毎日新聞によれば、震災がれきの広域受け入れで9割を確保し、残りにも目処がつき、目標とした来年3月までに達成される見込みだという。当初の推定と比較して実際の量が大幅に減少したとはいえ、岩手、宮城の焼却場増設までのつなぎとして、震災がれきの処理スピードアップに広域処理は充分貢献したことは事実である。
特に、同じ東北の青森、秋田、山形の隣県がいち早く受け入れに応じたことは大きい。やはり、同じ東北の仲間だという連帯意識が健在だったのだろう。そして震災で被害を受けた関東さらに北陸4県も概ね受け入れを実施した。また静岡、大阪、福岡といった震災の直接の影響がなかった府県もこれに応じてさらに動きが広がった。
ただブログでも度々記事にしているように、この広域処理に反対する「市民」の反対行動は異常というほかなかった。放射能汚染を忌避する市民の感情は理解できるとしても、その抗議は理不尽な妨害活動といってよく震災復興への汚点を残してしまった。しかしこれも市民レベルだから、ある面想定できなくもなかったが、公の首長が執拗とも思える異議を申し立てたのは驚きだった。それも新潟県知事という立場で、県内の受け入れを表明した都市に口(それも暴言といってよい)を挟むという異常事態だ。特別理由といってもとても理由といえるものではない。「政府の受け入れ基準が曖昧」というわかったようなわからないような言い逃れにしか思えない。今後の震災復興を検証する上でこの知事の言動は看過できないものだ。
ともかく、震災がれきの処理で県内外を含めて、宮城、岩手で目処がたったことは良かったと思う。広域処理に反対する人々は震災地の雇用創出を阻害するなどと主張しているが、地元住民はこうしたがれき処理の仕事を本来の雇用とは思っていないはずだ。
がれきが消えても被災地の復興はこれからが本番だ。高台への集団移住もなかなか進んでいない。港湾施設の復興もまだまだ充分ではなく、住民の流失が依然続いている。同じがれきでも福島では旧警戒区域のものが難航している。仮置き場の確保さえまだ半分にとどまっているのが現状だ。震災からもうじき2年、厳しい現実を改めて見せつけられる。
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