黒雲の吹かす風は
稲穂を波に呑み
ちがやを掻きむしり
びゅうー---うーーーう
びゅうーーーうーーーうー
ほら、桑の枝木を揉みくちゃにして
ケヤキの枝を 鷲づかみ
黒雲の吹かす重い風
ワラビの原を駆け抜けて
山肌を捲いて 尾根に登る
びゅおー---おーーーお
びゅおーーーおーーーうー
ほら、森が苦しげに
うめいているよ
幹をぎしぎし擦り合わせ
若木を折れんばかりに撓ませながら . . . 本文を読む
この夏もまた咲いてくれた。
庭の片隅の、一叢の桔梗。
梅雨の頃、草々に埋もれているのをうっかり刈ってしまったばかり。
誤って摘んでしまった草花こそ、悔しいものはない。
我が身の不注意を恨みつつ、切り株を手で押さえ
育ってくれな、と虚しくなるかもしれない望みを口にする。
その桔梗がお盆を過ぎる頃
目の醒めるような、紫色の花を咲かせてくれた。
初めはふたつ、
次にはいつつ、
そして、次々に十を越える . . . 本文を読む
今日、goo Blogのアクセスランキングを開いてみた。
日頃goo Blogのトップページを開くことなど滅多にないけれど、たまたま見たblogにアクセスランキングのことが書かれていたので、ちょっと見てみる気になった。
さて、この頃はどんなblogが、ランキングに入っているんだろう。
日頃私の読むblogは、あるだろうか。
そして、
驚いた。
なんと、毎日記事を読み合ったり、コメントのや . . . 本文を読む
機嫌のいい時の鶏の声は、まるで音楽のようだ。
ラッパやドラムを鳴らしながら、時にはボーカルまで入ったりして、
鳥たちは庭をあちこちつつきながら、闊歩して歩く。
春に生まれたヒヨコたちも今はすっかり成長して、
父さんを頭に総勢16羽の大所帯。
裏庭はすっかり彼らのテリトリーになってしまった。
猫たちもなんとなく気が引けるのか、あまり踏み入らない。
今日も昼寝をしている私の耳に、
鶏たちの、穏やか交響 . . . 本文を読む
たとふれば イヴンの如く
生きなむと
物嫌ひなく 日々を励みつ
森山耕平「汗滴」より
私はどうも、この頃きれいで素晴らしいことばかり言い過ぎてるみたいだ。
それはそれで自己満足としてはいいけれど、対人的には誤解されてしまいかねない危険を孕んでいる。
どうしてそんなことになったかと言うと、
相変わらず私自身の中に巣くってる、他者か . . . 本文を読む
おやおや、また失敗したのかい。
設計図まで作って、頑張ったのにね。
夏休みの宿題
今年こそはと、結構力を入れていた。
今回は新しい材料など、取り入れて
自分なりに最高のものを
作りたかったんだろう。
いいんだよ。
誰だってそうなのさ。
満足するものを作りたいと思えば、
どうしても望みが高くなって
失敗することも、多くなる。
去年と同じやり方ならば
失敗もなにも、ないんだけどね。
でも、それじゃあ . . . 本文を読む
昨日のジャガイモ収穫話の続きです。
うちのジャガイモ畑には、なぜか一面にカボチャが生えている。
いや、原因はわかっている。撒いた堆肥の中に、カボチャの種が入っているからだ。
化成肥料を使わない猫家では、畑の土作りは堆肥と草木灰、時によって炭カルを使う。
特に堆肥作りには力を入れていて、
家周りや畦畔、畑の草を刈って、野原に山と積む。籾殻や米ぬか、鶏糞なども程よく混ぜて、年に何回か切り返す。
そ . . . 本文を読む
今日は、ジャガイモ掘りだ。
お盆に降った雨のお陰で、掘るのが伸び伸びになっていた。
今晩は雨だというから、なんとしても今日のうちに掘り上げたいところ。
昨日までに3分の2は終わってるから、多分午前中くらいで終わるだろう。
今年の夏は雨が少ない。天気もよくて気温が高い。
農作物にとっては、絶好の日和だ。
この調子で行けば今年、ほとんどの作物は豊作になるだろう。
我が家では赤イモと、黒イモ、それ . . . 本文を読む
先日来入院していた隣りのバッちゃんが、昨日退院した。
元々は暑さによる熱射病のようなものだったみたいだけど、ひとたび入院するとなんだかんだと検査が多い。
しかし次から次へと課せられる検査にすべからく合格(?)し、バッちゃんは昨日、晴れて退院して来た。
1ヶ月ぶりである。
齢83歳、検査を受けるほどに、どこかしら異常が出て来る年頃だ。
だから年寄りは、検査を怖がる。
バッちゃんの快気祝いに、私は思 . . . 本文を読む
もしもボクが、犬だったらさ
野原を、山を、思いっきり駆けて
狩をして、群れを作って
時にはヒグマや、イノシシなんかとも闘って
傷ついたりして
病気になったりして
そして死んじゃっても、
生まれ変わる時は、また犬として生まれ変わるんだ。
そしてまた、野山を駆け抜けて
君とも出会ったりしてさ
そんな犬の人生ってのも
悪くはないだろう。
もし君が、鳥だったらさ
羽ばたいて、羽ばたいて
あの山も丘も . . . 本文を読む
今日は猫家の中でひとりだけ肩身の狭い思いをしている、スヌーピーについて話そう。
スヌーピーは、保健所に預けられた子犬だった。
猫家に引っ越した当時(今から3年前)、私は猫家の家族を近所の放し飼いの犬や狐、イタチなどから守ってくれる、犬が欲しいと思っていた。
調べてみたら、保健所で預けられた子犬を譲ってくれるそうである。
申し込んだところ、早速翌春に頂けることになった。
当時彼女は生後(推定)3ヶ . . . 本文を読む
西風に煽られて
青空と雲は モザイク模様
見上げるたびに
空は形を違えて見せる
台風が来るんだって
今日は朝から土砂降りで
雨どいを越えてなだれ落ちる雨に
軒先の草々は 叩きのめされ
息もつけないでいたみたい
そう、私だって このところ
次から次へと 起こる出来事に
体はくだびれ 心はへとへと
まるで息をつく余裕さえないようだった
固く強張った心は まるで
弾みをなくした クッション . . . 本文を読む
昨日から、炭焼をしている。
ちょうど天気は雨。山から伐って来た木を焼くのに、雨の日を待っていた。晴れの日は他にやることがたくさんあるので、もったいない。
猫家の炭窯「スミヤキスタ2号」は、ドラム缶を加工して作った簡易炭焼窯だ。
この冬に本を1冊買い、それと炭焼30年の隣りのジッッちゃんの知恵を拝借して作った。1号機で少し問題点を見つけたので、改良型2機を今は使っている。
本体がドラム缶だから、も . . . 本文を読む
クマが帰って来なくなってから5日になる。
近所のお婆さんが言うには、何日か前に足を引きずって山ノ下への道をピョコピョコと歩いていたという。
山ノ下にはクマの愛人、シロちゃんがいて、クマは日頃そこに入りびたりなのだ。
猫家にはいつも、お腹が空いた時にだけ帰って来る。
私は心配になって、お盆の初日の朝早く山ノ下に行った。
そこのお婆さんに断って、納屋を捜させていただく。
納屋の二階にはクマとシロちゃ . . . 本文を読む
先日スヌーピーを連れて、散歩がてら隣りに行った。
ちょっとジッちゃんに頼みたいことがあったから。
ジッちゃんは乳母車に坐って、裏庭で草むしりをしていた。
「乳母車」とは、田舎でよくひとりで歩くのに大儀になったお婆さんが杖替わりに押して歩いている、カートのことである。この辺りでは「乳母車」と言うけれど、必ずしも赤ちゃんを載せているとは限らない。
乳母車は意外と重宝だ。荷物も運べるし椅子替わりにもな . . . 本文を読む