あまりに明るいので目が醒めた。起きてストーブに薪を足してから時計を見る。なんだ、まだ4時だ。
西の野が窓を透かしてベージュ色に光っている。雪の照り返しで庭中がほの明るい。月か。寒いのでわざわざ窓を開けて見るまでもないだろう。こんな明るい夜には、きっと雲ひとつ無い紺青の空に射抜くような満月が浮かんでいるに違いない。どうりで今朝もこんなに冷え込んでいる。
外が白むのを待ってスヌーピーと散歩に出た。毎 . . . 本文を読む
昨夜から猫家の裏庭で哀しげな犬の声がする。
とり憑かれたようにいつまでも。ふと途絶えたかと思うとやがてまた思い出したかのように。
たまりかねた私が裏口を開けると声はぴたりと止み
草を踏みしだく私を見ながら訴えるような視線。
首には紺色の首輪 そうか、お前も誰かに可愛がってもらったときがあったんだな。
鶏小屋の脇に仕掛けた箱罠に野良犬がかかった。そう、アポロが引っかかったその翌日の晩。
しばらく . . . 本文を読む
秋口頃からだろうか、
鶏が何かに襲われるようになった。
あの独特の警戒の叫び声を上げたり、藪に隠れたりするのでわかる。
それと気づくたびに外に出て辺りを見回してるのだけれど、
それが何によるものかはわからないままだった。
そのうち1羽、また1羽と鶏が減って行った。
もう何度も放し飼いを止めようかと思ったけれど、
外に出たがる鶏たちを前にして、時間を縮めながらも毎日放し続けていた。
そして今日、とう . . . 本文を読む
今日は猫家の中でひとりだけ肩身の狭い思いをしている、スヌーピーについて話そう。
スヌーピーは、保健所に預けられた子犬だった。
猫家に引っ越した当時(今から3年前)、私は猫家の家族を近所の放し飼いの犬や狐、イタチなどから守ってくれる、犬が欲しいと思っていた。
調べてみたら、保健所で預けられた子犬を譲ってくれるそうである。
申し込んだところ、早速翌春に頂けることになった。
当時彼女は生後(推定)3ヶ . . . 本文を読む