この暑さで、目に見えて稲の背丈が高くなって来た。
このところ雨の降らない日はほとんど毎日、草取りのために田んぼに入っている。
けれどもう、稲の葉先が屈んだ顔に当たるようになって来た。
コナギやオモダカはとうに花を咲かせ始めている。
セリやヤナギタデは、抜いたものからもすぐ根が生え、復活する。
タウコギは取っても取っても、まるで追いかけっこをするように次々と芽を出す。
あと何日、草取りが出来る . . . 本文を読む
昨夜も、夕飯の後パソコンに向かって、そのまま寝てしまっていた。
blogを開いたまま、洗濯も途中、皿洗いもせず、扇風機もつけっぱなしで、ビール3本目を飲みかけに、気がついたのは夜中だった。
毎年本格的な夏になると。外での仕事は辛くなる。
昼の間は消耗が激しいので、早朝から午前中いっぱいで一日のほとんどの仕事を終えてしまうように時間配分しないといけない。
今までは雨続きだったので、朝にblog記事 . . . 本文を読む
ジッちゃんがうちに来て言った。
オライの墓んどごに木いかぶさっでるがら、持ってげや。
ナラだがら、炭焼ぐのにいい。
どうやらこの冬に、近くの山で太い松の木を倒して売った。
ところが松が倒れる時に、側の雑木をメリメリと押し倒してしまった。
その何本かが、ジッちゃんの先祖代々の墓の上に乗っかってしまってる、ということらしい。
更に付け加えれば、倒れてかぶさってる木はナラで、硬い木なので炭焼には好都 . . . 本文を読む
杉山の向こうから
雷神がやってくる
重い体をうならせて
銀の雨を槍のように降らせ
ゴロゴロゴロ
ゴロゴロゴロ
馬舎も芝草もことごとく打ちのめし
雫は
土に沁みいり草を育て
この世に生きる体というからだを
あますところなく貫いて
やがて再び地に落ち
土を掘りて
集合し真白き蛇となりて岩を削ぎ
やがて雄雄しい竜と変じて
風を友とし大海に遊ぶ
ある日竜のからだは微塵に砕け
輝く光の粒子となって
虹の . . . 本文を読む
裏庭で枯れ木を燃やしてたら、救急車のサイレンの音が聞こえた。
ここ、芦沢集落は戸数30戸の比較的平和なムラだけど、亡くなる人の数は多い。
私が越して来てからこの方、1年に2人の割合でお葬式が出ている。
従って救急車の来訪も、言ってみれば日常茶飯事のように思えることは思えるのだけど、どうやら今度は様子が少し違うみたいだ。
サイレンは、猫家のすぐ近くで突然止まった。
私は急いで裏庭を出て、表へ出た . . . 本文を読む
今日は殺人的な暑さだった。
さすがに昼から働く気がしなくなり、扇風機をかけて寝転んだまま、涼しくなるのを待った。
ようやくに4時を過ぎた頃起きだし、外に出たけれど、少し動くとたちまち滝のように汗が出る。
こんな時には、ひとつ気分転換に楽しい企画でも打ち上げて、夏のひと時を明るく賑やかに過ごすことにしよう。
幸いgooblogには、宮澤賢治大好きの人がたくさんいるみたいなので、今回は賢治ファンが小 . . . 本文を読む
猫家の朝は、鶏の声で始まる。
朝まだき鶏の声に誘われて私が家の中でゴソゴソし始めると、戸外で寝ていた猫たちも三々五々あちらこちらから集まって来て、おもむろに餌だ餌だの大合唱を始める。
今日の彼らのご飯は「愛犬用」スジ肉と玄米ご飯。
猫たちやスヌーピーが朝飯を食べている間に、私はひとり庭に出て山向こうの木立を眺める。
猫家の東側はすぐそこまで山が迫っていて、朝日がストレートに差してこない。
け . . . 本文を読む
今朝草刈をしていて、ピンクの小さな花房を刈った。
その時、ネジバナかな、って一瞬思ったけど、去年も一昨年もこの場所でネジバナは見ない。
あの花は特徴があるのですぐわかる。それにどこにでも生える草じゃない。加えて私の好きな花だから、気づかないはずはない。
多分違うだろう、おそらくイヌタデかなんかだろうと思って刈り進んでいたら、またひとつ、またひとつと同じような花を切ってしまった。
3度目にしてよく見 . . . 本文を読む
あなたは今度の春 東京に行ってしまうという
ならば ぼくも東京に
行こう
あなたにはぼくの気持ち 今になっても
打ち明けれずじまい
でもせめて同じ空を仰ぎながら 新しい生活ができたら
いいと思う なぜなら
少なくともここにい続けても
ぼくの人生は
だめになってしまうばかりだから
川原を吹き上げる熱い風が汗を滴らせるあの夏の日に、
高校生だった私は他の誰もがしているように恋をしたくて、
ある人 . . . 本文を読む
昨日の夕方から滝のような雨が続いている。
今年はカラ梅雨で田んぼに水を引けないなあ、なんて思っていたのも束の間、いったん振り出せば大雨だ。本当に、地球上すべてが極端な気候になっている。
猫家は特に水による被害が起きやすい地形に建ってるので、大雨が続くと非常警戒態勢に入る。
やれやれ、と休んでなんかいられない。遊びに出ることもままならない。
折に触れ家周りや田や畑を見回って歩く。いざとなればスコップ . . . 本文を読む
昨日は私の住む地域に伝わる「鹿躍り」の祭に行って来た。
「鹿躍り」とも「獅子躍り」とも書く。「躍り」という字は、別に誤字ではない。遥か昔からこう書き表しているようだ。
鹿躍りと言っても、岩手県にあまりなじみの無い人にはピンと来ないかもしれない。これは、岩手県南を中心に伝わる民俗芸能で、鹿の角をつけたお面を被り、太鼓を叩き、自ら囃しながら踊る。
その様は日本に伝わる他の芸能とはかなり雰囲気が異なる。 . . . 本文を読む
今日は梅を仕込んでいる。
梅干は1年を通して欠かせない食べ物だし、今梅酒を仕込んでおけば、冬の夜長にお湯割で飲める。酒飲み百姓の私は身体を温めるにも酒が欲しい。
実は昨日梅酒に使う焼酎を買いに、隣り町の土日だけ開いている安売り店に行ったのだけれど、そこでは梅の実も売られていて、それが驚くほど安かった。
一升で150円だそうだ。
これでは梅を収穫する手間よりもずっと安い。
猫家には梅の実を収穫で . . . 本文を読む
今日も雨。梅雨時の最後の仕上げをするかのように、連日降り続く。
こんな時にお茶を飲みながら我が家の汚れた天井や壁を眺めていると、猫家に来てから今日までここで出会った、いろいろな生き物たちのことが思い出されてくる。
今日は主ぬしについて話をしよう。
猫家に引っ越して以来、初めて「あっ!これは主だな。」というものに出会ったのは最初の春、囲炉裏の蓋を開けた時だった。
猫家には全部で3箇所に囲炉裏 . . . 本文を読む
もしも私があなたをおいて死んでしまうとしたら
切ないと思う
私を頼るあなたをおいて
とてもいけないと思う
苦しいと思う
愛してくれたあなただけをこの世に
残せないと思う
心はざわつく時化の海のように
大きく右へ左へ
例えそれがありえないことだとしても
決してあなたのそばを離れまいと
もしも私があなたを残して死んでしまうとしたら
涙に浸った心の中から
せめてひと粒の望みでもあなたに
. . . 本文を読む
私は以前の記事で、木や草は私たちがそばにいる時や触れる時に「情報」を伝えてくれることを書いた。
けれども実はもうひとつ、彼らが「情報」を伝えてくれる大切な時があると思っている。
それは、「食べる時」だ。
恐らく「情報」は、生きているいないを問わず、この世界に存在するすべての物の中の、分子や原子またはもっと微細なレベルのものに「付け加えられている」ものだと思う。
しかし、同じ分子に必ずしも . . . 本文を読む