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アグリコ日記

岩手の山里で自給自足的な暮らしをしています。

クモとお友だち

2024-08-12 12:37:20 | 暮らし
夕方、浴槽に湯を張ろうとしたら、底にクモが張り付いていた。足を広げた大きさは、手のひら(指を除いた平らな部分)にひと回りほど小さい。 コアシダカグモ。わが家の母屋に定住するクモ家族の中で最大のものだ。 日中はどこかでじっとしていて、夜になると活動するらしい。去年は風呂場の照明近くを定位置にしていて、風呂に入る時に間違って湯をかけたりしないよう気遣ったものだった。しばらく見ないなと思っていたところ、 . . . 本文を読む
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アナグマらんど建設計画

2024-07-17 13:51:21 | 暮らし
初夏の山々が色濃くなる頃だった。ある日、玄関脇の外壁の下に、もっこりと土の山ができているのを見つけた。ちょうどそこには薪棚があって、冬の間に薪を使い切ったので、今は棚の枠組みだけが残っているところだった。その枠組みと地面との間の隙間から、大量の土砂が掻き出されている。わが家は古い民家の作りなので、家の土台は平たい石の上に載っているだけなのだが、その土台の下を潜って、家の内側方向に向かって穴が開いて . . . 本文を読む
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自分の中の愛

2024-07-02 07:34:55 | 暮らし
朝に、花菖蒲を見ながら家の前の道を歩いていると、いきなりカラスがけたたましい声で啼き出した。威嚇音だ。二羽のカラスが飛び来たって、私の頭上付近をせわしく飛び跳ねながら、断続的に啼く。その合間には嘴で枝や電線を激しく突つき回る。近くに巣があるのだ。子どもを育ててるに違いない。私を危険要因と認識して、ここから早く立ち去れと言っている。 この(おそらく)若いつがいは、この春この場所で、初めての子育てをし . . . 本文を読む
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蓄熱テーブル

2024-03-14 09:48:46 | 暮らし
今年はまるで冬がすっぽりと無かったかのような暖かい冬だった。しかしこの山里では例年そうではない。最低気温はマイナス10度を下回るし、台所の流しが凍り、隙間風に震えながら布団を肩に背負って炬燵に入るのがいつもながらの状態だ。わが家は築(推定)85年くらいの、たぶんただの水飲み百姓の家だったと思う。屋根こそトタンに葺き替えてはあるが、冬はとても寒い。 玄関スペースを暖かくしたい。真剣にその課題に取り組 . . . 本文を読む
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砂糖という薬物 2

2011-05-02 09:16:04 | 暮らし
 砂糖の主な2大原料作物はサトウキビ(別名「甘蔗」。カンショまたはカンシャと発音)とテンサイ(甜菜。サトウダイコンとも呼ばれる)である。他にサトウヤシやサトウカエデ、サトウモロコシがあるが、世界的な生産量はごく僅かでほとんど問題にならない。  世界中で1年に生産される砂糖の約65%はサトウキビ,35%はテンサイから作られている。サトウキビは亜熱帯から熱帯地域で生産され、茎の部分に約15%の糖分が含 . . . 本文を読む
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いのちの輪 4

2010-10-08 04:57:13 | 暮らし
「一億年ミネラル 一日生きもの」  生きものたちは、食べられること、死ぬことによって別な生きものの姿に生まれ変わる。生きる姿を幾つか変遷し、やがては最終的に存在の最小単位「ミネラル」にまで分解する。そのミネラルはすぐに植物に吸収されて新たな「輪廻の旅」に出ることもあれば、または土中深く埋もれ、あるいは水に流されて深海に至り、続く何千・何万年という時間をミネラルのまま、岩やマグマの形で存在し続ける . . . 本文を読む
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いのちの輪 3

2010-10-07 07:22:59 | 暮らし
「自給自足」  極力殺さない暮らし。田の中を歩くにも、一歩一歩足元を見ながら歩く農業を続けるうちに、僕は「自給自足」と言ったって、本当に自分で作ってるものなんて何もないんだということに気づいた。  今年蒔く稲の種籾は、確かに僕が去年育てたものだけど、でもそれ自体は遥か太古の昔から受け継がれてきた生物種の遺伝の産物だ。土を肥やし生態系を豊かにしてきたとはいっても、元々あった生態系に人為的な「破壊」 . . . 本文を読む
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いのちの輪 2

2010-10-06 08:00:46 | 暮らし
「殺さない暮らし」  自分で食べるものを自分で作る生活の中で、僕は野の草、山の草のような自然の状態で育った植物が人間のためにもっともいい食べものなんだと気づいた。また動物も、そんな植物の実や葉っぱを食べるから、過酷な自然の中で病気にも罹らないし健康に生きていける。  その発見はそのまま、僕の日常の作物作りに反映されていった。つまり農薬や化学肥料、化学調味料や添加物の入らない「化学物質フリー」の食 . . . 本文を読む
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いのちの輪 1

2010-10-05 08:16:46 | 暮らし
「作る生活」  出発点は、お金がないことだった。11年間のサラリーマン生活で貯めたお金なんて知れたものだったし、親がまとまった遺産を残してくれたわけでもない。手に技術があるとか、特別な才能や資格を持ってるわけでもなかった。ただ自分は、学生時代から親の手を借りずに生計を立ててきたものだったから、どこでもやっていけるさ、そんな漠然とした自信が、あると言えばあった。たぶんきっとなんとかなる。そうさ、今 . . . 本文を読む
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蝶の記憶

2010-05-01 19:32:55 | 暮らし
 見たことのない蝶だと思った。  その時私は薪を軒下に積み上げていた。ひらりひらりと紅色のりぼんが膝元をかすめる。このところ雨や曇りの日ばかりで二日と晴れ間が続かない。アブラナの咲き方もタラの芽の膨らみも、例年よりも幾分遅い。桜の蕾が固いままに、いつしか4月も末になっていた。そうか、世の中はもう連休だ。種蒔きからひと月も経つというのに、なかなか稲苗の成長は芳しくない。それやこれやはあるけれど、野の . . . 本文を読む
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外国から見た日本

2009-08-10 12:58:27 | 暮らし
 たまたまYouTubeで見つけたものだが、お笑い番組とはいえ、あまりに現在の日本の実情を捉えていたし、なるほど外国では情報は正しく伝わっているのだなと(つまり「日本国内のようにではなく」)ある意味感心した。  私は小さいときから目が悪いせいもあって、今までテレビというものをあまり見てこなかった。新聞は脱サラをしてから十年余りほとんど読んでいない。つまりマスメディアというものにあまり感化されずに今 . . . 本文を読む
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ミギワバエ

2009-07-30 17:07:28 | 暮らし
 本当ならとうに梅雨も明ける時節になって、いつまでもサラッとした雨が降り続く、典型的な梅雨の気候になった。つい先週までは、去年と同じようなカラ梅雨だったのにね。本当に近頃の天候っておかしい。でもおかげで井戸の水位も戻ったし、涼しいから体も休まるし、これからの本格的な夏に備えることができる。正直言ってこのところ、過労気味だった。  ただ、稲はちょうど今が減数分裂期で、一番低温に弱い時期なんだ。人間で . . . 本文を読む
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愛の伝達

2009-07-22 06:30:50 | 暮らし
愛してるよ。大好きだよ・・・  そう、彼らはいつもそう言っていた。玄関のポストの上から、ダンボールの中から、胡坐をかいた私の膝の上で、時に優しい視線で、さり気ない素振りで、感情をこめた声で、彼らはいつもそう言っていたのだ。愛しているよ。大好きだよと。  でも私は彼らの言葉に気づかなかった。犬や猫の意思表示の仕方は、人間のそれとは大いに異なる。人のように独特の文化様式を持たないだけに、彼らの表わし方 . . . 本文を読む
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オニヤンマ

2009-07-19 07:38:48 | 暮らし
 朝露にぬれた沢沿いの道をスヌーピーと歩いていると、梅雨の間にいつしか首を高くもたげたヤブカンゾウの蕾の下に、なにかがすがりついているのが目にとまった。それは小指ほどの大きさの、黒い土色の姿をして、僕が顔を近づけても近くに手をやってもピクリとも動かない。 朝5時  それはオニヤンマの幼虫だった。僕には彼だとすぐにわかった。だって顔がまるっきりトンボなんだもの。それにこれほどの大きさのヤゴは、お . . . 本文を読む
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サンショウモ

2009-07-14 22:14:31 | 暮らし
 最初はね、ほんの一株だったんだ。葉っぱが10枚ほどついた一房と言ったらいいか。サンショウモはその葉っぱが山椒に似てるからサンショウモって言うんだけれど、それに例えると若枝の先の一塊。どんな小さな人の掌にだって隠れるくらいの、ちっぽけな株だった。あれは田植後ひと月ほど経った、真新しい夏の日だったね。  僕が隣りの谷地田で見つけたサンショウモ。それを一株拝借して自分の田に入れた。その見つけた田っ . . . 本文を読む
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