夏休みも10日ほどを過ぎましたね。
「あと○日夏休みがある…!」なんて弱気に逆算しているのは私だけでしょうか(笑)
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さて
1年間を通した学級経営について。
1年間という長い時間がの中で,数十人という多くの子どもたちがいて,そのクラスが歩んでいく中では様々な出来事が起きます。
子どもたちの立派な姿があれば担任の先生は喜びます。
「よくやったぞ!」「えらいね!」「成長したね!」
子どもたちの情けない姿があれば担任の先生は叱ります。
「しっかりしなさい!」「何年生だと思ってるんだ!」
そういったことを何度も繰り返しながら学級経営はなされていくわけですが。
それにのぞんでいく担任の先生のスタンスとして大事にしたいこと。
学級経営は年間を通したドラマを想像し,演出する!
ということです。
4月がスタートで,3月がゴールのドラマです。
子どもたちは,まだまだ未熟なドラマの出演者です。
1年間の登場場面すべてで100%の完璧な姿を出せるはずはない。
悪い時もあり,それがあるからこそ,いい時が輝く。
クラス全体もそうです。
このドラマを演出する先生としては,そのことを認識した上で,どんなドラマをつくっていこうか,いつも想像しておきたいですね。
基本的にドラマというものは
「始めが悪くて,あとからよくなるもの。だから感動的になる。」
起承転結。
学級の1年でいえば,
1学期…トラブル続き。子どもの未熟さが明らかになる。よく叱られる。
2学期…大きな行事をたくさん経験し,泣いたり,笑ったり,精一杯の汗をかきながら,成長していく。
3学期…少し落ち着きだし,前はできなかったことができるようになり,うれしい姿がたくさん見られる。誉められる。クラスがまとまる。
という感じでしょうか。
この大枠の中で,担任の先生は学級の子どもたちの特徴を踏まえて,
「1学期はどんなトラブルが起きやすいだろうか」
「3学期はどんな言葉でこのクラスを誉めてあげたいかな」
などと想像します。
こんなスタンスで学級経営にのぞむと,例えば1学期におきる細々としたトラブルにも,担任は目くじらを立ててストレスフルになることがなくなります。
(想定内だな)くらいの感じでしょうか(笑)
そして「このトラブルを起こしている子が,3月には・・・・な姿になっていてほしい。そのためには,年間をかけてどんな指導をしていくべきか・・・」
と,長期的な戦略を立てることができます。
また,クラスの子たち全員を主役とし,ドラマの中でのそれぞれの子の役割を与え,クラス全体をすてきな形につくっていくことができます。
そういう長いスパンで,広い視野で学級経営にのぞめる先生は,ゆとりをもって子どもたちに接することができるし,緩急をつけた指導をできるし,クラスの山場を知ってる先生になれますね。
私も若いうちは4月から「ギャーギャー」と猛ダッシュでした(笑)
やはりなんでも経験が必要でしょうか。
当時の学年主任がとても魅力的な方で、毎夜、この日あった出来事を聞いてもらい、自分の指導を評価してもらいました。
主任の話す理想の学級論、子供のリーダーをどう育てるか論、そして「斎藤喜博はね~、こう言っているのよ!!」と語る教育理論、とても新鮮でした。
今でも覚えているのは、「学級づくりは骨折の治療だと思いなさい。」というお話です。
1学期はね、新しいメンバーが揃うわけでしょ。クラスのルールを子供と共に確立させたり、先生の理想を語りなさい。その実現にむけて骨折した腕を石膏で固めたと思いなさい。こうしなければならないと、形を理解させるのよ。
2学期はね、その石膏をちょっとずつ取っていくの。もう、傷は治ったかな、腕は自由に動かせるかなって試しながら。
3学期になったらね、石膏をとって、自由に運動しなさ~いって、子どもたちに任せるの。3学期になってまで、ああせいこうせい、あれはダメこれはダメなんて言ってるようじゃダメよ。
今、自分がそういう年齢になって、そういう大切なことを若い人に伝えているかな~って考えちゃいます。