昨日の夕刻から降り続いた雨は明け方、予報どおりに止んだ。
雨を見込んで一日延ばした屋根解体の仕事(私は雇われ人夫)、今朝から始まる。
現場は築100年近くの大きな田舎家だ。梁も柱も今風の建築と比べてゆうに5倍は太い。もちろん屋根も大きくて勾配がきつい。
従来の茅葺きの上からトタン瓦を敷き詰めた造りだ。このトタン瓦、外見は大きめの瓦そっくりだが、トタン板と角材で加工してできている。私は今回初めて見た . . . 本文を読む
太古の昔より大噴火を起こし続けて来た環太平洋火山帯。その北の端に近く、三陸海岸沖合い20mの地点にマルダヌキ島はあります。
実はマルダヌキ島は1日に2回だけ干潮時に、砂州が現れて本州と陸続きになるのです。
(猫家の一族は、この時に歩いて島に渡って来たのですねぇ。・・・)
今はちょうどその引き潮の時。おや? 海岸をスヌーピーがリヤカーを引いて歩いてますね。
さてさて、今日はどんなお話があるのでし . . . 本文を読む
猫、らくだ、馬、鯉、蝶ちょ・・・
昔僕は折り紙でいろいろなものを作れた。それは元をただせばアルゼンティンに行く時に買った一冊の本が始まり。子供が好きな僕は、海の向こうに行ってもそこの子供たちと付き合いたい。そのためには何か子供を惹き付けるものをひとつくらい身に付けた方がいいだろう。そこで本屋を彷徨った末に見つけたのが分厚い折り紙の本だった。純日本的なこの遊びは、きっと向こうの人たちに珍しがられる . . . 本文を読む
一昨日そして今日と、春一番二番の風が吹いた。
雪に閉ざされた3ヶ月は、過ぎてみればとても短い時間のように思える。冬の間にやっておこうと思っていたことのほとんどはやり残したまま、もうすぐそこに春が来てしまったんだね。なんだか少し残念だ。できればもう少し長く冬が続いてもいいのに。
雪解けの土から真っ先に芽を出すのは福寿草、そしてふきのとう。
どちらも春満載の色をしている。つくしのようにぽこっとでてくる . . . 本文を読む
太古の昔にムーの文明が栄えた太平洋。その中にセント・マルダヌキ島はあります。
えぇっと、文献を見ますとですね、・・・島はキング・マルダヌキが支配している模様です。なんだかとても恐そうな名前ですね。それでは島の様子を少し覗いてみましょうか。
それでは、始まり、始まり・・・
(あたしが、キング・マルダヌキなのヨッ!)
昔、島に渡った猫家の一族は、決して豊かではないこの島で生きていくために、 . . . 本文を読む
カラカラに乾いた唐辛子
細かく刻んで鍋に入れると
体がカッカと温まる。
炬燵の電気を切ってしまうくらい
真冬に汗をかかせてくれる。
かじかむ手のひらをどんぶりで温めながら
かき込んだ野菜シチュー
なんだか昔のことのような気がする。
箱に猫たちが入る。
「詰まってる」と言った方がいい。
四角い箱に大の大人が4匹5匹
ダンボールが丸く膨れる。頭だけ上にあるから
それで何匹いるかがわかる。
そういえば . . . 本文を読む
黒潮渦巻く太平洋、その中にマルダヌキ島はあります。
どうしてマルダヌキ島っていう名前なのかって・・・? それは残念ながら私にもわかりません。
きっと遠洋航海の船乗りたちが、双眼鏡を覗いたら浜辺で日光浴しているタヌキでも見つけたのでしょう。詳しい話はまた今度調べて来ますね。
今はともかく、ある日のマルダヌキ島の様子を、物陰からそっと覗いてみることにしましょうね。
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アルゼンティン海軍巡洋艦ヘネラル・ベルグラーノは原潜の放った数本の魚雷によって、乗員323名とともに沈没する。原潜が実戦投与されたのは人類の戦争史上これが初めてであり、コンカラーは戦艦を撃沈した世界で唯一の原潜として歴史に名を残すことになった。
マルヴィーナス侵攻後最初の戦闘らしき戦闘で。アルゼンティン艦隊は原潜の動きを阻止するどころか捕捉することさえできなかった。駆逐艦2隻が右往左往してそこ . . . 本文を読む
南大西洋上の島では今、短い春が終わろうとしていた。
吹く風は涼しく、全島は枯草色に染められて行く。
マゼランペンギンが陽光を浴びて小石だらけの海岸に群れる季節になった。時は4月、極地に近いこの島には夏が無い。
これから訪れるのは寒波と氷に覆われた厳寒の長い冬である。百年一日のごとく繰り返される大自然の営み。これから当分の間、島を訪れるのはペンギンとアシカ、そして渡り鳥だけになるはずだった。
しかし . . . 本文を読む
百万ペソを手に入れたら、君は何に使う?
アルゼンティンの首都、ブエノス・アイレスの国際空港エセイサに着いた時に僕は手持ちの米ドルを換金した。初めての海外渡航、今から20年前の話だよ。日本人が今ほど外国に出ていなかった頃だ。僕は東京の4畳半風呂なしトイレ共同の小さなアパートを畳んで、いきなり2000万キロを飛び越えて地球の裏側まで来てしまった。
学校でスペイン語を習っていたからといって話せたわけじ . . . 本文を読む
Verde que te quiero verde.
Verde viento. Verdes ramas.…
この詩はガルシア・ロルカの「ROMANCE SONAMBULO」(夢遊病者の歌)の冒頭の句。大学生の頃、殺風景で広々とした教室で読んだ覚えがある。勉強嫌いの私の胸にも、なぜかこの詩だけは長い間ピタッとくっついて離れなかった。誰にもそんな詩のひとつやふたつはあるだろう。
ガルシ . . . 本文を読む
バスを降りると目の前にその肉屋はあった。
コルドバ郊外の小さな集落。集落という呼び方がいいものかどうか、ちょっと迷ってしまう。でも住宅街というにはそんなに家は無いし、田園地帯と呼ぶには広々とした畑があるわけでもない。市街から30分ほど揺られた町の外れ。学校帰りの僕はいつもそこでバスを降りた。
通りに面して何件かの店が並んでいる。肉屋、パン屋、雑貨屋、酒屋・・・それ以外の店はもう思いつかない。古い . . . 本文を読む
アルゼンティン・シリーズを始めてもう1ヶ月近くになった。
当初はせいぜい4~5記事書いたら終わりかなと思っていたけれど、書いたり構想を練ったりするうちにあの頃の出来事が次から次へと思い出されて来て、いつの間にか随分と膨らんでしまった。記憶は年月とともに遠くなっては来ているけれど、その気になって手繰ろうと思えば意外なところまで手が届くものだと思った。
特にチリ旅行の部分は自分としても印象深いものだ . . . 本文を読む