eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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発電機の交流耐圧試験時は通常の150mA耐圧トランスではリアクトルを並列追加するパート4。

2022年12月20日 | eつれづれ

実際に回路に流れる耐圧試験の電流ルート。

ポイント1:リアクトル無しの場合に流れる二次側充電電流値は276mA。

ポイント2:リアクトルより遅れ電流出力は200mA(出力例200mA仕様)でリアクトルは能動素子なので、ここで10,350V印加すれば200mA流れる様に製作している。

ポイント3:耐圧トランス容量150mA(10,350V印加時)に流れる電流は273mA-200mA=74mA(実測値)となり負担150mA以下となり焼損しない一次側励磁電流となる。(一次側励磁電流=コンセント電源電流)、耐圧トランス出力例150mA→コンセント電源電流MAX15A.30分定格)

過負荷定格150mAを遵守しないと10分間印加でも巻線コイル細いので直ぐ耐圧トランスはパーとなるのでリアクトルを入れて電流低減をはかる。

(発電機、Ic(対地静電容量成分電流)をリアクトルの遅れ電流200mA例で相殺する)

ポイント4:リアクトル台数を増やせば、より多くの二次側充電電流に対応出来る。

ポイント5:耐圧試験試験器に付いている電流計等は、この様な回路に入り結線なっている。

ポイント6:発電機交流耐圧試験例としたが発電機の静電容量μFは高圧ケーブルと違い大きい、しかも巻線内部で結線されているので三相一括しか出来なく

高圧ケーブルの様に分割した耐圧試験は出来ない。高圧発電機例では、先ず静電容量μFから二次側充電電流mAを確認、そしてリアクトル容量、台数等も確認する。

ポイント7:その他...まだまだあるがキリが無いので、この辺で今日はEND。

  

 

 

 


発電機の交流耐圧試験時は通常の150mA耐圧トランスではリアクトルを並列追加するパート3。

2022年12月20日 | eつれづれ

Igr(対地抵抗分電流)の絶縁抵抗値を1MΩとして入力してみる。大地へ漏れる電流は10.35mAとなりtanδ値は3.74となる。

一旦、絶縁抵抗値が下がると、急激に発熱を伴い0MΩとなるので直ぐ地絡継電器整定0.1Aに検出されて動作するだろう。

降雨時の湿気影響もあるが最低6MΩは確保すべきだが、本エクセル結果は対地電圧6600/√3=3810Vでは無く10,350Vの結果である。

足)実際の発電機交流耐圧試験時は発電機端子と高圧ケーブルCVT38 ×推定8mもあり、この高圧ケーブル端末より三相一括で実施した。よって二次側充電電流は発電機+高圧ケーブルが加算されている。

以上、この程度を頭に入れて交流耐圧試験をやればベター...試験そのもの等は工事やでも出来るので、ノーガキ語れるレベルまで習得する。

   

 

 

 


発電機の交流耐圧試験時は通常の150mA耐圧トランスではリアクトルを並列追加するパート2。

2022年12月20日 | eつれづれ

このメーカー静電容量の概数を元に実際に試験時に流れた先のデータを元にμF値が近傍なのが計算して見る。

200mAリアクトル無しでは276mAの二次側充電電流値なので、発電機静電容量0.071μFメーカー概数を入力してみる。

 

この時のmA値は230.9mAとなる。

実際に流れたmA値は276mAなので、概数の静電容量μFより大きい事が判る。これは概数なのでメーカーによっても種々異なる。

それでは、幾らの静電容量μF値にすれば275mA近傍となるのかμF値を変化させてみる。

静電容量0.071μF→0.850μFとすると二次側充電電流は一致した。

こま静電容量の差は0.850-0.071=0.14μFとなる。

誤差等もあるので概数は、合っている事が判る。

絶縁抵抗値の入力は1,000MΩとしたが、余程低下した数値を入力しない限り計算値には影響ない。

ただ低下した場合、漏れ電流が大きくなり二次側充電電流も大きくなる。

静電容量μFはその発電機の固有数値で、特に大きく変化してくるのがコイル絶縁抵抗値となる。

耐圧試験で絶縁抵抗値が低いと二次側充電電流大で比例して一次側励磁電流も大となり、試験不能に陥ることになるので理解してやる事だ。

10,350V印加なので影響は大きくなりtanδ値も大きくなる。

 

 

 


発電機の交流耐圧試験時は通常の150mA耐圧トランスではリアクトルを並列追加するパート1。

2022年12月20日 | eつれづれ

系統連系6kV.500kW出力の発電機の竣工、交流耐圧試験。

交流耐圧試験記録で耐圧トランス150mA+リアクトル200mA並列にて10,350V.10分間印加。

二次側充電電流74mA、一次側励磁電流7.5Aが流れた。

 

リアクトル電流ロスを無しとして一次側励磁電流7.5Aでは二次側充電電流275mAとなる。

計算上は150mA+200mA=350 mA→350mA-74mA=276 mAよって、ほぼ一致する。

この交流耐圧試験でのリアクトル損失(ロス)は無い(角度θの数値を変化させれば当然、ロスは出てくる)。