今朝たきぎを伐っていたら、マスキーが足元にまとわりついて離れなかった。
家の周りで仕事をしていると、猫たちが擦り寄ってくることはよくある。そんな時には少しだけ手を休めて、頭や背中を撫でたりしてから放してやると、ああ、今日も忙しいんだな、と思って諦めてくれる。けれど今朝のマスキーは少し違った。
いつまでもそばを離れない。すぐそばで燃やしている火や煙も怖れない。いつもはこんな風には彼女は甘えないのに . . . 本文を読む
小鳥は、どうしてあんなにさえずるのだろうかと思った。
私は小鳥たちの名前をあまり知らない。庭で、梢で裏山ででさまざまな声で鳴いている小さな音楽家たちをこの目で見分けることができたなら、どれだけ楽しいことだろうかと思う。でも強度の近視や乱視を持つ私の目には彼らの姿はなかなか捉えられないし、まあ、それでもこうしてその声が聴こえるだけでもいいことだよな、と思いながら毎朝彼らの声で目を覚ます。
そう、楽 . . . 本文を読む
猫どもがあんまし言い寄るんでなあ
今日は仕事をやめて、あいつらにつき合うことにした。
ほんに、春真っ盛りのいい天気
こんなとき、ほてった肩にゃあ、かえって日陰の方がいい。
どぶろく出して、ぐいっっ・と空けた。
風がふわっと吹いて
酒の香りが春と一緒んなって
はらわたへ透みてく。
ジャガイモと椎茸も焼いたよ。醤油つけてな。
一匹、また一匹と
猫が足元にだらんと丸くなる。
春の風に、酔っ払っちまったか . . . 本文を読む
世の中には他から影響されやすい人、されにくい人がいる。周りの雰囲気に簡単に迎合できる人、そうでない人がいる。それはどうしてなんだろうと、ある時思った。
私自身は特定の宗教に属してるわけではないし、何かの「生き方」的な主義主張をする団体に関わっているわけでもない。でも今までの人生で不思議と熱心な「信者」たちやとても個性的な生き方をしている人たちにはさまざま出会ってきた。また若い時には幾つかの宗教の . . . 本文を読む
ーー修行の道は至上の誠実と細心の気配りが必要とされる、極めて迷いやすい道である。
人の心を意のままに動かせるということは何ものにも替えがたいしかし致命的な誘惑だ。その前には富も地位も権力もそれがどれほどのものと言えよう。例えそれらをみな手に入れたとしてもこの世で唯一掴むことのできないものそれが『人の心』である。しかし逆にそれを掌握した時には現世で手に入れられないものは無い。すべての事象は人が動か . . . 本文を読む
歴史上、多くの宗教が勃発する時代にはそれなりの要因が存在している。
日本で言えば鎌倉時代。日蓮宗や浄土宗、時宗など現代でも相応の評価を得ている幾つかの宗派もこの時代に興された。当時世は貴族社会から武家社会へとドラスティックに変遷を遂げている。新しい文化や思想は常に人の変化に呼び起こされる。激動と不安の時代の中で民衆は新しいものに救いを求め、それがニーズとなってそれまでにない新しい形での宗教を産み出 . . . 本文を読む