粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

NHKのやらせ?

2015-01-12 10:22:24 | 反原発反日メディア

自分の16日のブログNHK特集番組のことを書いたが、その内容で改めに気になったことがあった。福島の母親が自分の子供の甲状腺検査に疑問を感じていて、被曝への不安が消えない様子(動画25分辺り)が映し出されている箇所だ。

その中で、彼女の義父がこれまで生き甲斐としていた家庭菜園(原発事故後中断していた)を再開しキャベツを収穫する場面があった。義父は孫たちのためにおいしい野菜をつくって食べさせることが楽しみだった。「これおいしいよ!」

しかし、母親は放射線の検査がされていない野菜が子供たちの口に入るのを嫌がって「子供たちには食べさせない」とテレビカメラの前で打ち明ける。これまで義父が作った野菜では放射性物質が検出されていないのに。一方でカメラはそんな食卓の現実を寂しく感じる義父へ向けられる。

あまり世間には知られたくない家庭内の確執だ。もちろん、義父には申し訳ないという母親の心情は伝わってくる。義父も嫁の気持ちは理解しているかもしれない。しかし、そんな身内の葛藤を全国の視聴者に堂々と晒すことを二人とも本気で承知したのだろうか。

この家族に取材した際、NHKのスタッフは母親はともかく義父には取材目的をどう説明したのだろうか。「県の甲状腺検査の問題点について取材しています。特にお宅のお嫁さんはそれに疑問を感じていらっしゃるようです。また福島の露地の野菜にも依然として不安のようです。そこで食卓の様子も撮りたいのでお父さんもご出演願いますか」とでも話したのだろうか。

そして、義父は自分の野菜を孫たちに食べさせない嫁を意識しながらも菜園作業に勤しむ姿をカメラに見せる。その心境はいかばかりだろう。あるいは、そんな義父を嫁は取材中にどう感じているのだろうか。これがテレビの全国ネットで流れ、自分たちの家庭の影の部分が明るみになる。

おそらく、放送後は知人たちから電話が鳴り続けるのではないか。あるいは近所の人々が訪ねてきて「テレビでみましたよ」なんと大騒ぎになるのではないか。そして話が「核心部分」に当然及ぶであろう。「お嫁さん、お義父さんの野菜、お孫さんには食べさせてくれないって本当ですか」、なんて。

気まずい空気が流れる。いやそもそも放送後の義父と嫁の間の会話が気になる。そして、テレビには出演していないが、息子でもある夫はどう思うのだろうか。複雑な心境この上ないのではないか。放送後の影響ではどうしてこんな好ましくない想像しかできない。

そして、NHKの取材する側もそんな事態は十分予想できたはずだ。そういう意味でこの番組の家族のシーンは不思議いや不可解としかいいようがない。不謹慎な言い方だが、どうも番組のやらせの要素が強いのではないか。いまだに福島で被曝不安が県民を覆っている事例として、家族がNHKの制作意図のもとでそれを承知で無意識にあるいは意識的に役を演じている。母親もそして義父も。


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