近所のお婆さんが来て、マムシいらないか、と言う。
その家ではよくマムシが出る。今朝鎌で畑の草刈をしていたらまたいたとのこと。
昔はヘビでもマムシでも当たり前のように食べたそうだけれど、今ではこの界隈でもそれを食べるのは私くらいなものだ。猫家の重要なタンパク源でもある。
早速行ってみたらマムシは既に息絶えていた。
そういえば去年の今頃、やはりこのお婆さんに頂いたマムシを調理していたら、突然動き出した . . . 本文を読む
昨夜まで降り続いた雨が地面の底にまで浸透している。
大気は未だ霧のように濡れているけれど、
肌に吹き寄せる風にどこかしら乾いたものを感じる。
朝陽に面した土手から朝靄のように、蒸れた水蒸気が立ち上っている。
私はスヌーピーと猫3匹と朝の散歩。田んぼは今中干しの状態。幸いにして昨日一昨日の集中豪雨では何も被害が出なかったみたいだ。台風、大雨、大風・・・百姓はその度に気を田に畑にと飛ばされる。
ア . . . 本文を読む
ソ満国境付近より新京(満州国の首都、今の長春)まで陸路700キロの撤退作戦を開始した第107師団が、行く手を遮るソ連機甲師団との戦闘の口火を切ったのは撤退を開始して2日後、177連隊所属野沢大尉率いる第二大隊による。
当初野沢大隊は駐屯地五叉溝(ウサコウ)南方高地に布陣し、予測される敵軍の攻撃に対して陣地の死守を命じられていたが、ソ連軍はなかなか接近してこない。監視哨からの報告によればソ連軍機械 . . . 本文を読む
最近我がでムラを二つに分けて争う出来事があった。
争いと言っても喧嘩をするわけではない。ただの将来に向けた行動の選択について意見の食い違いが際立ったというだけのこと。
それは具体的に何かと言うと、
過疎・高齢化に悩む我ががやはり同じような状況にある隣りと手を取り合って、生活、農業など全般に亙っての共同体制を作ろうというものだった。まずは双方ののちょうど中間地点にセンター(従来の . . . 本文を読む
今朝は雲が広く垂れ込めて風も冷たかった。
ひと雨来るかな?と思いながら刈った草を集めていたけれど、結局ひと滴だに降らず。朝仕事が終わる頃には青空が広がり、空気は再び夏の熱を孕んで来る。
もう、しばらく雨が無い。当然のことながら梅雨入り宣言も無い。この春以来空は晴れ渡ってお日様は八方美人振りを全開で発揮している。野菜の種も発芽しないし成長も遅い。これをもしかして「旱魃」と呼ぶのだろうか。
鶏たち . . . 本文を読む
「いただきま~す!」
初夏の色濃い山里の昼下がり、体の疲れをホッと弛めながら、
今日も猫家の憩いのお昼ご飯が始まるのでした。
「これこれ! ご飯の時に喧嘩しないの!」
その時・・・
ズシンッ!!
「うわっ! なんだ!?・・・」
「隕石の墜落か、原子爆弾か・・・?」
「多分、裏の笹薮辺りに何か落ちたのよ。・・・」
「うん、いったい何だろう? 確かめないといけないね。」
「・・・ . . . 本文を読む
今日は久しぶりの雨だ。やった、休める!・・・というわけで昼間パソコンの前に坐っていると、出し抜けに玄関から「修羅場的喧騒」が聞こえて来た。なんだなんだ・・・と思って戸を開けると、なんと、他所の猫がタインと組んずほぐれつの喧嘩をしている。
狭い玄関で上を下への大騒ぎ。突然の暴風雨。絶叫と唸り声・・・
開けていた窓から侵入したのだろう。こんなことは滅多にない。いつものように土間の段ボール箱で安らかに . . . 本文を読む
鍋に牛乳を沸かしてコーヒーを入れる。甘いものが欲しい時にはそれにココアを加えて飲んだりもする。
冬の間炬燵でいただく温かいコーヒー牛乳には、ふるさとを懐かしむような居心地よさが感じられて嬉しい。
そう、今日のような雨模様の肌寒い日にも、それは喉の奥から心を温めてくれる。
さて、一杯二杯と甘いコーヒーを重ねるうちに、ふと甘くないものを飲んでみたくなった。
だから3杯目はココア無しで飲む。うん、これ . . . 本文を読む
昔、京の都の五条大橋に、夜な夜な妖しい山法師が出現しました。
「タヌキ坊弁マル」と名乗るその法師は、自分より弱い者を見つけては、何でもいいからかっぱらうのです。都の人たちはそれにたいそう腹を立てていました。
幾度かみんなで懲らしめてやろうとしたのですが、弁マルは意外と逃げ足が速くて捕まりません。どうしても最後には見失ってしまうのです。(見失ったその場所には、いつもなぜかタヌキの大きな置物が置いて . . . 本文を読む
その日は朝から雲ひとつ無い、抜けるような空だった。
軍馬に水を与えるためつるべから盥に水を移し変えていた佐藤正三郎は、その時耳奥に響く微かな唸りに顔を上げた。8月ともなれば満州では時折初秋を思わせる風が吹く。その日も早朝未だ日は昇らず、金露梅の花に朝露が玉を成す気持ちのよい朝だった。
見上げると北西の空に小さな機影が見える。やがてキーンという金属音とともに通り過ぎる刹那、飛行機は一瞬横腹を鋭く煌か . . . 本文を読む
「佐藤正三郎、行って参ります!」
菅生のバス停、菅生(かんしょう)院の門前で正三郎は敬礼する。取り巻く衆はふるさと芦沢の人々、郷里の同窓生、在郷軍人会の面々。
「おおっ! 頑張って来い!」
「体に気をつけて・・・」
「元気でな・・・」
様々な言葉が居並んだ人々の口から飛び出る。しかしそれぞれの願いを込めたそのひとつひとつの意味を正確に汲み取ることは、残念ながらその場ではできない。ただ彼の感じ . . . 本文を読む
とうとう寝坊してしまった。
明け方、とてもじゃないけど起きれなかった。夢うつつの中で有線放送のニュースが流れる。雄鶏の雄たけびが聞こえる。でもなぜか猫たちの声は聞こえない。いつもなら餌の時間が近づくとニャアニャアと軍楽隊のように鳴くのに、不思議だな。そんな思考のもつれをつかの間意識の裏で思い描きながらも私はまだ枕に齧りつき惰眠をむさぼる。もう少し。もう少しだけ・・・ついにそれでも気力を振り絞って . . . 本文を読む
昨日、最後のたくあんを糠床から出した。
去年仕込んだ樽もこれでもう空っぽ。春以来カボチャ、白菜漬け、ジャガイモと、冬の間寒さから体を守ってくれた食べ物たちが次々と無くなって行く。そして一番最後に残ったたくあん。我が家では毎年大量のたくあんをこれまた大量の塩で漬ける。でもこれに慣れてしまうと他所のたくあんが食べたくなくなるのも事実だ。がっちりと干した塩辛いたくあんは、酒の肴にもちょうどいい。それに糠 . . . 本文を読む
「ビオトープ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
最初は耳慣れない言葉だと思っていたけれど、もしかしたら今まで知らなかったのは私だけだったのかもしれない。最近この言葉に接して「何の意味だろう?」とネットで調べたら、もう学校教育やその方面ではとっくに知れ渡っている言葉らしい。最近流行の「環境アイテム」的必須ボキャブラリーのひとつのようだ。
「ビオトープ」とは、「生き物の住む空間」の意。ギリシ . . . 本文を読む
ドドンガドン ドン
ドドンガドン
ドドンガドン ドン
ドドンガドン
菜の花畑の丘の上
そこに猫家はあったとヤー
家は狭いが子だくさん
みんななかよく暮らしてた
ハァ!
ドドンガドン ドン
ドドンガドン
ある日楽しいお昼時
そこへ山からマルダヌキ
ヤァーーーーー エイッ!
ドドンガドン ドン ドドンガドン
・ . . . 本文を読む