さて、もうひとつだけ、麻の有効利用として極めつけのものを述べよう。これは日本の古い信仰に深く関わるものであり、これこそがタバコとの共通点である。
先にも少し触れたが、麻は神道との縁が極めて深い。御札(伊勢神宮大麻)、御幣、神社の鈴縄、狩衣、巫女の髪紐など至るところに使われている。神主がお払いをする祓具を「大麻」(おおぬさ)といい、これも本来麻で作られたものである。麻は罪や穢れを払う神聖な植物で . . . 本文を読む
現代「タバコ」というと誰しも、あの箱に入った棒状の紙巻きたばこを思い浮かべるが、本来タバコとは植物名である。ナス科タバコ属の一年草で、野生種は主に亜熱帯地方に分布している。葉に有毒で習慣性の強いニコチン成分を含む。野生種は現在まで66種見つかっており、うち半数以上が南米大陸に分布している。
商品として流通している「タバコ」の原料はもちろん栽培種で、その原種はアンデス山脈周辺の高地で生まれたらし . . . 本文を読む
食べもののことを随分述べたが、インプットとは別にアウトプット、すなわち栄養分を消費する「運動」のことも、冷えに関してはやはり重要なので一言触れる。
体熱産生はその半分以上が骨格筋で行われるので、筋肉の衰えは体温調節において危険因子となる。寒さに直面した時に背筋がぞくぞくする、体がぶるぶる震える、というのは、熱産生を行おうとする自律神経の作用だから、あながち悪いことではない。ちなみにこの際の熱産 . . . 本文を読む
食品の陰陽に関しても、あちこちのサイトや書籍で引用される陰陽表には間違いが多い。たぶん掲載者がどこかの誤った出典をそのまま流用しただけなのだろうが、それを鵜呑みにすれば読者は健康上要らぬ損失を被ることになる。なにごとであれ、信じるに値する第一は自分で実検したことである。他者にすがらず盲信せず、自分の体と感性を信頼して自分自身で決めた方がいい(ただその前に、生活を正して自己の感性を鋭くしておく必要 . . . 本文を読む
「冷え体質」の主要因は毛細血管の退化と自律神経の失調にあるとの前提の上で、ではそれを改善するにはどうしたらよいかを次に述べる。
まず毛細血管がなぜ消失・損耗するのかだが、これは特に食習慣が深く関わっている。
まず害をなす筆頭に挙げられるのが「砂糖」。ここで詳しいメカニズムは省略するが、砂糖食や炭水化物の大食は代謝の過程で血液内に骨中カルシウム(ヒドロキシアパタイト)を放出させ、それが血管壁 . . . 本文を読む
次に「冷え体質」を作るもう一つの要因、自律神経の失調について見てみよう。これまででわかったとおり、体温調節を司るのは間脳視床下部、その手段は自律神経機能に大きく依存している。その自律神経は、生物の恒常性(体内環境を一定の状態に保つ働き、ホメオスタシスとも)を保つための主役とも言える存在である。
自律神経は「交感神経」(別名、活動する神経)と、「副交感神経」(同じく、休む神経)の二つに分類され、 . . . 本文を読む
「肥満」「貧血」「冷え症」・・・どれもこれも健康業界が喜びそうなお馴染みの言葉である。もう随分前から、これらの文字を電車の吊り広告や本屋などで見かけるようになった。さて、と周りを見回すと、確かに太りすぎや痩せすぎの姿が目立つ。子どもらは朝礼でよく倒れるし、若い女性は電車のプラットホームで貧血で倒れる。アイスクリームが年中売れる一方、冬になれば寝床にあんかを入れたり電気毛布を敷いたり、夏でさえも毛 . . . 本文を読む