心ある?島田市民(静岡県)にとっては、本当に有難迷惑な珍客だろう。武田邦彦特別授業「一問一答」4月23日(月)。まさに北朝鮮のロケットといい勝負かも知れない。まさか迎撃ミサイル(PAC3)で撃ち落とすわけにもいかないし…。あるいは、巨大電飾で有名な演歌の女王の旦那みたいな存在か。かき回すだけ?
「特別授業」を企画しているのは「安心して暮らせる島田をつくる市民の会」だ。分かったような分からないような名前。昔アイドルの熱狂的ファンが勝手につくった「○○ちゃんの貞節を守る会」みたいなんていったら失礼か。
それはともかくこの授業が、いうまでもなく島田市で既に実施している広域ガレキ処理(岩手県山田町のガレキ)に反対する集会であることは間違いない。主催者とおぼしき人物のブログをみると、プロフィールに「ankurashimada」とある。いうまでもなく「安心して暮らせる」からきている。眼鏡をかけたおばさん風のイラストだが、この会の趣旨を読めば、「疑問」というより「反対」の意思が明白である。
ご丁寧にも島田市の処分場周辺土壌の放射性セシウム濃度の調査結果(別ページ)が表記されている。これは、島田市が広域ガレキ処理を行なう以前の数値で、不検出も含めて微量で「汚れていない」ことを主張したいものと考えられる。
これを調査したのは自分のブログに度々登場する「放射能防御プロジェクト」だ。このグループは以前、ガレキ処理反対の抗議活動で島田市役所へ押し掛けた団体だ。その様子は自分のブログ(2月16日)でも紹介した。
この団体の主宰者である木下黄太氏は、ブログで「現在調査中ですが、島田市内で、土壌汚染はセシウム合算で20Bq/kgを超える場所はほとんどありません。こういうところで、放射能ガレキを大量焼却する人体実験をおこなうことは、全世界初めてのことです。」と主張している。これに対して自分はブログで「『調査中』というのではおぼつかない」と疑問を投げかけた。
再び今回の「ankurashimada」さんのブログで土壌調査結果を見てみる。木下氏が「20Bq/kgを超える場所はほとんどありません」と期待するわりには、「けっこう」20Bq/kgを超えている場所があるのだ。たとえば「島田市東川根」の庭土はセシウム合算で61.19Bg/kgもある。この数字は島田市がガレキを焼却した灰の濃度が64Bg/kgだったのとほとんど変わらない。これは焼却灰が、表に明示されている東川根の土壌と同じ位「汚染されていない」ことを証明しているといえる。もちろん焼却灰は密封して土で埋めるのだから安心そのものではないか。これが木下氏のいう「人体実験」の実態だ。トマトダイエットみたいなもの?
武田教授の授業案内では彼の写真の左側にある赤い「安心」の文字が妙に目を引く。おそらく教授は広域ガレキ処理の「不安」を大いに語り、彼に心酔している聴衆はそれを聞いて逆に「安心」することだろう。変な話だ。
またつまらない計算をしてしまう。この授業の会場の収容人員は180人、参加費1,500円とすると27万円の売上げだ。会場使用料15,500円を引いて254,500円だ。彼のギャラはどんなものだろう。反原発バブル!?
見た目は威勢のいい話をする武田氏だが、できればこれまた行動力溢れる桜井島田市長と対面する機会をつくって欲しい。きっと白熱するに違いない。でももしかして武田教授、敵前逃亡なんてこともありかな?などと思ったりする。
お詫び:ankurashimadaさんのブログで、該当のページと一時期一致せずご迷惑をおかけしました。
本文中の ”もちろん焼却灰は密封して土で埋めるのだから安心そのものではないか。” について.
その最終処分場の動画を見ていただければと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=RFezsYgYdk0&feature=player_embedded
本来作られるべきではない傾斜地にあり、飛灰は密封されるわけではなく上から簡単に土を被せられているだけです。
雨が降ったらこんな状態です。
そして、300Bq/kg 検出と大井川にダダ漏れ状態です。