これまで色々な人を見てきたが、こんなに酷いと思った政治家は初めてかもしれない。いやしくも230万県民を代表する首長がこの有様なのか。いや、敢えて言えばこの知事は人間としての資質にさえ疑問に思ってしまう。
岩手県の震災がれきの広域処理を受け入れた新潟県内の柏崎市、三条市の試みを泉田裕彦知事は「健康被害を受ける人が出ると傷害。それによって亡くなれば傷害致死と言いたいが、分かっていてやったら殺人に近い」と強い表現で批判した。
正直言ってこの知事、本当に「頭が悪い」と思う。柏崎、三条両市の試験焼却で分かる通り、日常ゴミによる焼却灰のセシウム濃度は20~80ベクレル/キロに対して試験焼却による灰の濃度が34ベクレルと24ベクレルで全く日常ゴミと変化がない。
それがどうして「犯罪行為」になるのか、泉田知事の「頭の構造」が理解出来ない。京都大学で何を勉強したのか。いやこれは算数のレベルかもしれない。焼却灰100ベクレル/キロ以下はあの武田邦彦中部大学教授さえも指摘するように日常的に扱ってなんら問題のないレベルと言っているのだ。
それなのに県内の日常ゴミが良くて被災地のものを含んでいるものが駄目というのは全く理屈に合わない。はっきり言ってこれは被災地差別だと思う。「こんな焼却灰を埋めるなんて被災地では日常的に犯罪行為が行われている」と言っているようなものだ。失礼きわまりない話だ。
さらに既に1年以上広域処理を実施している東京都に「喧嘩」を売っていることになる。泉田知事が陳情にどんな顔で上京するのだろうか。石原慎太郎日本維新の会代表(前東京都知事)に出くわさないようにした方がいいだろう。「黙れ」といわれかねない。
考えて見れば泉田知事の基準では新潟の日常のゴミも危険で焼却灰を埋めるのは「殺人行為に近い」と言っているようなものだ。230万人新潟県民はどう思うだろうか。少なくとも知事の側近は、呆然としているのではないか。殿ご乱心。江戸時代、無軌道な主君からお家を存続させるために家臣たちが「押し込め」という手段を用いた。主君を座敷牢に閉じ込める、いわばクーデターだ。そんな強硬手段も今必要なのかと思ってしまうのだが。
私が新潟県民ならば、恥ずかしくて情けなくて申し訳なくて、たまらないと思います。