小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

教育課程編成で校長からチクリ

2014-11-25 20:44:27 | 教師力UPの攻略法
来年度の教育課程編成の作業がスタートしました。
これは教務主任である私の、一番といっていいくらいの大きな役目です。
気合いを入れてのぞんでいます。
ぜひいい教育課程を作りたいと思います。
ぜひ、いい教育課程編成作業にしていきたいと思います。
実は、本校は、というより本校が所属する地域は、来年度に向けた大きな検討課題がありまして、そのために編成作業にも大きな労力をかける必要が出てきました。
だから、私としては、各作業を分担する先生たちが、少しでも作業が進めやすくなるように、できるだけの情報を与えたり、環境を整えたりしていく役目を果たしたいと思っています。
先を見通した計画的な仕事をしていくのはもちろんですが、今年は例年のそれに加えて、さらにもう一、二工夫が必要になってきます。
教育課程編成に向けた一発目の提案はうまくいきました。
ここでは、基本方針と、作業のためのアウトラインを示す場でした。
これはスムーズに共通理解が図れたので、とりあえず一安心。
そして、次回が二発目です。
ここが重要です。
ここでは、いよいよ一発目の提案を受けて、今後の作業計画の具体案を示す場です。
抱えている大きな検討課題をうまく処理していくために、私はできるかぎりの計画を立てました。
教務主任としての提案を盛り込みました。
先生たちにとって分かりやすく、やりやすいものになるように。
10ページ以上に渡る資料ができ、まずは校長へ。
事前の伺いを立てました。
「…としてはどうかと思います。いかがでしょうか」
私の一通りの説明のあと、校長先生。
「よくできてるな~ さすが先生。先を見通している」
この言葉にホッしました。
(よし、今回もこれでいける)
そう思いました。
が、そこから校長が言葉を続けました。
「でもな、ちょっとやりすぎかもな」
「やりすぎ?」
「うん、先生の思いも、アイディアも分かるんだけど、ちょっと先走りすぎだな」
「はぁ」
「今回の件については、先生たちにも個々にいろんな思いとアイディアがきっとあるだろう」
「…」
「教務主任からのバシッとした提案と計画が示されると、仕事はしやすくなるものだけど、それがすべてというわけではないよ」
「…」
「今回の件みたいなものに関しては特にそうだな。あまり最初からレールを敷きすぎず、最初はオープンな感じでいくほうがいい。」
「…なるほど」
「まずは、先生方なにかいいアイディアはありませんか~?ぐらいの感じで始めてはどうかな」
「そうですね」
「そして先生たちのアイディアや思いがいろいろと集まってきたら、今度は教務主任がそれらを集約していく、そのほうがよかろう」
「うんうん」
「そのほうが、先生たちにとっても、教務主任が先生たちの思いを大事にしてくれているという印象が伝わるし、教育課程編成に対して主体的になれるはず」
「まったくです」
校長の指摘を受けて、冷静になれました。
私は、私が大事な部分はすべてやり遂げなくてはいけないと思い込んでいました。
今回の検討課題に対する本校なりの答えは、私が出すべきだと。
しかし、それは独りよがりだったということ、気付きました。
私より経験もアイディアも豊富な先生がきっといるはずです。
そんな先生たちを教育課程編成に生かすことことそが、本当の私の役目なんだと。
校長室を出て、すぐに資料を訂正しました。
多かったページ数は少なくなり、ぎっちりと埋め尽くされた行間は余白が大きくなりました。
また一つ、この立場について学ぶことができました。


私、不審者になりました

2014-11-18 21:41:04 | 教師力UPの攻略法
毎年恒例の不審者対応の訓練。
今年は担当職員と地元の警察とで打ち合わせをする中で、
「子どもが心理的なショックを受けるといけないので」
という警察側の配慮から、
「今回は不審者役を警察ではなく、学校職員から」
ということになりました。
ここでいう不審者役とは、
1.ある学級に侵入する
2.その学級の子どもたちを脅かす
3.子どもたちが避難したあと、駆けつけた職員らに取り押さえられる
という役のことです。
さて、これをする学校職員とは…
担任でなくて…
男性で…
元気があって…
「じゃあ、先生、お願いします。」
…私がお願いされてしまいました。
「了解です」
引き受けはしたものの、もちろん初めての経験で、動揺は隠せませんでした。笑
(どんな風にやればいいんだ…)
担当の先生や先輩先生たちに相談してみると、
「正体が分からないようにやったほうがいいよ」
という人もあれば
「正体が分かってたほうがいいよ」
という人もあって、なおさら分からなくなりました。笑
思いきり暴れまわって、子どもたちが本当に怖がってしまってはいけないし、かといって軽く振る舞って、子どもたちが真剣に訓練に臨まなくなってしまってもいけないし。
相当悩みました。
今まで、悩んだことのないジャンルの悩みで、かなり頭がそれでいっぱいになりました。
そして本番。
準備した
帽子
サングラス
マスク
黒いジャンパー
を装着すると、それなりに悪い奴に見えるようになりました。
そんな怖い格好をしながらも、サングラスの奥では完全に目が泳いでいましたが。笑
(よしっ)
心を決めて、その教室へ。
事前に警察から指示された「不審な言動」をとりました。
そのクラスの子たちは不審者の登場に、訓練と知っているとはいえ、騒然としながら、担任の先生の指示通りに、不審者から遠ざかるように動きました。
私も必死だったので、はっきりとは覚えていませんが
「キャー」
なんて叫び声が上がっていたように思います。
私も、自分でも驚くほどに、結構ハマって不審者役を演じました。
そうこうしていると、子どもたちは教室から運動場へと全員避難してしまい、現場にはさすまたなどをもった男性職員がかけつけてきました。
担任の先生が押した非常ベルが職員室に届き、校内放送が流れたのです。
訓練は計画通り進みました。
そこで、不審者はまんまと駆けつけた男性職員に取り押さえられ、一件落着。
見守っていた警察の方の
「はいOKでーす」
の合図で終了。
私の初の不審者役は、こうして終わりました。
不審者として行動したのはほんの数分でしたが、すっかり疲れました。
もうその日はそれ以降ヘトヘトで何もできないほどでした。笑

その日以降、子どもたちに話しています。
「不審者になってみて、初めて不審者の気持ちが分かった」
「犯罪を犯すときの心の苦しさ、人が自分から逃げていくときのさびしさ、捕まったときの情けなさ」
なんて。
とても大変な経験でしたが、経験した者にしかできない話だと思い、これはこれでまたひとつキャリアを積ませてもらったということですね。

いや~
それにしても辛かった。
もうやらなくていいです。笑


養護学校での研修 掃除時間に目からウロコ

2014-11-12 23:13:35 | 学級生活の攻略法
他校種参観研修における養護学校での一日体験。
自分が普段いる小学校との様々な違いを感じながら、時間は掃除時間になりました。

(子どもたちはどの程度掃除ができるのだろうか)
私はそう思っていました。
掃除時間といっても、ほとんどは先生たちによる掃除時間なのではないかと。

掃除が始まるとき、ふと床を見渡すと、何やらさっきまではなかったものが散らばっています。
よくみると、新聞紙の切れはしでした。
10㎝くらいに切られた新聞紙がくしゃくしゃになって床中に散らばっています。
(?)
しかも、よくよく見てみると…
濡れていました。
(??)
もしかしてと思い、私の入ったクラスを出て、他の教室を見に行くと、やはり同じでした。
どのクラスにも、廊下にも、新聞クズが散らばっていました。

…と、ここまで読んで、知ってる方は、この新聞の意味がお分かりだと思います。
が、何も知らない私は、困惑しながら掃除を始めました。
早く
「これ何ですか?」
を質問したかったのですが、安易に先生に答えを聞くより、自分で考えてみようと思いました。
これからきれいにしたい床を、なんでわざわざ散らからせるんだろう。
掃除が始まり、子どもたちはというと、当然、その散らばった新聞紙をホウキで集めだしました。
(大変だね… あ)
ここで分かりました。
新聞クズの意味が。
なるほど。
子どもたちからすれば、この新聞クズをなくしてしまえばいいわけですね。
掃除が分かりやすくなるわけですね。
新聞クズを集めるために動かしたほうきで、自然と床のほこりも集められるでしょう。
あ、濡らしてたのはほこりを吸い付けるためかな。
先生たちからすれば、これが目印になるわけですね。
掃除の進み具合の。

特別な支援ですね。
いわゆる。
言葉で掃除を言い聞かせることが難しいなら、こんな方法があるんですね。
先生に尋ねてみると
ピンポーン
正解でした。
養護学校ではよくされていることだそうですが、
「小学校でもしているところを見たことはありますよ」
「え」
なにも知らず今回が初めて見る光景だった私は少しびっくりしましたが、確かに小学校でやってもいいものだと思いました。
もちろん、先生たちは掃除時間前に一苦労必要になります。
でも、その苦労に報いる効果が十分にあるように私にも見えました。
養護学校にいる子たちだけへの特別な支援にとどめておくことはないですね。
その支援は、ときとして小学校の子たちへも効果的な支援になるんだということ。
今回の掃除のみならず、もっと広い視野で探してみると、結構たくさん見つかるのかもしれませんね。

うちの学校にも、掃除時間に遊んで叱られている子たちはたーくさんいるので、提案してみようなかな。



養護学校での研修… トイレに行く間がない!!

2014-11-09 17:38:27 | 教師力UPの攻略法
今年は経験年数による悉皆研修の年で、1年を通していろんなところでいろんな研修をさせてもらっています。
こないだは、他校種参観研修ということで、養護学校におじゃましてきました。
養護学校の小学部のあるクラスに入り、そこの担任の先生のもと、子どもたちと丸一日いっしょに過ごすという機会でした。
私はかわいらしい子どもたちが3人のあるクラスに入り、担任の先生の指示を受けて、特にその中の1人の子をみる役目をもらいました。
もちろん、その子も障害をもっていて、なかなかうまく生活が進まなかったり、学習に支障をきたしたりする場面がありましたが、その子なりのペースで明るく学校生活を送っていました。
私は学校では教務主任をしていて、こうしてたった一人の子をそばでずっと、じっと見ているという機会は普段ではあり得ないことで、それだけでもとても新鮮な感じがしました。
その子が困っているときに手助けをしたり、集中力がとぎれたときに声をかけたり、ふざけてしまうときには注意をしたり。
とてもかわいらしい子で、あっという間に私はその子に親しみを感じれるようになりました。
一日の活動が進むうち、小学校との違いにもいろいろと気づきながら、時間は刻々と過ぎていきました。
そして、お昼も近くなった頃だったでしょうか。
私は、ふと思いました。
(…これ、おれはいつトイレに行けるの?)
朝から一回もトイレに行っていないことに気付いたんです。
さすがに、行きたくなってきました。
が、
…行けません。
その子のそばを離れるわけにいかないのです。
(これは困ったぞ)
担任の先生に、
「トイレに行ってきていいですか」
と聞くのを躊躇しました。
養護学校では、先生たちはどうやって自分のトイレを済ませているのだろう?
目を話すと危険もある子たちがいっぱいいるなかで、ほんの数分でも離れるのは危ない状況だし…
きっと、担任の先生も我慢しているはず。
なのに私が、研修でがんばらないといけない立場の私が、トイレに行くなんて…
しかし、こればっかりは我慢の限界です。
情けないですが、尋ねました。
「…先生、トイレに行かせていただいてもよろしいでしょうか」
すると、担任の先生は笑いながら
「あら、先生、まだ行ってなかったんですね。ごめんごめん。どうぞどうぞ、私がこの子は見ておくから、行ってきてください。」
は~
助かりました。
さっと済ませて戻ると、先生が教えてくれました。
「トイレに行くひまがないでしょう」
「まったくですね。」
「小学校も忙しいでしょうけど、トイレぐらいはできるのかな」
「できます」
「私ね、養護学校に勤めるようになってすぐに、膀胱炎やっちゃったの」
「膀胱炎!?本当ですか!?…まさか、トイレに行けなくて?」
「そう。だってえ、本当に、全然トイレに行けなかったんだもん」
「うわ~」
「でもさすがに何とかしないとってことで、それからは周りの先生たちと連携をとりながら、お互いタイミングをずらして行くようにしたの」
「なるほど」
「何時にいくって決めてないと、本当に行きそびれるのよ。養護学校の先生は、きっとそうやってトイレに行っている先生がほとんどだと思うよ」
「大変だなあ…」
頭が下がる思いでした。
小学校にいても、忙しさのあまり、気がつけば一日トイレに行ってなかったことはあります。
でも、養護学校の場合、特別に忙しい場合の話ではなく、それが日常の話なのですね。
その先生が言うには、養護学校の子たちは、危険なことをしてしまうこともあって、実際それでけがをしてしまうこともある。
できるだけ防ぎたいけど、やはりその全てを防ぐことはできない。
でも、防げなかったとしても、そのけがをしてしまった状況を、先生がしっかり見ておくことが必要なんだと。
その子が、どこでどうやってけがをしたか。
それを把握しておくことが、次を防止するためのこれからの支援の在り方につながるし、その子の保護者へも説明できるようになる。
見てなければ、説明もできないわけです。
それで、見ていないという状況をつくらないように、トイレに行く場合だって、先生たちどうしで
「ちょっとお願いね」
と、声を掛け合っていく必要がでてくるんだと。

小学校の我々にも、学ぶべき点がたくさん含まれているような気がしました。