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進化する魂

フリートーク
AKB48が中心。
気の赴くままに妄想をフル活用して語ります。

就活問題に関連して電車で聞いたある女子高生の会話

2010-12-20 19:08:00 | 社会
就活問題がいろんなところで議論を呼んでいるようです。

さまざまな立場から賛否両論溢れかえっておりますが、
それに関連して印象的であった話と、その感想を少し述べたいと思います。

少し前、朝の通勤電車内で聞いた女子高生2人の会話が印象的でした。
受験談義に花を咲かせていたのですが、
彼女らは当事者として、しっかりとした問題意識を持っていたのです。

まず、彼女らは「何学部の何学科に入るのか」について議論をしていました。
それぞれの学部の特徴について語らいながらも、その評価軸は「就職」だったのです。
彼女らの興味は、就職先だけでなく、就職後の仕事内容にまで及んでいました。

次は、そんな会話から印象的だったやりとりを拾い上げました。


「結局さ、今の受験ってどこの企業にどの大学から入るってだけの違いじゃね?」

「そうそう、おかしいよね。どこに就職するかで大学を選んでいるだけじゃね?」

「本当は、やりたいこととか夢とか、そういうもので選ぶべきじゃね?」

「何のために大学入るのかおかしくね?」

「でも、現実的に生活していくために就職中心に考えるしかなくね?」

「新卒の就職ひどいしね。」

「もっとさ、日本にもベンチャーとかいっぱいできるようになると変わるんじゃね?」

「っかいってさ、結局レールにのって受験するしかないんだよね~(やってらんないね~)」


カッターのように鋭い言葉たちが、大人たちの作り出した電車内の静寂を切り裂きました。

話の内容からして彼女らは高校2年生らしいのですが、
実にリアリスティックな目で社会を見ています。
大人たちの作り上げた社会に失望しながらも、
その一方でとても冷徹な目で自分たちの無能感を認識しています。

ある人から見れば現実のよく見えた「お利口な高校生」なのかもしれません。
しかし、私は彼女らが社会人になり、親になり、
そして後進を指導する立場になる時のことを考えると背筋の凍る想いがします。

若者から希望を奪い去ることは社会にとっての損失に違いありません。
社会の潜在力を活かせないばかりか、
社会からダイナミズムを奪い、自滅への道を歩ませる要因となるからです。
彼女らが大人になり、新しい世代を再生産する時、
今私が見た現実、これが悪循環に陥る可能性は否定できないのではないか。
いや、既に大人たちの世界にも蔓延している社会病だと考えるべきなのです。

停滞や下流、下り坂の人生論はあるでしょう。
しかし、それらの人生論は、人に誇りを与えるべくして生まれるものです。
決してルサンチマンを癒すためのものではありません。

就職の問題から見えてくるこういった問題についても考えなければならないでしょう。
今、発想の転換が求められているのです。
最大の問題は、産業社会に適した哲学がないことなのかもしれません。

率直に言って、私にはどうすればよいかわかりません。
ただ、なぜか次のドラッカーの言葉たちが私の頭の中で繰り返し響くのです。


ビジネスとは、社会のニーズを事業上の機会に変換することであり、
またマネジメントとは、人の強みを生産的なものとすることである。