか」などまったく訊かれず、場当たり的な処置をされて終わりである。実際に多くの人は食習慣を変えるということに思い及ばないで、いつまでも病気を根治することができないでいる。
 また甲田医師はこの他にも、砂糖が肝臓に与える負荷から生じる肝機能障害についても触れている。つまり彼言うところの「鈍重肝臓・不全肝臓」(肝臓が疲弊して病的症状を呈する状態。つまり病気の一歩手前)というものだが、ただこれは砂糖だけではなく酒も、美食も、その他生活全般の悪習慣も同じように影響を与えることなので、特段砂糖ばかりをあげつらうべきではない。しかしある意味「美食の極み」とも言える砂糖の摂取が、この肝機能障害に一役かっていることは紛れもない。
 さてこのようにどれ一つをとってみても、自然の状態を逸脱した化学物質「砂糖」は平素の食生活に上らせてはならないものだということがわかる。これはあくまで「薬品」なのである。私もとても疲れた時、一時的に元気を出したい時に甘いものを口にすることはあるが、その機会は日常それほど多くはない。
 ただその薬品としての取り扱いを逸脱してしまうと、砂糖はいきなり「毒物」となる。無知と自己管理の欠如のために、この毒物に冒され人生を棒に振った人はあまりに多い。多くは親から受け継いだ誤った食習慣に起因するもので、気づいた時には既に中毒になっていた、手遅れだったというケースである。また最期まで自分の疾患が砂糖に由来するものだと気づかないで死んでいく人もいる。
  現在砂糖の害は、その多くの部分が科学的に解明されているのである。ではそれにもかかわらずなぜ、社会は砂糖を容認しているのか。政府はもっと厳しい対策をとらないのか。学校で砂糖の害を教えないのか。それを知るにはより正確かつ詳細に「砂糖の歴史と現状」を知る必要がある。
 具体的には巨大な砂糖産業と権力との癒着の構造である。ここではそれについて深く言及することはしないが、参考として動画を一つ紹介しておこう。

「世界を動かす砂糖産業(前編)その1~さとうきび農場の奴隷たち 」
「世界を動かす砂糖産業(後編)その2~肥満を招く甘い誘い」

 砂糖の歴史は悲惨な搾取と人種差別に満ちたものであり、それは数百年という時間を越え、形を変えて今日にも生きている。16世紀にカリブ海とブラジルで生まれた奴隷制砂糖プランテーションは、その周辺に住む先住民の多くを絶滅させ、それでも足りずアフリカから数百万人の奴隷を持ち込み、更にそこで培われた搾取方式は、その後世界の各所でカカオ、コーヒー、タバコ、米、藍、綿花などに応用されていく。
 もちろん今日では、砂糖生産工程の多くは近代化され、かつて人力が担ってきた部分を機械や燃料が賄っている状態にある。しかし我々消費者から遠く離れた箇所、特に熱帯・亜熱帯諸国のサトウキビ栽培農場やその周辺では、今でも構造的な貧困と事実上の強制労働、富の不平等に喘いでいる無数の民衆が存在する。奴隷制プランテーションの手法と伝統は、未だその本質を失ってはいない。それを牛耳る者に数百年来変わらず、莫大な富と力を保証し続けている。
 砂糖産業は砂糖という「毒」を用いて法外な利益を得ることができるために、その利権構造にはタバコや農薬産業に通じるものがある。いずれも巨額の資金を投じて政界・学術会・教育界・マスコミを買収し操作するのである。そうでなくては彼らの利得は維持できない。もし私の書いた文を読んで初めて「砂糖はこんなに悪いものだったのか」と思った人がいるとすれば、それはとりもなおさず、民衆操作のために彼らがやってきたことの具体的証左である。みな本当のことを知らされないで、毒を買い金を貢がされているのだ。
 砂糖の恐ろしいところは、あまりに口当たりがよいので人間の欲望をそそること、そして経済活動を通して売る者に巨額の富をもたらすことにある。かつてアヘンや、今も売られ続けているタバコもそうだ。酒やコーヒーも本質的に同じ性質を持ってはいるが、こちらは砂糖やタバコほど体に悪いというものではなく、また用い方によってはよい意味での薬効も顕れる。
 世の中には完全に悪いだけのものもあるにはある。しかし、ほとんどの物質は使われ方次第で薬にもなれば毒にもなるという両面を持っている。砂糖も「薬」の地位を保っていればよかったのだが、いかんせん人間の飽くなき欲望と科学技術と搾取構造が今日の広範な「砂糖禍」を招いてしまった。しかしいつまでも自棄行為を続けてはいられない。刹那的な快楽と健康の双方を天秤にかけて、公正な判断をし、砂糖という強い力の物質をわが身のために賢く用いる、そのような姿勢と決意が今現代を生きる私たちに求められている。
 

(おしまい)
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2 コメント

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さとう (koko)
2012-04-15 10:33:34
agricoさん

お久しぶり。
私はもともと甘い物が苦手なのですが、
子供が生まれてから、白砂糖を使ってないです。黒糖のみです。
今子供たちが通っている保育園も玄米食で白砂糖は使わずに調理してくださいます。

沖縄に来てから、娘の喘息も発作が出ることなく、発熱も息子が1回出したくらいです。人の身体は何を食べるかで大きく作用されますね。スナック菓子やジュースも普段から与えず、出来るかぎり、素朴なモノでも手作りにしています。小麦やグラハム粉を水でといてハーブと塩でチャパティーのようにしたり。簡単でも手作りにしています。こちらにある田芋の皮をオーブンで焼いて塩を軽く振っただけのおやつとか。とにかくそんな感じで東京の生活と打って変わった食生活をしたら私も含め家族全員調子がいいです。
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あまりに身近な化学物質 (あぐりこ)
2012-04-17 14:43:05
 玄米を出してくれる保育園とはすばらしいですね。食べものだけでなく、子どもは親の愛情によって育ちます。例えば、旬の野草や手作りのおやつを食べて育った子どもたちは、その分どこか違ってくると思うのです。
 私も昔は人並みに滅茶苦茶な食生活でしたが、初めに砂糖、次に塩をあまりとらなくなってから、体が目覚ましく変わりました。
 どちらも人類の文明の産物です。ヒトのみならず、生きものの本来の食べものではありません。でも私たちは、生まれてからずっとそれに馴らされてきたものだから、そのことに露ほども疑問を持たないのです。でも実際はちゃんとツケを払わされているのですよ。
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