「一億年ミネラル 一日生きもの」
生きものたちは、食べられること、死ぬことによって別な生きものの姿に生まれ変わる。生きる姿を幾つか変遷し、やがては最終的に存在の最小単位「ミネラル」にまで分解する。そのミネラルはすぐに植物に吸収されて新たな「輪廻の旅」に出ることもあれば、または土中深く埋もれ、あるいは水に流されて深海に至り、続く何千・何万年という時間をミネラルのまま、岩やマグマの形で存在し続ける . . . 本文を読む
「自給自足」
極力殺さない暮らし。田の中を歩くにも、一歩一歩足元を見ながら歩く農業を続けるうちに、僕は「自給自足」と言ったって、本当に自分で作ってるものなんて何もないんだということに気づいた。
今年蒔く稲の種籾は、確かに僕が去年育てたものだけど、でもそれ自体は遥か太古の昔から受け継がれてきた生物種の遺伝の産物だ。土を肥やし生態系を豊かにしてきたとはいっても、元々あった生態系に人為的な「破壊」 . . . 本文を読む
「殺さない暮らし」
自分で食べるものを自分で作る生活の中で、僕は野の草、山の草のような自然の状態で育った植物が人間のためにもっともいい食べものなんだと気づいた。また動物も、そんな植物の実や葉っぱを食べるから、過酷な自然の中で病気にも罹らないし健康に生きていける。
その発見はそのまま、僕の日常の作物作りに反映されていった。つまり農薬や化学肥料、化学調味料や添加物の入らない「化学物質フリー」の食 . . . 本文を読む
「作る生活」
出発点は、お金がないことだった。11年間のサラリーマン生活で貯めたお金なんて知れたものだったし、親がまとまった遺産を残してくれたわけでもない。手に技術があるとか、特別な才能や資格を持ってるわけでもなかった。ただ自分は、学生時代から親の手を借りずに生計を立ててきたものだったから、どこでもやっていけるさ、そんな漠然とした自信が、あると言えばあった。たぶんきっとなんとかなる。そうさ、今 . . . 本文を読む