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アグリコ日記

岩手の山里で自給自足的な暮らしをしています。

主のいない里

2004-10-31 07:22:40 | 暮らし
以前の記事『主、再び?』で紹介した大蛙について、先日思い出して隣りのジッちゃんに訊いてみた。 体長30cmはあると思われた(もしかしたら少し大きめに印象付けられたのかもしれない。実際は20cmくらいかも。)あの巨大ガエル、あれ以来姿を見せない。 気をつけてはいるけれど、それらしい鳴き声もついぞ聞こえない。 隣りのジッちゃん、バッちゃん曰く、 あぁ、あれな、 ここら辺じゃ「フルタ」っつんだ。 昔 . . . 本文を読む
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埋もれていく神さまたち

2004-10-30 07:53:23 | 暮らし
杉山に入って山道をおよそ300m、登るほどに道はますます急になる。 いい加減、まだかいな。 膝に手を当て歩くに弾みをつけながら、振り仰ぐと枝を通して蒼い空が透けて見える。 そうしてやっとこ登り切ったところに、「お伊勢さま」はあった。 昨日はの老人クラブの神社の掃除。 私は鎌とチェンソーを持って出かけていった。 ひとり暮らしで都合がつかず参加できないお婆さんから、代理を頼まれてのことだった . . . 本文を読む
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初霜

2004-10-29 07:21:43 | 暮らし
昨日はまだましだったが、 今朝は一面がっしりと、霜が降りておって、 野原も畑も銀色に輝いてた。 鶏も心持ち寒そうでな、 あいつらにとっちゃあ、初めての霜だもの。 日はまだ山の端から覗いていない。 雲などひとつもない。 透明な空に青と橙のグラジュエーション。 凛と、張り詰めた朝だった。 スヌーピーは勇んで駆け回るが、 こんな時には、猫だって 歩くの冷たかろう。 玄関先の寝床の箱に、 3匹も . . . 本文を読む
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歩く

2004-10-28 07:39:51 | 思い
人には人の、歩き方があってね、 早足で歩く人もいれば、 なりふり構わずバタバタ歩く人もいる。 止まったようにじっとしてる人もいれば、 のんびりと、辺りを見回してる人もいる。 でも、みんな留まるということなく歩いているんだよ。 決して前には進まない、この生を歩いてる。 今のぼくの道連れはさ、 くすんだ色の猫たちと、白い犬、 そして大勢の鶏たち。 小さいけれど草や虫たちだって、時には一緒に歩く友だち . . . 本文を読む
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大岳温泉の怪 (最終回)

2004-10-27 04:50:58 | マルちゃん
ネズゴリラは石灯籠を投げつけようとしていた。 立っているのがやっとのマル。 地面に落ちて、燃えるターシャ。 マルはこの時生涯で初めて、すべてを諦めかけていた。 自分はもう、何もできないのか! 次の瞬間、 天空からひと筋の閃光が走った。 光は掲げられた石灯籠を真っ二つに粉砕し、 ネズゴリラの肩口から入って股間より地面へと、 一直線に、貫く。 すべてが青白く、煌いた。 バシィィッ! ウギ . . . 本文を読む
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大岳温泉の怪 (第4回)

2004-10-26 07:00:00 | マルちゃん
ネズゴリラがマルをあわや鷲掴みにするその瞬間、 マルは猫のような敏捷さで空高く飛び上がった。 野生の勘である。 幼い頃から野山の動物たちと遊び戯れていたマルの直観力が、今この瞬間に鋭く働き続ける。 ネズゴリラの両腕は、空を掴んだ。 高く舞い上がったマルは、上体を反転させると同時に、渾身の力を込めて、ネズゴリラの顔面目がけて回し蹴りを叩き込む! バシイッッッ! マルの全体重をかけた回し蹴り . . . 本文を読む
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大岳温泉の怪 (第3回)

2004-10-25 04:14:30 | マルちゃん
外は既に、薄暗くなっていた。 日は西に傾き、杉の梢を通して鮮やかな夕焼けが空に映える。 秋の風が冷たく枯葉を運んでいる。 そんな穏やかな秋の夕暮れとは裏腹に、ここ大岳温泉では潜伏裏に熾烈な戦いが展開していた。 山の端から、林の下草から、潅木の茂みから音も無く忍び寄るネズロン兵。 その見えない影に対して、今マルはひとり戦いを挑んでいた。 いや、ひとりではない。ターシャという仲間とともに。 ー 右 . . . 本文を読む
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大岳温泉の怪 (第2回)

2004-10-24 08:00:00 | マルちゃん
マルは客間で、その生き物を介抱していた。 ターシャと名乗る生き物は、どうやらマルに危害を加えるつもりはないようだった。 マルの投げた石鹸に当たって、どこかを痛めたらしい。 ひとりで立っては歩けないようだ。 マルは服を着て、彼を部屋に連れて来て応急手当を始めた。 ー ボクはターシャ。南の島から連れてこられた。 彼はポツポツと話し始めた。 もちろん、彼の素性を知りたいと思っている、マルの心を読ん . . . 本文を読む
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大岳温泉の怪 (第1回)

2004-10-23 22:00:00 | マルちゃん
稲穂を駆け抜ける秋風、故郷の山。 マルは今、司令部から一週間の休みをもらって、里帰りしている。 思えば上京してから早1年。 その間昼夜の別無く、いつでも非常事態に備えて臨戦態勢にあった。 戦いのない時はもっぱらトレーニングに明け暮れる毎日。 若い身空にしては、我ながらハードな生活だと思う。 今マルは1年ぶりに、オーブの任務を忘れて、家族とともにくつろぐことができるのだった。 温かく送り出してくれ . . . 本文を読む
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自分探しの旅

2004-10-21 12:10:52 | 思い
神話や伝承で時々見かける共通した話の筋に、 英雄が森に入って、数々の苦難を乗り越え、 またはかつてなん人も解けなかった謎を見事解き明かし、 辿り着いた先には、 「鏡」 があった。 というものがある。 古今東西、具体的な登場人物やストーリーに違いはあっても、不思議とどれも似たような内容を示唆している。 その鏡とは、なんだろうか。 森の中での試練や謎とは、なんなのだろう。 そしてこの筋書きは、いったい . . . 本文を読む
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キタキツネ

2004-10-20 09:25:16 | 思い出
この頃は、日中陽が差す日でも、夕方になるとめっきり寒い。 夜ともなれば、いくらセーターを着込んだとしても、コタツか毛布にでもくるまらないと居たたまれなくなって来た。 このところ、夜から明け方にかけて、我が家の近くをキツネが通る。 キツネの声は、お話では「コーン」と鳴くように言うけれど、 実際に聞くと、「ギャーッ、ギャーッ」と聞こえる。 最初は、喧嘩で声を枯らした猫だろうか、なんて思ったものだっ . . . 本文を読む
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我慢大会

2004-10-19 06:56:31 | 暮らし
もうどこの家にも コタツやストーブが出てるというのに 相変わらず 我が家だけ 毛布にくるまって 我慢大会 もう秋も深まり 田んぼでは稲こきが始まっている 朝の寒さは指先を凍らせ 昼のから風は稲藁を飛ばし 星空の下に 寂しく犬が吠える もう そんな季節になったんだね この世界は今 太陽から ゆっくりと 離れていくみたいだよ そうだな ぼくはきっと ほんの小さな時からさ こうして 何でも我 . . . 本文を読む
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告知

2004-10-18 06:02:45 | 暮らし
秋の夕暮れは早い。 ある晴れた日、神社の杉木立の間を白い車がやって来るのが見えた。 随分ゆっくりした運転だ。私は早めに麦こきを切り上げて唐箕を納屋に仕舞おうとしていた。 「誰だろう、あの車。」 どうも見慣れない車だ。この辺りの人ではないかもしれない。 しかし中から下りて来たのは、日頃親しくしていただいている同じのあるお爺さんだった。 70を過ぎて間もない彼は、近所でも評判の米作り名人である。 . . . 本文を読む
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お玉社長殿堂入り記念宴会 会場のご案内

2004-10-17 00:00:00 | マルちゃん
まだ、お玉さんの「【予告!】ぐぅ殿堂入り記念『バーチャル宴会』」を読んでいない方は、そちらを先に読まれることを、お勧めします。 お玉社長江 今晩の宿と宴会の手配、でぎだがら、お伝えするっちゃ。 まず、会場はここ、大岳温泉 うぢがら、車で1時間の近場にあっで、交通至便。 知り合いの経営する、旅館だんべ。 安いぞ。 でも多分、今ぁガラ空きだべよ。 半年前から、客入んの、見たごどねえ。 地 . . . 本文を読む
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工房あぐりこ

2004-10-16 11:17:27 | マルちゃん
工房あぐりこ代表、猫家亜久利(通称「あぐりこ」)は、一枚の葉書を受け取った。 秋晴れの暖かい日だった。 ちょうど軒先に干し芋を吊るしていた時に、郵便配達のおっちゃんがスクーターで持って来てくれたのである。 郵便は、ここでは週に2度しか配達されない。 差出人は、「gooblog事務局」と書かれていた。 裏を返すと、 「★goo ブログ セレクション 選考結果のお知らせ  この度あなたのblogは . . . 本文を読む
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