世界的な環境保護団体グリーンピースのホームページ(国内支部)をみて「やっぱり」と思った。ページのトップは川内原発の再稼動反対を訴えるものだった。また新着記事を眺めても原発関連が多いが、太平洋マグロの保存管理情報があるかと思えば「集団的自衛権」に反対する記事もあった。これが環境保護とどんな関係するのかと首をひねってしまう。
そして、自分が注目した中国漁船のサンゴ密猟に関する記述は一切なかった。200隻を超える中国船が大挙して小笠原諸島近海に押し寄せ、海底のサンゴを根こそぎ強奪する。世界自然遺産に登録されているかけがえのない海が隣国の強欲のために汚される。そんな傍若無人の行為にこの環境保護団体は、全く抗議しようという姿勢が見られない。中国政府がそんなに気兼ねしているのかとつい勘ぐりたくなる。
ウィキペディアによるとグリーンピースがが展開している活動はいくつかあるようだが、主に「海洋生態系問題」と「原子力問題」といえる。まず海洋生態系問題だが、その中心は捕鯨反対運動であることは間違いない。世界で290万人のサポーターを持つ国際組織であるが、どうも日本人にとっては反捕鯨団体のイメージが強い。そしてやたら日本の調査捕鯨船に接近して暴力的な妨害活動をする反日団体と見られる。
だから、もう一つの運動の柱である原子力でも反原発であって、現在ホットな話題の川内原発再稼動反対に精力を注ぐのは当然の流れといえる。さらに、沖縄辺野古に生息すると言われるジュゴンの保護も訴えている辺りは、沖縄の反基地闘争の片棒を担いでいる様子も窺える。
原発問題と絡んでいるが、グリーンピースは西側諸国の核実験には反対して過去アメリカとフランスの実験に対しては激しい抵抗をしているのだ。日本の捕鯨に対する妨害活動同様、核実験反対運動が過激であるために米国などでも「エコテロリスト」と見なされている。その反面、旧ソ連や中国、北朝鮮の核に反対する動きは極めて鈍い。
要するにグリーンピースは西側諸国の叩きやすいところに狙いを定めて反対運動を繰り広げていると言ってよい。その一番の標的が日本ともいえる。叩くことが世界にアピールされて喝采を浴び、反権力の存在価値を高める。アイスランドのあるジャーナリストは「グリーンピースは環境保護団体のような顔をしているが、実は政治的権力と金を追求する多国籍企業である」と述べている。
そんな反日団体が今回の中国船の密猟には全くといってよいほど沈黙するのは当然とも言える。本当に生存しているか確認されていない沖縄のジュゴンの保護を訴えても、遺産として天文学的とも思われる価値のある小笠原の珊瑚礁にはなんら特別関心を示さない。この団体の目は、同じ船でも辺野古の湾内を市民団体が乗り込むカヌーの方に向いている。ブイで囲んだ埋立水域に不法侵入して海上保安庁に制止される。海保もこんなことに対処する暇があったら小笠原に向いたいと思っているはずだ。
追記:この記事の1日後にグリーンピースのホームページにサンゴ密猟の新着記事が出ていた。少し自分自身早合点したことは猛省したいと思う。
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