最近の韓国と北朝鮮の緊張や中国の台頭を目の間にして、
日本でも安全保障や戦争について語られることが多くなったように思う。
しかし、多くの日本人にとって戦争という脅威は現実のものではないのではないか。
日本の近くで韓国と北朝鮮があれだけやり合っていても、
やはりどこか対岸の火事なのであって、
まさか自分たちが武力衝突に巻き込まれることはないだろうと
そう考えているのではないだろうか。
少なくても私の周囲において、戦争を現実のものとして考えている人は皆無である。
戦争を経験したことのない者にとって、
戦争とはどこまでいっても非現実的なものなのかもしれないのだから、
そもそも日常の生活に忙しい現代人に対して、
戦争という夢物語のようなものについて考えを巡らせろという方が無理なのかもしれない。
そんなことを考えていると、
私は第1次世界大戦について想いを馳せずにはいられない。
私は文献でしか第1次世界大戦について知る由もないが、
多くの語り部たちの言葉から、私は第1次世界大戦についてこう考えることにしている。
誰にとっても戦争が非現実的なものだったからこそ、戦争は起きたのだと。
当時、誰もが戦争が起きるだなんて、あれほど拡散するだなんて思っていなかった。
だけど、世界大戦と呼ばれるほど大きな戦争になった。
経緯は↓このページがわかりやすく書いてあるので参照してほしい。
戦争はなぜ起こるか4 時刻表と第一次世界大戦(リアリズムと防衛を学ぶ)
http://d.hatena.ne.jp/zyesuta/20090910/1252570201
[前略]
一次大戦の当事者の一人であるロイド・ジョージは「我々はみな、混乱のうちに戦争に突入した」と述べています。
[中略]
直接のきっかけは暗殺事件です。セルビアを訪問したオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子が殺されました。サラエボ事件です。
[中略]
困ったのはロシアです。ロシアは色々な都合があって、セルビアがオーストリアに呑み込まれるのが不満でした。だからセルビア支持の立場でした。
そこでセルビア支持を打ち出し、オーストリアを脅しつけるため、「総動員」をかけることにしました。
[中略]
オーストリアとセルビアの戦争に対してセルビア支持を打ち出すため、ロシアは動員をかけました。訓練を受けた市民たちに対し召集をかけたのです。ですがロシアは戦争をするつもりはありませんでした。
[中略]
ところがロシアの動員をきっかけとして、事態は思わぬ方向に向かいます。
[中略]
ドイツがロシアとフランスに宣戦を布告しました。そしてドイツ軍は中立国ベルギーに侵攻し、フランスになだれ込みました。それに対してイギリスがドイツに宣戦します。
[中略]
「ロシアが動員したので、ドイツはフランスに攻め込む」では、まったく非論理的に見えます。
[中略]
一度「動員する」と決めたら変更がきかない戦争計画。この束縛がドイツを全面戦争に駆り立てます。
[中略]
ロシアが動員を開始したことで、ドイツの戦争計画にスイッチが入ってしまいます。「まずフランスを討ち、取って返してロシアを…」という時間の余裕は、ロシアが動員を終えるまでの隙を突く予定でした。
[中略]
ロシアが動員を開始したからには、その完了までに、何としてもフランスを撃破せねばならない…さもないと全ての計画が台無しです。
[中略]
フランスに恨みがあったから戦争を仕掛けたわけではありません。ただそれが軍事的に必要だ――と、そう計画に書いてあったからです。
[中略]
本来、軍事は政治の道具です。しかしこの場合は逆に、政治が軍事の道具となりました。動員がはじまって以降、軍事の論理がすべてを超越し、国家を振り回してしまったのです。
(続きはリンク先をお読みください。面白いです。)
他にも、第1次世界大戦後、ナチスが政権をとることだって当時の人々は予測していなかった。
未来から今を見たら、なんでそんな当たり前のことがわからないのかと思うようなことが
今を生きる我々にはわからないのだ。
「そんな馬鹿な」なことは起きるのだ。
歴史を振り返って見た時、ついつい我々は過去を今と比べ方を失敗する。
過去を知っている今の人々と、今を知らない過去の人々をそのまま比べても有意なものは出てこない。
今を知っている未来の人々と、未来を知らない今の人々(我々)を比べて見てほしい。
今と未来との断絶に気づくであろう。
リンク先の言葉で締めてしまおう。
多くの錯誤で出来上がった戦争計画は、一度スイッチが押されれば絶対に止まらない、大戦への急行列車と化しました。発車したなら、後は時刻表にそって行けるところまで行くだけです。
列車に乗せられて戦争に向かう兵士たちは「クリスマスまでには戦争が終わり、家に帰れるさ」と思っていました。そしてそれだけは、時刻表通りにはいかなかったのです。
日本でも安全保障や戦争について語られることが多くなったように思う。
しかし、多くの日本人にとって戦争という脅威は現実のものではないのではないか。
日本の近くで韓国と北朝鮮があれだけやり合っていても、
やはりどこか対岸の火事なのであって、
まさか自分たちが武力衝突に巻き込まれることはないだろうと
そう考えているのではないだろうか。
少なくても私の周囲において、戦争を現実のものとして考えている人は皆無である。
戦争を経験したことのない者にとって、
戦争とはどこまでいっても非現実的なものなのかもしれないのだから、
そもそも日常の生活に忙しい現代人に対して、
戦争という夢物語のようなものについて考えを巡らせろという方が無理なのかもしれない。
そんなことを考えていると、
私は第1次世界大戦について想いを馳せずにはいられない。
私は文献でしか第1次世界大戦について知る由もないが、
多くの語り部たちの言葉から、私は第1次世界大戦についてこう考えることにしている。
誰にとっても戦争が非現実的なものだったからこそ、戦争は起きたのだと。
当時、誰もが戦争が起きるだなんて、あれほど拡散するだなんて思っていなかった。
だけど、世界大戦と呼ばれるほど大きな戦争になった。
経緯は↓このページがわかりやすく書いてあるので参照してほしい。
戦争はなぜ起こるか4 時刻表と第一次世界大戦(リアリズムと防衛を学ぶ)
http://d.hatena.ne.jp/zyesuta/20090910/1252570201
[前略]
一次大戦の当事者の一人であるロイド・ジョージは「我々はみな、混乱のうちに戦争に突入した」と述べています。
[中略]
直接のきっかけは暗殺事件です。セルビアを訪問したオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子が殺されました。サラエボ事件です。
[中略]
困ったのはロシアです。ロシアは色々な都合があって、セルビアがオーストリアに呑み込まれるのが不満でした。だからセルビア支持の立場でした。
そこでセルビア支持を打ち出し、オーストリアを脅しつけるため、「総動員」をかけることにしました。
[中略]
オーストリアとセルビアの戦争に対してセルビア支持を打ち出すため、ロシアは動員をかけました。訓練を受けた市民たちに対し召集をかけたのです。ですがロシアは戦争をするつもりはありませんでした。
[中略]
ところがロシアの動員をきっかけとして、事態は思わぬ方向に向かいます。
[中略]
ドイツがロシアとフランスに宣戦を布告しました。そしてドイツ軍は中立国ベルギーに侵攻し、フランスになだれ込みました。それに対してイギリスがドイツに宣戦します。
[中略]
「ロシアが動員したので、ドイツはフランスに攻め込む」では、まったく非論理的に見えます。
[中略]
一度「動員する」と決めたら変更がきかない戦争計画。この束縛がドイツを全面戦争に駆り立てます。
[中略]
ロシアが動員を開始したことで、ドイツの戦争計画にスイッチが入ってしまいます。「まずフランスを討ち、取って返してロシアを…」という時間の余裕は、ロシアが動員を終えるまでの隙を突く予定でした。
[中略]
ロシアが動員を開始したからには、その完了までに、何としてもフランスを撃破せねばならない…さもないと全ての計画が台無しです。
[中略]
フランスに恨みがあったから戦争を仕掛けたわけではありません。ただそれが軍事的に必要だ――と、そう計画に書いてあったからです。
[中略]
本来、軍事は政治の道具です。しかしこの場合は逆に、政治が軍事の道具となりました。動員がはじまって以降、軍事の論理がすべてを超越し、国家を振り回してしまったのです。
(続きはリンク先をお読みください。面白いです。)
他にも、第1次世界大戦後、ナチスが政権をとることだって当時の人々は予測していなかった。
未来から今を見たら、なんでそんな当たり前のことがわからないのかと思うようなことが
今を生きる我々にはわからないのだ。
「そんな馬鹿な」なことは起きるのだ。
歴史を振り返って見た時、ついつい我々は過去を今と比べ方を失敗する。
過去を知っている今の人々と、今を知らない過去の人々をそのまま比べても有意なものは出てこない。
今を知っている未来の人々と、未来を知らない今の人々(我々)を比べて見てほしい。
今と未来との断絶に気づくであろう。
リンク先の言葉で締めてしまおう。
多くの錯誤で出来上がった戦争計画は、一度スイッチが押されれば絶対に止まらない、大戦への急行列車と化しました。発車したなら、後は時刻表にそって行けるところまで行くだけです。
列車に乗せられて戦争に向かう兵士たちは「クリスマスまでには戦争が終わり、家に帰れるさ」と思っていました。そしてそれだけは、時刻表通りにはいかなかったのです。