朴大統領の歴史認識

訪米中の朴槿恵韓国大統領が、オバマ大統領との会談で「日本は正しい歴史認識を持たなければならない」と述べたという。こうした日本批判は米議会でも繰り返され、さらに米有力紙のインタビューや韓国系アメリカ人の集会では日本を名指しで非難している。朴大統領は、日本政府の右傾化を警戒しているよようだが、どうにもこの主張には首を傾げてしまう。おそらく、慰安婦問題や日本の閣僚の靖国神社参拝、あるいは安倍首相の侵略否定発言などが念頭にあると思うがだ、大統領の言い分は一方的で偏見があるのではないか。

慰安婦問題は、最初旧日本軍人の無責任な証言から火がついたものだ。その後本人はそれが虚言であることを白状したが、従軍慰安婦の言葉が一人歩きしてしまった。それに乗じて朝日新聞記者や社民党福島代表らが確証をとらないまま、意図的に流布させた。敢えていえば売国的暴挙に走ったといえる。結果的に、元々根強い韓国人の反日意識を燃え上がらせてしまった。

河野談話で日本政府はこの問題に曖昧な謝罪でことを納めようとした。しかし、韓国側はこれに満足せず、新たな戦後賠償を求めたため今日こんな紛糾した事態が続いている。というより悪化の一途を辿り、慰安婦を「性奴隷」と呼んで虚構の悲劇を演出さえしている。

韓国側の嫌らしいところは、人権に敏感な欧米世論に微に入り細に訴えて自分たちの同情を買おうとするやり方だ。それと同時に日本人の残虐性をひたすら強調しておとしめようとする戦術が見え隠れする。欧米の一部メディアがこれを真に受けたり、政治家の中にさえ同調す者でる始末。彼らはおそらく慰安婦の実態をよく調べないままに韓国のロビー活動にまんまと踊らされているとしか思えない。本当に日本人には苦々しい限りだ。

旧日本軍は、確かに慰安婦を管理をしていたが、決して性奴隷などといった人間性無視の管理ではない。これを運営する多くの韓国人業者が女性たちを虐待していうのが正しい。むしろ、こうした業者の横暴を日本軍が取り締まる対応をしている。

ウィキペディア（前述記事の「ベトナム戦争以降」3.5参照）で見ると、ベトナム戦争に参戦した韓国兵士はその凶暴さが目立ち制圧地で多くの女性を強姦したため多数の混血児が生まれたりしており、とても誉められた話ではない。はっきりいって韓国に日本の慰安婦を批判する資格はないと思う。

韓国が、日本閣僚の靖国参拝を非難するのも、少しお門違いの感じがする。戦中、日本人と同じように、徴兵されることはあっても、任地先は主に後方であり戦地の戦闘に駆り出されることはほとんどなかった。日本へ移住した韓国人は空襲や原爆で犠牲になったが、自発的にやってきた者が圧倒的に多い。「軍国主義の犠牲」という韓国側の主張には無理がある。戦犯が合祀されている靖国神社を軍国主義の象徴ととらえて日本閣僚の参拝を批判することはあまり整合性がないといえる。

確かに、日本の朝鮮支配は苛烈な面はある。しかし、これはヨーロッパやアメリカの植民地支配と比べて特別なわけではない。むしろ、日本は朝鮮人の教育向上に努め、産業振興に相当な投資をしていることを忘れてはいけない。日本の朝鮮統治はもっとも割に合わなかったとよくいわれるくらいだ。植民地支配を侵略とするのは致し方ないが、その意味合いは単純ではないと思う。安倍首相が後世の歴史家に委ねるべきと反論したのもわからなくはない。

朴槿恵大統領については以前先月ブログ（4月18日）書いたが、自身父親が推進した反日教育を当然のように受けている。大統領選挙で対立候補による「親日派」だという攻撃をかわすために、逆に率先して日本に対して厳しい主張を繰り返していた。その方向性は大統領になっても変わらないどころか、むしろ強まっている印象さえ受ける。

最近は日本の円安や北朝鮮問題でここへきて韓国経済の減速が顕著になってきた。それでなくとも日本以上に格差問題が深刻で国民の不満は大きい。開城団地の閉鎖による補償も暗い影を落としている。大統領就任以後成果を上げるどころか苦境が目立つ今、国民への人気取りに日本を悪者にするお決まりの外交手段が繰り返されているといえる。日本にとっては過剰な反応は禁物ではあるが、韓国為政者の言葉を額面通りに受け止めることほど、愚かなことはないと思う。