気づく時っていうのは
それ相応の時間が経ってから
ある日突然に
雲間から陽が差すように
やってくる
そうだね それはまるで
山で火を燃やしてて 生木を重ねた時に
くすぶるばかりでなかなか火が点かない
それがいつか 忘れた頃に
突然ボッと 音を立てて炎たつ
そんな様子に似ている
水気を含んだ枝が 煙を吸いながら
静かに静かに 水分を吐き出して
ひと山みぃんな すっかり乾燥し切って
そうして突 . . . 本文を読む
草たちはどこにでも生えていて、どれもこれも一緒に見えるけど、
実はちゃんとこの地この場所に適応した自分の体を作りながら生えている。
だからある場所で育った草を他の場所に移しても、どんなに似たような環境を人為的に作っても、生きられない場合がある。
「適応力」というのだろうか。
適応力の大きい草は、どこに移しても逞しく行き続けて子孫を残し、
世代を経るにしたがってどんどんその地に適応して根づいていく . . . 本文を読む
摘まれる草が ボクに言う
お空がとっても きれいなんだと
ボクは軍手を脱いで 田の泥を掻きまわす
深く根を張ったコナギは 力を入れないと引き抜けない
ボクの背中に降り注ぐ 霧雨
熱い体に 沁みとおる空の贈りもの
摘まれる草が ボクに言う
アメンボと一緒で とても楽しいんだと
草を抜くのに 手袋は要らない
ボクの思いが伝わるように
草の温かさが伝わるように
田んぼの向こう岸は ずうっと遠 . . . 本文を読む
今日は2日ぶりに朝から快晴だった。
今の時期は雨が降らなければすることはたくさんある。このところ雨模様でのんびり仕事になっていた。
田んぼの基盤整備ももう一息。地面さえ乾いてくれればすぐに終わるところなんだけれど・・。
夕方、久しぶりに畑に出て草むしりをした。
梅雨に入ればひと雨ごとに草は「ググッ」と、まるで音を立てるように背丈を伸ばす。それは畑の野菜も同じだけれど、到底野生のエネルギーにはかな . . . 本文を読む
ネットの海を泳ぎ
ブログの浜で掬った 一握りの砂
その砂たちが 今の私を教えてくれる
疲れたり落ち込んだりして夕方帰って来たとき、今の時期にいつも私を慰めてくれるものがあります。
それは庭のマーガレット。猫家の玄関前にまるで大きな花束のように集まって咲いています。
ゆ~らゆ~らとてんでに顔を揺すらせながら、ニコニコ笑いかけるように私を見上げて・・。
あぁ、なんて可愛いんだろう。
あ . . . 本文を読む
今日は猫家の猫では最年少の、ちょびひげタインを紹介します。
タインが猫家の一員に加わったのは、ある雪の降る寒い朝。小さい体がプルプル震えながらも、必死に生きようとしていたのを思い出します。
それでは、小さな物語の始まり、始まり・・・。
タインは去年の12月の寒い朝、小さなスーパーの買い物袋に入れられて近所のお婆さんに連れられ猫家に来ました。
猫家は山のどん詰まりに近いので、時々捨てられた犬や猫 . . . 本文を読む
田舎に暮らしていると「集落共同作業」というものがある。
道路の草刈やゴミ拾い、地区の運動場の整備や河川清掃などに、一年に7~8回は借り出されて無料奉仕をする。もちろん各戸1名実質的絶対参加。
もし仮にそれに参加しなかったらどうなるか・・・・・うぅっ!考えるだに恐ろしい。その事実はその日の午前中にはJAの運営する有線電話を伝わって集落中に広まり・・・。
いや、その先はあえてノーコメント。現実には未だ . . . 本文を読む
以前「草刈請負業」を立ち上げたことがある。
脱サラして以来何年か実習先や就業先を求めて田舎の農村を点々として来たけれど、どこに行ってもみんな不景気と言い職が無いと言う。でも私の経験で言えば、どんな僻地でも生活するだけの仕事を見つけるのはそんなに難しいことではなかった。
出会う仕事を何でもするつもりでいれば、人の住む所仕事の無いところはない。どんなことでもやる気があるとわかれば、周りの人がいろいろ . . . 本文を読む
ザンザン降りの雨上がり、水色の空気が気持ちいい。
空が大きく動いて往く。雲の間に時おり覗く青空。
私は屈んで田の草を取る。
乾いた風が身体中を撫でて、吹き過ぎる。
あぁ痛い! グゥッと腰を伸ばして空を見上げる。
重そうな雲の塊、今、目の前いっぱいに通り過ぎる。
その時私は空中に、輝くものを見た。
あれは何だろう チカチカ チカチカ
時おり空中に見えるんだ 輝く小さな光の点
私は眼が悪いから、 . . . 本文を読む
台風が来るから
雲が絶え間なく動く
台風が来るから
風が激しく吹く
あのダイナミックな雲の隙間から
時おりきらりと顔を出す
青い 抜けるような空を
君は掴みたいと言うんだね
いいだろう
お空の掴み方を教えてあげる
まず空を もっともっと近くまで持ってくる
近すぎず 遠すぎず
ちょっと背伸びをすれば届くような
そんなところまで持ってくる
笑っちゃいけないよ
これは本当のことなんだ
誰 . . . 本文を読む
『言葉のエネルギー・1』を読んでいない方はそちらから読まれた方が良いかもしれません。
昨日からの雨は今朝から土砂降りになって地面に降り注ぎます。このところ旱魃状態で溜池の水位が下がり、猫家の田にもこの5日間ほど水が引けないで困っていたところでした。まさしく恵みの雨です。後は全国各地で台風の被害が少なければ良いのですが。
私は高校3年の夏に家出をしました。リュックにバーナーと飯盒、米を入れ、 . . . 本文を読む
今日は一日中パラパラ雨。台風が来ると言うので「これでゆっくり休める!」と思いきや、外に出ては雨の具合を見て帰ってきて、また外に出ては帰ってくるの繰り返し。
こんな日にちょっと思い出した昔のことを書いてみます。
私の生まれ育った家は街中で店屋をしてました。今から40年も前のことですから、まだ日本中のほとんどの家がそんなに豊かではなかった頃です。私の家もどちらかと言えば豊かではありませんでした。ご . . . 本文を読む
その木は、杉木立の根元からグイッ・とまるで手を差し伸べるように幹を張り出していた。斜め45度の角度に、身をくねらせつつ、よじれるように。
この体勢で生きるためにはよほどの根張りと幹の強さを必要とする。
下側の枝はとうに枯れていて、生きている葉が見つからない。上の方は杉や雑木の枝に混じって、どれがこの木のものなのか見当がつかない。梢は高く、高く杉木立に混じって伸びている。
幹だけ見ても、何の木な . . . 本文を読む
牧野で牛を追う時はね
急いだりしちゃ駄目なんだ
ゆっくり 牛の歩調を見ながら
背中を軽く叩いたり
話し掛けたりしながら 進む
そうしていると 牛の方から
何もしなくても 歩いてくれるようになる
牛には牛のペースがあるんだよ
ネコにはネコの
イヌにはイヌの
鶏には鶏のペースがある
どぶろくを作る時なんか
自分が酵母菌になったつもりで
ゆっくりゆっくり かき混ぜると
結構うまく発酵してくれたり . . . 本文を読む
昨日「石」をテーマにした記事を読んで、そう言えばまだ畑の石拾いが済んでいないことを思い出した。
今まで草原だった所をこの春耕してみた。基盤整備を進めて、少しずつ「楽に農業」できる体制を整えて行きたい。まず1年目は地力増進作物を播いてみるつもりだった。
ここはもともとは田んぼなんだけれど、荒れてから久しく経っている。
そしたら、驚くほど石が出てきた。
そう、驚くほど!
以前隣りのジッちゃんが言 . . . 本文を読む