アグリコ日記

岩手の山里で自給自足的な暮らしをしています。

危なくて怖い「安全・安心」 5

2010-07-29 07:39:20 | 思い
 栽培時に撒かれた農薬は、表皮や根を経由して植物体に入る。人と同じように植物にもまた、体内に入り込んだ毒素を排出したり分解したりする機能があるのだが、そんなもの日本で使われている農薬量の前には無きに等しい。  日本で年間に撒かれる農薬量は、製剤物量で64kg/ha(2003年農薬工業会発表データによる。日本の耕地面積を500万haとした)。つまり一反歩の田畑に6.4kg撒かれることになる。これは具 . . . 本文を読む
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危なくて怖い「安全・安心」 4

2010-07-24 09:24:12 | 思い
 米をとりあげたついでに、今度は「小麦」を見てみよう。麦は一般に欧米人の主食と見られる向きもあるが、彼らの伝統食の中では、実は麦は日本人の米ほど主食的に食べられてはいない。彼らは稲や芋類の栽培に不適な寒冷地・半乾燥地に起源を持つ民族であるがゆえに(ただし新大陸からジャガイモが導入されてからは、芋類も食生活に組み込まれるようになった)、狩猟と遊牧を基礎とする肉食、それを栄養補完する意味で玄殻小麦(つ . . . 本文を読む
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危なくて怖い「安全・安心」 3

2010-07-23 07:12:08 | 思い
 もうひとつ、例え現在の測定機器では検出されないくらい微量だとしても、農薬を振りかけた作物が、そうでないものと決定的に違うことを示す証拠がある。ただ、これは定量的なものではなくて、五感をとおした体感的なものになるのだが。  それはおそらく、両者を実際に食べ比べた人、または職業的・日常的に双方を扱っている人の中には結構気づいている人が多いと思う。例えばたくあんを漬けることにしよう。今まで市販の大根と . . . 本文を読む
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危なくて怖い「安全・安心」 2

2010-07-22 06:23:47 | 思い
 次に果実の中からひとつ選んでみよう。日本を代表する果物「りんご」がいい。以下に同じように比較分析したグラフを掲げる。  ほぼ先のトマトと同じ傾向が伺えるが、事態はいささか悪化している。日本とEU双方の対象となった薬剤は229種。うち30%が基準値一致。日本が上回ったのは全体の55%で、下回ったのは14%。大きく見れば、日本はEUの10倍近く甘い残留農薬基準を持っていることになる。ここでも500 . . . 本文を読む
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危なくて怖い「安全・安心」 1

2010-07-21 08:39:57 | 思い
 先月の岩手県議会で「食の安全安心推進条例」なるものが可決された。報道によると、食料生産県として、「県民に信頼される食品の生産を確保」し、「県民の現在及び将来にわたる健康を保護」すべく制定したらしい。特にこれまで任意だった事業者の食品自主回収報告を義務化する内容などが盛り込まれていて、同様の条例では全国で14番目、東北では初のものになるようだ。  さすが岩手県!と本気で思ったわけではないが、いささ . . . 本文を読む
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