心の免疫力~書とことばから

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求めて~ by 沙於里

書展レポート~沙音・佐藤文子書作展

2011-10-27 | 書展・展覧会情報

               「龍虎」         「大道無門」                                                         「自由」        「李白詩 早発白帝城」 

 

さてさて、お待たせ致しました 

今月30日まで開催中の「沙音・佐藤文子書作展」のレポートをば。

 

会場は鎌倉 円覚寺。JR横須賀線の北鎌倉駅を降りると目の前の階段を上り

総門で拝観料の300円を納めて、正面の山門へ。

 

 

そのまま左方面に進み2分程行くと、右手に如意庵の文字が見えてきて、

緩やかな階段を登ったところに、静かな空間があり。

 

 この如意庵、普段は公開されていないそう。

ご本尊は、素朴で童子のような微笑を称え、天上画の真っ青で若々しい龍は、

今にも降りてきそうな臨場感が溢れていて。

 

その真下に対峙していたのが、最初の画像の「龍虎」。

迫力のある粘った線、生き生きとした表情は、まさに龍虎のごとく。

「大道無門」は案内はがきのそれよりも、やはり実物は更に味わい深く。

「自由」の前では、どうしたらこういう造形になるのやらと、しばし眺め。

「李白の詩」は、大らかな揺らぎの中にも気脈を感じ 

 

そして、文人画も描かれるそうで、水墨画のようなこんな作品も。

 

 

 

         右上:「禽來山果香」

 

ブログをまとめられたファイルを拝見していたら、沙音さんが

「あら、ブログを見てくれた人は初めてよ、うれしいわ」とお声をかけて下さり 

 

沙音さんは徳島県のご出身、還暦を過ぎて尚、更なる飛躍へ勝負をかけて今年の1月、

鎌倉に引越してこられたそうです。

 

木村知石に師事、ほどなくして独立され、以来一人で己に厳しく精進してこられたと。

二十歳の頃、書は五十歳でようやく芽が出るかどうかってもの、

だったらそれまでは、がむしゃらに勉強をしようと心に決めて、衣食住は五流で済ませ、

書や美術といった知識欲だけは一流のものだけを求めてきた、と。

 

そんな潔い覚悟を、サバサバっとした口調で語り、

昭和には文化があったけれど、平成にはそれはない、とか

現代の書家や書道会についても、気持ちいいくらいに一刀両断 

 

 「誰の書が一番お好きなんですか?」

 「もちろん!王義之よ」

 

 「書は見ることも大事、とにかく毎日眺めること。」

会津八一にも惚れこんだ時期があり、30分見ていたら会津八一の書になるくらいだった、と。

 

会場で待ち合わせた桃太郎さんと、書TENでご一緒させて頂いている中谷氏、越智氏、

伊地知氏と、桃太郎さん、沙音さんのご友人の川崎さんの6人で、焼き鳥屋さんへ。

 

そこでも沙音さんの思いがもう溢れ出て、スパスパッと熱く激しく語られて 

 

 

如意庵の3つのある畳の部屋には、満を持してといった存在感のある作品が30点程。

 「でも・・文字が書かれている襖をバックに作品・・っていうのは・・」と、図々しくもお伺いしたら

 「うん、そうなんだけどね、狭いしお寺だからしかたないのよ」と 

 

正直、ちょっともったいない気もしていたんだけど、沙音さんのその「キッパリ」を

聞いたら、そんなことに気を取られていたことが、ちょっと恥かしくも思えたのでして 

 

でもそんな沙音さんの、清々しいまでの思い切りのよさに、

その後もお構いなしであれこれ質問をば。 ポンポンと弾む会話は心地よく 

 

 「普段、誰とも話さない日もあるからね、溜まっていたみたい。

  でも、今日はちょっとお酒も手伝って、喋りすぎたわね~  」と、沙音さん。

 

来年はニューヨークで、を次なる目標に、心は既に彼方のようでした。

 

 

そうそう、沙音さんのブログに面白いお話が。

お時間あったら是非→201031

 

 

今回の個展作品の数々も、沙音さんのブログでもご覧になれます→木鶏 

 

久々に、「会話」が美味しいひと時でした。

沙音さんは会期中、会場にいらっしゃるそうなので、お時間ありましたら是非 

会場等のご案内は→こちらから

 

 

 

コメント (6)
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