粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

麻雀牌のような駅名

2011-09-18 07:16:18 | 一般

こんなタイトルをみてピンと来る人がいるかもしれない。埼玉県旧浦和市のことだ。現在のさいたま市の一部だ。平成の大合併で浦和市、大宮市、与野市、後に岩槻市がひとつになり人口110万人を超える大都市になった。その浦和、県庁所在都市だったにもかかわらずなぜか印象が薄い。

首都圏近郊の新興都市のひとつで、昔小さな宿場町だったからだが、その浦和で日本唯一と言ってよい「珍事」が起きた。従来からのJR京浜東北線に加え武蔵野線が開通した結果なんと市内の駅名は「浦和」駅と東西南北の方位を冠して浦和の付く駅がそろう事になった。こんなケースは他にもありそうに見えるが私鉄も含めて浦和だけだと言う。

驚く事に浦和にはその後JR埼京線が開通し新たに「中浦和」駅、「武蔵浦和」駅が誕生した。ここで既存の「浦和」駅を修飾のない「白浦和」と勝手に考えると「武蔵浦和」駅を「發浦和」駅に改名すれば、なんと麻雀牌の「字一色」2個ずつ揃えば役満だ。IRの駅名命名者が大の麻雀好きなのかはわからないが、偶然にしては出来過ぎだ。

しかし考えてみれば本当はその実態は喜ぶことではないのではないか。つまり地域には歴史に名指した由緒ある地名が少なく、結局東西南北などの安直な方位を冠した駅名になってしまったということだろう。浦和は学園都市で落ち着いた風情があり、自分の住む川口と比べても人気がある。伊勢丹、パルコがある。埼玉スタジアムもある。しかし歴史がない。

あるにはある。「氷川女体神社」という神社があり、なんと古代祟神天皇時代の創建だという。以前その近くの会社に勤めていて、その露骨とも思える妖艶な言葉の響きから欲情に駆られて神社に赴いた事があった。残念ながら地方のどこにでもある普通の神社であった。しかし何か「ご利益」があるのかと思ったがそれもなさそうだ。神話に登場する須佐之男命の妻を祭っているらしい。

ただその「女体」という名称はなまなましい。そこで提案だが、神社が近くにあるJR東浦和駅を「氷川女体」駅と改名するのはどうか。首都圏のパワースポットとして新名所になるかもしれない。ひょっとしたら秋葉原につづくおたく文化のメッカに…。

追記:ちょっと脱線してしまった。同じ首都圏でも青梅線をみると、青梅と奥多摩の間に日向和田、石神前、二俣尾、軍畑、沢井、御嶽、川井、古里、鳩の巣、白丸、となんとも素朴で愛らしい駅名が続く。特に鳩の巣なんて一体どんなところなのか自然と想像されて楽しい。奥多摩の山村の駅だがその名前から昔話にでてくるようなほのぼのした山里の人情がしのばれる。


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